【広報戦略】リーチ至上主義はやめよう

【広報戦略】リーチ至上主義はやめよう

記事
ビジネス・マーケティング
広告やSNS運用のご相談を受けていると、クライアント様からよく耳にする言葉があります。

「とにかくリーチを最大化したいんです」

Instagram、TikTok、YouTube…どの媒体でも、
再生数やリーチ数を“伸ばすこと”が成功だと思われがちです。

しかし、結論から言えば
「リーチを最大化する=最適な広告戦略」ではありません。
むしろ、多くの企業がこの誤解によって広告効率を落としてしまっています。

この記事では、初学者でもイメージしやすいように、
なぜリーチ至上主義が危険なのか を丁寧に紐解いていきます。


なぜ多くの企業が「リーチ信奉」に陥るのか

企業の担当者と話をしていると、ほぼ必ずと言っていいほど

「TikTokで○万再生いきました」
「YouTube広告で○人にリーチしました」

といった “大きな数字” を目標に掲げています。

理由はシンプルです。
数字が大きいほど 「成果が出ている感」が強く見える から。

媒体の管理画面でも、
巨大な数字が並んでいると「うまくいっているような気分」になります。
そしてその瞬間、知らないうちに “リーチ信奉” に陥ってしまうのです。


実は、媒体側にとってリーチ信奉は「都合がいい」

ここで少し立場を変えてみましょう。
Instagram、TikTok、YouTube…
彼らは広告で収益を上げるプラットフォームです。

広告費を増やせば増やすほど、
リーチは必然的に伸びていきます。

つまり媒体側にとっては、

「もっとリーチ取りましょう!」
「出稿を増やせばさらに多くの人に届きます!」

と企業に思わせることが、最も売上につながる構造 になっているわけです。


しかし現実には「効果の摩耗(逓減)」が起きる

企業の最終目的は当然、売上の向上です。
そのために「認知率を高めていきたい」と考えるのは自然なことです。

ではその認知率は、
リーチを増やした分だけ上がるでしょうか?

答えは NO です。
なぜなら、広告の世界では “効果の摩耗” が避けられないからです。


認知率がリーチ量に比例しない理由

もっとも大きな原因は、
同じ人に何度も当たる「重複リーチ」 が必ず発生すること。

たとえば、
・Aさんには5回広告が出る
・Bさんには1回も出ない

といったことが、常に起こっています。

するとどうなるか。
あなたの広告費はどんどん 「既に認知している人」 に流れ始めます。


つまり「無駄打ち」が増えていく

広告は最初の1回目・2回目がもっとも効果があります。

しかし5回目、6回目になってくると、
相手はすでに認知しているため 効果が薄くなり、費用対効果も低下 します。

この現象を可視化すると、
広告効果は 直線ではなく“カーブ” になります。

・最初は伸びる
・徐々に鈍化する
・最後のほうはほとんど伸びない

4_-「ノーム値」から導くGRP投下量とCM認知率の関係を示すグラフ-1024x512.png

まさに 逓減カーブ と呼ばれる形です。


だから本来は「ちょうどいい出稿量」を見極めるべき

多く出せば良いわけではありません。
少なすぎても意味がありません。

広告には必ず
“最適な出稿ポイント(スイートスポット)”
が存在します。

プロの広告運用の仕事は、このスイートスポットを見極め、
売上に最も効く量・配分を見つけることにあります。


ただし「摩耗」を気にすべき企業と、気にしなくて良い企業がある

ここで大事な前提をひとつ。
“すべての企業が摩耗を気にするべき” ではありません。

摩耗の問題が発生するのは主に以下のケースです。

● 大企業で巨額予算を投下できる場合
数億円単位で出せば、重複リーチが一気に増える。

● ニッチすぎる媒体やターゲティングを使う場合
母数が小さすぎて、すぐ当たり切ってしまう。

一方で、中小企業の場合
・YouTube広告を少額回す
・Instagram広告を常識的な範囲で使う
・TikTokで認知拡大を狙う

このくらいであれば、
摩耗はそこまで神経質になるほど深刻ではありません。


それでも「リーチ至上主義」を捨てるべき理由

摩耗が深刻でなくても、
リーチ至上主義は 本質的ではありません。

あなたが本当に見るべき指標は、

・売上につながるか
・購入意向が高まっているか
・クリックやLPで離脱していないか
・セグメントの質は正しいか
・クリエイティブは刺さっているか

こうした “売上に直結する因子” です。

リーチはあくまで 手段。
目的ではありません。


最後に本記事のポイントを整理します。
■ リーチは大事だが、最大化すれば良いわけではない
■ 効果は逓減し、重複リーチで無駄打ちが増えていく
■ 大企業・ニッチ媒体では摩耗が顕著に出る
■ 中小企業はそこまで気にしなくて良い
■ しかしリーチ信奉は本質ではない
■ 大事なのは「売上に効く戦略」

リーチが伸びると気分が良くなるし、
資料も華やかに見える。

しかし、
“見栄えの良い数字” が売上を作るわけではありません。

広告は「どれだけ伝わったか」ではなく、
「どれだけ動かせたか」で判断するもの。

ぜひ一度、
あなたの広告戦略が売上につながる構造になっているか、
立ち止まって見直してみてください。
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