こんにちは!高倉友彰です。
お気に入りの音楽に耳を傾けているとき、ふと、システム開発という仕事はオーケストラの楽譜を書くことにとてもよく似ているなと思うことがあります。たくさんの異なる楽器の音色が重なり合い、ひとつの美しい交響曲が生まれるように、システムもまた、様々なプログラムが正しく響き合うことで初めて、誰かの毎日を快適に動かし始めるからです。私はフリーランスのエンジニアとして、日々パソコンの画面に向かいながら、そんな目に見えない音楽を仕立てるような仕事をしています。
新卒で入社した大きな会社での仕事は、例えるなら何百人もの演奏者が所属する巨大な楽団で、絶対に音を外してはいけない伝統的な古典音楽を演奏し続けるようなものでした。そこでは、何万人ものお客様が毎日聴くための場所だからこそ、ひとつの音符の狂いも許されないという、とても頑丈で厳しい仕組みが求められました。一分の隙も許されない計画に従い、絶対に崩れない音の土台をみんなで維持し続ける日々は、エンジニアとしての私の確かな骨組みを作ってくれました。今でも、見えない裏側の部分を美しく、そして頑丈に整えることにこだわるのは、その場所で学んだ大切な教えがあるからです。
しかし、もっと聴き手のすぐ近くで演奏したい、その人の人生の特別な瞬間に寄り添うような新しいメロディを自分の手で作ってみたいという思いから、私は独立の道を選びました。いま関わっているスタートアップの現場は、まるで毎日新しい楽器や演奏家が集まる、活気あふれる街の小さなジャズクラブのようです。昨日まで誰も試したことのない新しいリズムを、今日の演奏に新しく即興で取り入れてみる。そんなスピード感と柔軟さが毎日を刺激的にしてくれます。
なかでも、最近の私の開発現場で大活躍しているのが、人工知能という名の、自動で新しい旋律を生み出す不思議な楽器です。これまでの仕組みは、あらかじめ決めた楽譜通りにしか音を鳴らさない生真面目なものでした。しかし、この新しい道具を仕組みの中に上手に組み込むことで、聴き手の気分や状況に合わせて、最も心地よい即興演奏を披露してくれるようになります。毎日の面倒な譜めくりや、複雑な音の調整を一瞬で終わらせてくれる、頼もしい相棒のような存在です。
私が開発において何より大切にしているのは、巨大な楽団で学んだ絶対に崩れない指揮法のような頑丈さと、小さなクラブだからこそできる自由な発想を、ひとつのシステムの中で同居させることです。底を支える配線やデータの通り道は、どこまでも丁寧に、そして頑丈に築き上げる。その一方で、使う人が触れる画面や音色の部分は、いつでも軽やかに形を変えられるように余白を残しておく。この絶妙なバランスこそが、長く愛されるサービスを生み出す秘訣になります。
冷たくて難しそうに見えるコンピューターの世界ですが、その仕組みを動かしているのは、誰かの不便を解消して笑顔にしたいという人間の温かい想いです。あなたのビジネスという特別なステージに、新しい風を取り入れてみませんか。