大切な親を預ける施設、何を見て選びますか?

大切な親を預ける施設、何を見て選びますか?

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コラム
「お金を出して、きれいな施設に入れてあげれば安心」
そう考えている方に、看護師としてお伝えしたいことがあります。

世の中には、たくさんの施設があります。
外観が美しいところ、設備が新しいところ、ホテルのようなところ。
けれど、どこの施設も、やっていることは基本的に同じです。

では、何が違うのか。
それは、そこで働いている「人」です。

そして、働く人を決めるのは、社長であり、施設の長です。
施設の長がどのようなお考えを持ち、どのようなお人柄で、どのように人と接しているのか。
それによって、そこで働く方々の雰囲気も、ケアの質も変わります。

壁がきれいかどうか、ロビーが豪華かどうか。そこではありません。
本当に自分の大切な親を預けたいなら、そこにいる「人」をよく見てください。
見学のときは建物ではなく、職員の表情や言葉づかい、入居している方々の表情や、その方々への接し方を見てください。
そして、できれば施設長と直接お話をしてみてください。

ちょっと余談ですが、施設長さんを見た目だけで判断しないでくださいね。
なかには、一見こわもてで「もしかして背中に何か入っていらっしゃる…?」と思ってしまうような施設長さんもいらっしゃいます(笑)。
でも、お付き合いを続けていくうちに、誰よりも利用者さんのことを思っている方だった、ということも少なくありません。
見た目ではなく、その方が利用者さんにどう接しているか。そこを見てくださいね。

そして、もうひとつ。
実は、いちばん大切なのは「あなた自身」です。

「お金を払っているのだから、やってもらって当たり前」
介護の現場では、残念ながらそうした言葉を耳にすることもあります。
料金はさまざまですが、どんな施設であっても、そこで働いているのは人です。
人のお世話が、どれほど大変なことか。

「ありがとう」の一言で、働く人の心は変わります。
そしてその心は、あなたの大切な親へのケアに、そのまま返ってきます。
良い施設は、施設だけでつくられるものではありません。
預ける側の思いやりも、一緒につくっていくものなのです。

親に会いに行ったとき、「トイレに行きたい」「あれを取ってほしい」と頼まれる場面に出くわすことがあるかもしれません。
それは、チャンスです。
親の介護を、自分の手で体験するチャンスです。
(トイレなど転ぶ危険があることは、職員さんに声をかけて、一緒に手伝ってくださいね。)

いずれ、自分もお世話をされる側になります。
そして、その姿を、お子さんやお孫さんにも見せてあげてください。
親を大切にするあなたの姿は、きっと人生の学びとして、次の世代に受け継がれていきます。

大変なことから目をそらし、すべてを人に任せてしまうのではなく。
次の世代が「老いること」「お世話をすること」を学ぶ機会を、どうか奪わないでください。

お金をかけることが悪いのではありません。
お金をかける場所を、間違えないでほしいのです。

大切な人の最期の時間を、誰と、どこで過ごすのか。
それを考えることも、人生会議のひとつです。

「どこを選べばいいのか分からない」
「家族で話し合っても、まとまらない」
そんなときは、「ことづて」で一緒に整理していきましょう。
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