「資料は送りました」
「先方に確認中です」
「来週、もう一度連絡します」
連絡はしている。作業もしている。それでも、次に何をすればよいかが見えない。
そんなときは、連絡回数を増やす前に、記録の残し方を見直してみてください。
M&A仲介の仕事では、当事者の意向、資料、質問、条件が同時に動きます。これらを一つのメモに詰め込むと、「今どこで止まっているか」と「次に誰が動くか」が埋もれやすくなります。
まず分けたいのは、次の3つです。
① 今の状態を共有する「案件サマリー」
② 次に動く人を決める「アクション表」
③ 確認と判断を混ぜない「論点表」
この記事では、有料教材「M&A仲介 新人のための案件推進ロードマップ」から、この考え方を取り出して説明します。以下の会社・日付・担当者は、説明のための架空例です。
1.案件サマリーは「何をしたか」より「今どうなっているか」
案件サマリーは、活動履歴をすべて書く場所ではありません。初めて読む人が、現在地をつかむための記録です。
たとえば、次の一文だけでは状況が分かりません。
× A社に資料を依頼。引き続き対応中。
次のように分けてみます。
【確認済みの事実】
A社から11月2日版の売上集計を受領した。
【当事者の意向】
代表者は従業員の継続雇用を重視している。
【未確認事項】
売上集計に子会社分を含むかは未確認。
【次の確認】
担当Bが11月10日までに、A社経理へ集計範囲を確認する。
「受け取った事実」「本人の希望」「まだ分からないこと」を分けるだけで、次の会話が具体的になります。
意向を合意事項に変えたり、未確認の数字を確定値として記載したりしないことも大切です。
2.アクション表には「完了の定義」を入れる
アクション表で抜けやすいのが、何をもって終わりとするかです。
「買手に確認する」では、連絡した時点で完了なのか、回答を得た時点で完了なのかが分かりません。
最低限、次の5項目を残します。
・何を確認するか
・誰が担当するか
・いつまでに確認するか
・何が分かれば完了か
・次にいつ状況を更新するか
【記入例】
作業:売上集計の対象範囲を確認する
担当:B
期限:11月10日
完了の定義:対象会社・対象期間・除外項目を確認し、案件サマリーに反映する
次回更新:11月8日に回答見込みを確認する
ここまで書くと、相手から回答が来ない場合も、「回答見込みを確認する」「質問の範囲を整理し直す」といった次の行動を考えやすくなります。
期限は一方的に置くだけでなく、担当者の対応可否と合わせて確認してください。
3.論点表では「事実・未確認・判断」を別の欄にする
論点をメモするとき、気づいたことと結論が混ざっていないでしょうか。
たとえば、設備の引継ぎについて、情報が揃う前に「問題なし」と書いてしまうと、何を確認していないかが見えなくなります。
【事実】
対象事業では設備Xを利用している。
【未確認事項】
契約内容や、引継ぎ後も利用できるかは未確認。
【確認先】
資料の保有担当者、契約の確認を行う専門家。
【判断する人】
必要な確認結果を踏まえて、当事者が対応方針を検討する。
担当者の役割は、分からないことを自分の推測で埋めることではありません。何が分かり、何が分からず、誰に確認する必要があるかを整理することです。
法務・税務等の個別判断は、担当専門家へ確認します。
今日やるなら、止まっている案件を1つだけ選ぶ
最初から立派な管理システムを作る必要はありません。まず、次の空欄を埋めてみてください。
【現在地】今、どの確認・判断の前で止まっているか:
【事実】何を確認できているか。その根拠は何か:
【未確認】何が分からないか:
【担当】誰が、誰に確認するか:
【期限】いつまでに確認し、いつ状況を更新するか:
【完了】何が分かれば、次の作業へ進めるか:
空欄が残ったら、そこが次に確認するポイントです。
案件全体を一度に動かそうとするより、「次に確認する1件」を具体的にしてみてください。
工程ごとの確認も整理したい方へ
今回の3つの記録を、初回相談・資料整理・面談準備・DD・契約準備・実行後の引継ぎまでつなげて学べるよう、PDF教材にまとめています。
「M&A仲介 新人のための案件推進ロードマップ」
・A4・16ページ/4,000円
・工程別の確認事項、架空ケース、記入テンプレート、チェックリストを収録
・完成済みPDFのダウンロード販売
・面談・電話・個別相談・添削は含みません
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この記事だけでも、上の記入例から始められます。工程ごとに見直せる教材が必要な方は、商品ページで内容をご確認ください。
※一般的な学習・業務整理のための記事です。個別案件の判断や契約・税務・法務への助言を行うものではありません。AIを執筆・構成補助に使用しています。