なぜかいつも自分を責めてしまう人へ

なぜかいつも自分を責めてしまう人へ

記事
コラム
なぜかいつも自分を責めてしまう人へ

―自己肯定感が低い人ほど陥る、5つの思考グセ―

アイリス綾






目次

はじめに3

第一章 「私なんて」が口癖になる思考グセ6

第二章 他人の顔色ばかり伺ってしまう思考グセ11

第三章 完璧にできないなら意味がないと思う思考グセ16

第四章 過去の失敗を何度も再生する思考グセ21

第五章 幸せになることに罪悪感を持つ思考グセ26

特別収録 思考グセを手放した人に共通する五つの習慣32

占い師の視点から 自己肯定感と「運」の関係35

おわりに 思考グセは、性格ではなく習慣である37

著者プロフィール40

巻末付録 一週間の思考グセ手放しワークシート41






はじめに



「また、やってしまった」「私なんて、どうせ」「あの人は私のことをどう思っているんだろう」

もしあなたが一日のうちに何度もこうした言葉を心の中でつぶやいているなら、それはあなたの性格が悪いからでも、あなたが弱いからでもありません。それは、長い年月をかけて身についてしまった「思考のクセ」です。

私はこれまで、金融機関に二十六年勤めながら、並行して二十年にわたり高齢者施設などで心理学をベースにしたボランティア相談員を続けてきました。そして二〇二五年に占い師として本格的に活動を始めてからは、学生からご年配の方、経営者や政治家の方まで、三千件を超える有料鑑定でさまざまな方のお悩みに向き合ってきました。

その中で気づいたことがあります。相談内容は仕事、恋愛、家族、健康と多岐にわたるのに、その根っこにある「思考のクセ」は、驚くほど共通しているということです。

自己肯定感が低い人は、決して能力が低いわけでも、愛される資格がないわけでもありません。ただ、思考のレールが「自分を責める方向」に敷かれてしまっているだけなのです。レールは、敷き直すことができます。

この本では、私がこれまでの鑑定と相談の中で繰り返し出会ってきた「自己肯定感が低い人ほど陥りやすい五つの思考グセ」を、一つひとつ丁寧にひも解いていきます。そして、それぞれのクセから抜け出すための具体的な視点と習慣もお伝えします。

この本の使い方

各章には、実際にあった相談事例、ご自身で当てはまるかを確認できるセルフチェック、そして今日から取り組める実践ワークを収録しています。最初から順番に読んでいただいても構いませんし、目次を眺めて、今の自分に一番近いと感じる章から読み始めていただいても構いません。

一度にすべてを実践しようとする必要はありません。五つの思考グセのうち、まずは一つだけ、心に留めていただければ十分です。この本は、一度読んで終わりにするものではなく、思考グセが顔を出したときに、何度でも開き直していただける一冊として作りました。

私が大切にしている考え方に、「淡々と、こだわりなく、粛々と」という言葉があります。これは小林正観さんや片山鶴子さんの教えから私が受け取り、日々の指針としているものです。感情に振り回されず、過去にこだわらず、ただ淡々と今日を積み重ねていく。この本を読み終える頃には、あなたの中にも、その静かな強さの芽が生まれているはずです。

さあ、一緒に、あなたの心を縛ってきた思考のクセをほどいていきましょう。

なぜ今、自己肯定感がこれほど語られるのか

近年、書店にもインターネットにも「自己肯定感」という言葉があふれています。これは決して一時的な流行ではないと、私は感じています。

情報化が進んだ現代社会では、SNSを開くだけで、他人の輝かしい成果や幸せそうな日常が、絶え間なく目に飛び込んできます。比較する対象が、かつては身近な数人の知人だけだったのに対し、今や世界中の何千人、何万人という他人と、無意識のうちに比較させられてしまう時代になりました。

さらに、日本社会には「和を大切にする」「出る杭は打たれる」という文化が根強く残っています。この文化は、協調性という美点を育てる一方で、自分を過度に抑え込み、他人の評価を過剰に気にしてしまう土壌にもなってきました。

こうした背景の中で育った私たちが、自己肯定感の低さに悩むのは、決して不思議なことではありません。むしろ、これほどの情報量と比較のプレッシャーの中で、心をすり減らさずにいられる方が難しいとさえ言えるでしょう。

だからこそ、思考グセに気づき、意識的に手放していく作業が、これまで以上に大切な時代になっているのです。

内容は下記から
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