あなたは
パーマネント野ばら
という映画を知っていますか?
昔、友人が「すごくいい映画だよ」と勧めてくれたことがありました。
そのときの正直な感想は「よく分からない映画だな」というものでした。
主人公はどこか不安定で、恋愛もうまくいっていないように見えます。
少し不思議で、少し切ない物語。
舞台は小さな海辺の町。
そこには「パーマネント野ばら」という美容院があり、町の女性たちは集まって恋愛や結婚の話、時には失敗談をおしゃべりしながら過ごしています。
物語の中心にいるのは、一度結婚に失敗し、娘を連れて町に戻ってきた主人公の女性(菅野美穂)。
彼女は町で働きながら静かに日常を過ごしていますが、実はある恋をしています。
ただ、その恋は普通の恋とは少し違っていました。
物語の最後で、その恋の真実が明らかになります。
実はその男性はすでにこの世にいない人で、主人公の心の中で続く恋だったのです。
そして印象的だったのは、町の人たちがそのことを知りながらも、何も言わず彼女に合わせていることでした。
「もう亡くなっているんだよ」と現実を突きつける人はおらず、むしろ静かな時間を壊さないようそっと見守っているのです。
最初に見たときは気づかなかった町の風景や海の静けさ、人々の優しさ。
二度目に見ると、それらがとても丁寧に描かれていることに気づき、自然と感動しました。
主人公の人生が幸せか不幸かは、
人によって感じ方が違うでしょう。
現実的に見れば、この人の人生はどこか歪に見えるのかもしれません。
けれど、その歪さがあるからこそ、周りの人の優しさが引き出され、
街全体としてどこか調和しているようにも感じました。
悲しさもあるけれど、そこには優しさもある。
苦しさもあるけれど、どこか温かい。
そんなふうに、人の弱さや不完全さが重なり合って、
この物語は静かに美しく成り立っているのだと思いました。
まるでこの街全体が、
「不完全でもいいよ。ありのままのあなたでいいよ」
とそっと言ってくれているようです。
街の人たちもそれぞれ悩みや事情を抱えているはずなのに、
誰かを正そうとしたり無理に変えようとしたりはしません。
もし誰かが主人公に真実をはっきり言おうとしても、街の誰かが
「まぁまぁ、人生って真実がすべてじゃないのよ。黙っておきなさい」
と優しくたしなめるような空気さえ感じます。
人生も、私たち自身が気づかないだけで、この映画の町のように少し不完全なのかもしれません。
真実がすべてではなく、正しいことがすべてでもない。
現実の歪ささえも調和が取れているものなのかもしれません。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました☺️
いつかお会いできるのを楽しみにしていますね。