恥の多い生涯を送ってきました(笑)
さて、人間というのは同じ失敗を繰り返す生き物である。
なぜだろうか?
その理由の一つは、失敗を失敗として認めることが難しいからだ。
自分の決定や行動が失敗だったことを正面から認めることは辛いことである。
そういう状況に置かれたとき、恥の意識から失敗そのものをなかったことにしようとする人も多い。
しかし、失敗の事実や原因から目を背ければ、次も同じ状況で同じ過ちを繰り返してしまう。
このエッセイを書いていて思い出したが、『十二国記』に斡由(あつゆ)という人物が登場する。
斡由は非常に優秀な政治家だった。民からも慕われ、善政を敷き、才能ある人材を積極的に登用する理想的な為政者として知られていた。
しかし彼には致命的な欠点があった。それは、自分の失敗や誤りを決して認められないことだった。
作中では、父が「斡由に失敗はないと言われるが、実際には失敗しても決して非を認めない」と語っている。斡由は自分に反対する者や都合の悪い事実を排除し、時には部下に命じて殺害させることさえあった。
彼は結局そのことで追い詰められ、最終的に友人の手によって命を絶たれる。
人は失敗そのものによって滅びるのではない。失敗を認められなくなったときに滅びるのだ。
斡由という人物は、そのことを象徴する存在だったように思う。