側弯症のココロ――背骨の「軸」から考える身体と心

側弯症のココロ――背骨の「軸」から考える身体と心

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コラム
側弯症のココロ――背骨の「軸」から考える身体と心



専門学校で側弯症という「症状」について学んだとき、私の頭に残ったことがあります。


それは、


・思春期の女性に多い
・脊柱側弯症全体の60〜70%は原因不明とされている
・原因が分かっている側弯症もある
・10代の女性は装具をつけたがらないことがある


ということです。


そもそも側弯症とは?



脊柱側弯症とは、背骨が左右に曲がるだけでなく、椎骨のねじれも伴う状態です。


側弯症には、生まれつき椎骨の形に異常がある「先天性側弯症」や、神経や筋肉の病気などに伴って起こる側弯症があります。


その一方で、原因を一つに特定できないものは「特発性側弯症」と呼ばれ、側弯症全体の60〜70%を占めるといわれています。


私はこれまで、側弯症の方の身体をみたことがあります。


その中には、


「これほど背骨が側弯しているのに、普通に生活できているのか」


と驚かされた方もいました。


反対に、背骨の曲がりはそれほど大きくなくても、痛みや疲れやすさ、
身体の動かしにくさ、見た目への不安などを抱えている方もいます。


そのため、画像に映った背骨の形だけで、本人がどれだけ困っているのかを判断することはできません。


本人だけでなく、親の生活も考える



側弯症をいろいろ調べてみると本人の生活習慣、食習慣が影響しているであろう症状が多数あり、
また本人以上に考えないといけないのが親の生活習慣、食習慣です。特に先天性とか名前についているなら余計です。


子どもの身体は、子どもだけでつくられているわけではありません。


生まれる前の両親の身体の状態や食生活、生まれてから家庭でどのようなものを食べ、どのような生活をしてきたのか。


睡眠、運動、日光、姿勢、身体の使い方、家庭内の環境なども含めて、子どもの身体を考える必要があると私は思っています。


詳しくは、私がこれまで書いてきた「近代食」や「退化病」についての投稿もお読みください。


ただし、側弯症は特定の食べ物や生活習慣だけで起こると証明されているものではありません。


また、「先天性」と名前についているからといって、親の生活習慣が医学的な原因だと断定できるものでもありません。


ここで伝えたいのは、親を責めることではなく、


「原因不明だから考えなくてよい」


で終わらせず、本人だけでなく、家族全体の暮らしまで振り返ってみる必要があるのではないか、ということです。


側弯症が訴えるサインとは?



ここからは医学的な原因の説明ではなく、私が身体の症状を考えるときの一つの見方です。


背骨は、身体にとって「軸」になります。


その軸が曲がるという身体の表れを見たとき、私は「その人の生きる軸はどうなっているのだろう」と考えます。


たとえば、


①本人に生きる軸がない


自分が何をしたいのか分からず、周囲の意見に合わせて生きている状態です。


症状が子どもに出ている場合は、子どもが自分なりの軸をつくれる環境を、大人が用意できているかを考えます。


②本人の軸がブレている


周囲の期待や家族の考えによって、その人の判断や気持ちが振り回されている状態です。


子どもの場合、親の言うことや態度がその時々で変わり、何を基準にしたらよいのか分からなくなっていることもあります。


③生きる軸を持ちたくない


自分で決めることを避け、誰かの言いなりになることを望んでいる状態です。


子どもの場合は、親が先回りして決め続けることで、子どもが自分で考え、選ぶ機会を奪っていないかを考えます。


もちろん、これらの状態が側弯症の医学的な原因だと断定することはできません。


身体の曲がりと心の状態を単純に結びつけるのではなく、症状をきっかけとして、
その人の生活や人間関係、生き方を見直すための問いです。


「身体以上に心が曲がっている」とは



本来まっすぐに並んでいる背骨が曲がるのが側弯症です。


その身体を見たとき、身体以上に、自分の気持ちや生き方を曲げていないだろうかと考えます。


本当は嫌なのに、嫌と言えない。
自分の希望より、親の希望を優先する。
周囲に合わせるために、自分の気持ちを押し込める。
自分で決めることを諦めている。


大人であれば、なぜ自分の軸を曲げるようになったのか。


子どもであれば、家庭の中で自分の意思を表現できる環境があるのか。


ここを考える必要があります。


これは本人や親を責めるためではありません。


身体の治療だけでは見えてこない問題を、家族も含めて考えるための視点です。


装具をつけたくない気持ち



思春期は、自分の身体や周囲からの見られ方が気になる時期です。


その時期に装具をつけることは、本人にとって大きな負担になる場合があります。


暑い。
苦しい。
服の上から目立つ。
友達に見られたくない。
自分だけが違うように感じる。


「治療に必要だからつけなさい」


と伝えるだけでは、本人の気持ちが置き去りになるかもしれません。


装具を嫌がることを単なるわがままと判断せず、


「何が嫌なのか」
「何に困っているのか」
「どうしたら続けられるのか」


を聞くことも大切です。


困っているのは本人ですか?家族ですか?



側弯症について考えるとき、最初に確認したいことがあります。


「今、いちばん困っているのは誰なのか?」


ということです。


本人はそれほど困っていないのに、家族だけが将来を心配していることがあります。


反対に、本人は痛みや見た目について悩んでいるのに、家族が「普通に生活できているから大丈夫」と考えていることもあります。


本人の困りごとと、家族の心配は同じとは限りません。


だからこそ、身体の状態だけでなく、本人と家族、それぞれの話を聞く必要があります。


側弯症で困っている場合、困っているのは本人でしょうか。それとも家族でしょうか。


そして、その背骨や生きる軸が曲がってしまった理由を、一度考えてみませんか。


医学的に必要な検査や治療を受けながら、食事、睡眠、身体の使い方、生活習慣、学校生活、親子関係、本人の気持ちまで見直していく。


私は、側弯症と向き合うためには、その両方が必要だと考えています。


当院では側弯症そのものを診断したり、治ると保証したりすることはできません。


しかし、


「病院で説明を受けたけれど、どう向き合えばよいか分からない」
「本人と家族の気持ちがかみ合わない」
「食事や生活習慣も含めて考えたい」
「本人が何を我慢しているのか整理したい」


という方のお話を伺い、身体と心の両面から一緒に考えることはできます。


※側弯の進行、強い痛み、しびれ、筋力低下、呼吸のしづらさなどがある場合は、先に整形外科や側弯症の専門医へご相談ください。
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