それでも従業員さんにやってもらう他に、手はないのです

それでも従業員さんにやってもらう他に、手はないのです

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コラム
社内の業務プロセスを改善して、より効率的に変えて、同じ人員であればより多くのことを、多くはならずとも、より質の高い業務結果を生むように改善を実行するとき、それに動機を持ち得るのは畢竟、経営者ということになります。しかしながら、業務プロセスの改善実行を経営者が為せるかというと、それは無理なのです。
経営者が率先して業務プロセス改善プロジェクトの旗振り役となるのは必要不可欠ながら、実際の改善実行は必ず従業員さんがやってもらうこととなります。何故なら、極端に規模が小さいか、又は業務プロセスが単純な場合を除いて、業務プロセスの本来あるべき姿は常に変化して、見えない部分が出来てしまうからです。経営者が知り得ない業務に関わる情報での暗黙知の存在も厄介です。
しかも、業務プロセスがその時点で本来あるべき姿には、その企業を取り巻く経営環境が大きく作用します。現在のように人件費が高騰すれば、競合相手が提示する給与レベルも上がります。そうなれば、競合のプロダクトの価格も変わります。自社は価格を据え置きたいと思って給与を据え置きにすると、短期間では見えにくくとも、少し長めに見ると離職率が悪化してしまい、人材の喪失が起こってしまいます。これを原因とするサービスレベルの悪化を原因として、価格を据え置いたことがかえって仇となって売り上げが減少します。
業務プロセスの改善を、外部に丸投げして依頼することも選択肢の一つに見えるかもしれません。しかし、実際には外部の人間が行うのは、各現場で業務を実行している従業員さんへの詳細聞き取りで得られる情報の分析を基とすることになりますが、この時、外部人材が聞き取りを行うときに苦しむのが、その企業が持つ企業文化です。
その企業文化を理解することから始めねばならないため、聞き取り一つとっても時間と手間が膨大になりますから、長期間のプロジェクトに費やす費用は、結果に比べてどうしても高めになってしまいます。実際には、同様の聞き取りは専門人材により行われることがあり得ます。税理士や会計士が経理担当者から聞き取りを行うなど、普通にあり得る話です。しかしながら、それを可能としているのは、同じ知識を有し、同じ専門用語を駆使できるからであって、一般的な業務内容の聞き取りでは、企業文化と企業内でのみ通じる言語体系の存在が大きく立ち塞がることとなりますから。
結局は、例え慣れない聞き取り作業であっても、従業員さん同士が、同じ会社で企業文化を共有し、業務分野は異なっても、川上から川下までを俯瞰すれば、同一の業務プロセスをこなす人同士が、その企業でのみ通じる独特な言語で会話できることのメリットは計り知れません。
確かに聞き取った情報の分析は外部人材の方に一日の長があるでしょう。しかしながら、分析して問題点を見つけ出した後に、その解決策を策定したとしても、実際に解決策を実行する時、従業員さんにはこの問題解決への動機を持ってもらうことには非常なる困難が伴います。ここで経営者が無理やりそれの実行を命じたとしても、そもそも動機づけが出来ていないため、改善実行は低調に推移することは容易に予想されますし、極端な場合、ろくに改善はなされることなく有耶無耶になっていつまでも時間を空費するばかりとなることもあり得ますから。
この意味では、業務改善プロジェクトが成功裡に完了できるかどうかは、これを担当する従業員さんのモチベーションと能力にかかってくるというわけです。策定された改善プランの実行には、それを実際に担当する現場の従業員さんと、プロジェクトを担当している従業員さんとの間での深いコミュニケーションが必ず必要なため、同じ会社の従業員さん同士がこれを成し遂げることがどうしても必要になるということです。
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