映像制作の仕事を始めた頃、私はずっと思っていたこと・・・
「もっと上手くならないと仕事にならない」
「すごい映像を作れるようにならないと、お金をいただいてはいけない」
そんなふうに思っていました。
SNSやポートフォリオを開けば、驚くような作品を作る
クリエイターがたくさんいます。
After Effectsを自在に操り、複雑なアニメーションや3DCGを使った
映像を見るたび
「こんなの作れないな……」と思うこともありました。
でも、実際にさまざまな企業様や団体様の映像制作に携わるようになって
少し考え方が変わりました。
仕事で求められるのは「すごい映像」だけではない
もちろん、映像制作には技術が必要です。
そして私自身、今でも新しい表現や技術を学び続けています。
ただ、実際の仕事で求められることは、それだけではありません。
「何のために上映する映像なのか」
「誰に見てもらうのか」
「会場ではどのように使われるのか」
「何を一番伝えたいのか」
こうした目的を整理し、限られた素材や制作期間の中で形にしていくことも
映像制作者の大切な仕事です。
制作途中では、思ったようにいかないこともあります。
構成を変更したり、素材に合わせて演出を考え直したり、技術的な問題を
ひとつずつ解決したり。
それでも最終的に、目的に合った映像として、きちんと着地させて納品する。
実務では、この力がとても大切なのだと感じています。
そして、クリエイターは農家に似ている
最近ふと、「クリエイターって農家みたいだな」と思いました。
映像を作っている時間だけが、クリエイターの仕事ではありません。
・サービスページを整える。
・ポートフォリオに実績を掲載する。
・ブログを書く。
・お問い合わせに対応する。
・ひとつひとつの仕事を丁寧に制作し、納品する。
そして、その実績がまた次のご相談につながっていく。
すぐに結果が出るものばかりではありません。
数か月前に掲載した実績を見てお問い合わせをいただくこともあれば
以前書いた記事を読んでくださる方もいます。
まさに、畑を耕して、種をまいて、水をやり、育つのを待つ。
そんな仕事です。
すべての種を育てなくてもいい
仕事を続けていると、さまざまなご相談をいただきます。
もちろん、すべての案件をお引き受けできるわけではありません。
制作期間やご予算、求められる内容によっては、お断りすることもあります。
以前は「せっかくお問い合わせいただいたのだから」と考えることもありました。
でも今は、自分が責任を持って制作できる案件を選ぶことも
良い仕事を続けるために必要だと考えています。
農業でも、土地や季節によって育てやすい作物は違います。
クリエイターも同じなのかもしれません。
自分の得意な畑を知り、その畑を丁寧に育てていく。
その積み重ねが、少しずつ仕事につながっていくのだと思います。
一件の仕事が、次の種になる
映像制作を始めた頃は、「もっと上手くなったら仕事ができる」
と思っていました。
でも実際には、
仕事をする
↓
分からないことにぶつかる
↓
調べる・考える
↓
完成させる
↓
経験になる
↓
次の仕事に活かす
この繰り返しでした。
最初から完璧である必要はなく、仕事をしながら少しずつできることを
増やしていく。
そして、一件一件の仕事をきちんと積み重ねていく。
気づけば、それまでの制作実績そのものが、次のお客様に安心して
ご相談いただくための材料になっていました。
だから今は、クリエイターは農家である。
そんなふうに思っています。
明日も畑を耕しながら、一つひとつの仕事を大切に育てていきたいと
思います。