「買って」と言われてないのに、なぜ私はプラコロを買った?

「買って」と言われてないのに、なぜ私はプラコロを買った?

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ビジネス・マーケティング
小3の長男が放課後デイで最近ハマっているという「プラコロ」。

「プラコロって何ですか?」と支援員さんに聞いたら、
「私たち世代でいう、バトル鉛筆みたいなものです」

らしい。

そして私は、このプラコロを子どもから「買って」と一度も言われていないのに買った。

Switch2は「買って」と言われても断っているのに。

なぜプラコロには、親である私の財布が開いたのか。
単純に価格だけがネックではなかった。

ここを考えてみると、「欲しくさせる」だけではない、もう一つの売り方が見えてきました。


プラコロってなぁに?

プラコロは、ポケモンの形をした「キャラコロ」と、技を出すための「エネコロ」を転がして対戦するおもちゃ。

Nプラコロ.png

実は完全な新商品ではなく、約30年前に発売されていた商品のリバイバルらしい。

30年前といえば、私は小学生真っ只中。
それなのに、まったく記憶がない。

当時は、たまごっち、ミニ四駆、ハイパーヨーヨー、バトル鉛筆……と強敵が多すぎた。

プラコロまで私の記憶容量には入らなかったらしい。

そんなプラコロが、ポケモン30周年の2026年に復活した。

転がすだけ。なのに、意外と奥が深い

遊び方は簡単。

キャラコロとエネコロを転がして、出た目の組み合わせで技を出し、相手のHPを削っていく。

ルールもポケモンカードほど難しくなく、ゲームが得意な子だけが勝つとも限らない。

放課後デイではカスタムせずに遊んでいるようで、長男にとっては「何が出るかな?」を楽しむ運ゲー。

ところが、家用に買ってみて分かった。

プラコロ、ただの運ゲーではなかった。

技によって必要なエネルギーが違い、エネコロの面はカスタムできる。

「この技を出したいから、このエネルギーが出やすいエネコロにしよう」と、自分でサイコロの面を組み替えられる。

ポケモンごとに技も違い、弱点もある。

わが家にある水タイプのゼニガメなら、でんきタイプの技を受けるとダメージが増える。

つまり、

どのポケモンを使うか。
どの技を狙うか。
そのためにエネコロをどうカスタムするか。

遊び込むほど、考える余地が増えていく。
パーツを集めるほど、カスタムの幅も広がる

最初、スターターセットを4つ買ったあとに思った。

「運ゲーだったら、2セットでよかったんじゃない?」

でも、そうでもなかった。

セットが増えるとポケモンが増えるだけでなく、カスタムに使えるエネコロのパーツも増え、作れるエネコロのパターンも増えていく。

SNSを見てみると、特定のエネルギーが出やすいエネコロを作ったり、技が成功する確率を考えたりと、かなり本気でカスタムしている大人もいる。

カスタムなしなら、運ゲー要素多め。

一方、遊び込む人は、使うポケモンや技に合わせてエネコロを調整し、本格的な勝負もできる。

好きなポケモンを集めたい人には、コレクションとしての楽しさもある。

つまりプラコロは、

「転がすだけの運ゲー」から「自分で勝ち方を考える対戦ゲーム」まで、同じ商品で遊び方の深さを変えられる。

入口はものすごく簡単。

でも、ハマった人には奥へ進める余地がある。

子どもはすぐ遊べる。
大人は考えて遊べる。
集めれば、もっと遊べる。

遊ぶ人と遊び方の幅を、かなり広く取った商品設計になっている。

しかも、新しいポケモンを買えば、コレクションが増えるだけではない。
技やカスタムの選択肢も増えていく。

だから「もう持っている」で終わりにくい。

プラコロをやり込めばやり込むほど、新しいキャラやパーツが欲しくなる。

1個1個の値段も1,000円以下。頑張れば、子どものお小遣いでも届く金額。

こりゃ売れるわ。

と思いました。

……でも、わが家でおもちゃを買うかどうかを決めるのは、子どもではない。

親である私です。

遊びが面白いだけでは親は買わない

子ども向けの商品は、

使う人=子ども
欲しがる人=子ども
お金を出す人=親

になることが多い。

どれだけ子どもが「欲しい!」と思っても、

「高い」
「すぐ飽きそう」
「家に似たようなものがある」
「またゲームが増えるの?」

と親が思えば、そこで止まる。

つまり、子どもに欲しいと思わせるだけでは、購入までたどり着かない。

では、なぜ私はプラコロを買ったのか。

ここで思い出したのが、Switch2だった。

Switch2は断ったのに、プラコロは頼まれる前に買った

わが家では、Switch2は子どもから「欲しい」と言われても断っている。

今、家で遊んでいる初代Wiiでも十分遊べているし、Switch2となると値段もそれなりにする。

WiiとSwitchの違いもわからない私からすると「新しく買う必要がある?」
という気持ちもある。

つまり、子どもがどれだけ欲しがっても、私の中には買わない理由がいくつも残っている。

一方、プラコロは違った。

長男が放課後デイで楽しそうに遊んでいる。

だから、買ったのに遊ばなかったらどうしよう」という心配がない。

テレビゲームではない。
(未だにテレビやスマホ漬けになってしまうのは抵抗がある)

兄弟で遊べる。友達の家にも持って行ける。

小さいので場所を取らない。

そして、価格も比較的手を出しやすい。

一つひとつを見れば、「絶対に買いたい!」と思わせるほど強烈な理由ではない。

でも、

「遊ばないかも」
「高いかも」
「またゲームが増える」
「場所を取る」

そんな、私の中にある「買わない理由」がほとんど残らなかった。

そして私は、子どもからお願いされることもなく、
「プラコロ、買いに行こう!」と自分から言い出した。

私の場合、プラコロは「ものすごく欲しかった」から買ったというより、
購入を止める理由が少なかったから買ったのだと思う。

「なぜ買う?」だけでなく、「なぜ買わない?」を考える

マーケティングを考えていると、

「商品の魅力をどう伝える?」
「どうすれば欲しいと思ってもらえる?」
「どんな訴求なら刺さる?」

と、つい「買う理由」を足す方向に考えてしまう。

でも、人が買わない理由は「魅力が足りないから」とは限らない。

欲しいけど、高い。

興味はあるけど、本当に使うか分からない。

良さそうだけど、自分に合うか不安。

必要だと思うけど、今じゃなくてもいい。

そんな小さな引っかかりが、購入を止めていることもある。

だったら考えるべきなのは、

「どうしたら、もっと欲しくなる?」

だけではなく、

「この人は、何が引っかかって買わないんだろう?」

なのかもしれない。

今回の私は、子どもに「プラコロ欲しい!」と説得されたわけではない。

商品を知って、

「これなら遊びそう」
「これなら兄弟で使える」
「この値段なら買ってもいい」

と、購入を止めるハードルが一つずつ下がっていった。

そして気づいたら、買っていた。

人を動かすのは、強烈な「欲しい!」だけじゃない。

「買わない理由」が一つずつ小さくなって、「これなら買ってもいい」に変わることも、十分に購買のきっかけになる。

商品の魅力を増やす前に、

「この人は、なぜまだ買わないんだろう?」

から考えてみる。

そうすると、商品の見せ方や、伝えるべき情報も変わるのかもしれない。

Switch2は断ったのに、頼まれてもいないプラコロを買った。

自分の財布が開いた理由を考えてみたら、そんなマーケティングの視点が見えてきました。


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