「許せない」を手放すと楽になる理由

「許せない」を手放すと楽になる理由

記事
コラム
「許せない」を手放すと楽になる理由

恨みも復讐もいらない、心が凪いでいく生き方

━━━━━━━━━━━━━━━



アイリス綾

目 次

はじめに1

第一章 なぜ、人は「許せない」を手放せないのか4

第二章 「許せない」を抱え続けることで、静かに失っているもの8

第三章 「許す」ことと「手放す」ことは、まったく別のもの12

第四章 淡々と、こだわりなく-感情を手放す実践法16

第五章 許せない相手との「ちょうどいい距離」の作り方20

第六章 手放した先にある人生-軽くなった心が引き寄せるもの23

第七章 鑑定でよくいただくご質問26

第八章 手放しの物語-三つのエピソードから29

第九章 二十一日間で「こだわり」を手放すワークブック32

おわりに35




はじめに

「あの人のことは、一生許せない」

鑑定のお部屋で、そう呟いてから静かに涙をこぼす方を、私はこれまで数えきれないほど見てきました。裏切った夫、心を折った上司、子どもの頃に傷つけてきた親、信じていたのに離れていった友人。理由はさまざまですが、行き着く先はいつも同じです。「許せない」という感情を、まるで重たい石のように、何年も、何十年も抱えたまま生きている。

先にお伝えしておきたいことがあります。この本は「相手を許しましょう」という本ではありません。私自身、二十六年間勤めた金融機関という組織の中で理不尽な扱いを受けたことも、大切にしていた人間関係が壊れる場面に立ち会ったこともあります。そのどれもを「はい、水に流しました」と簡単に言えるほど、人の心は単純にできていないと知っています。むしろ、簡単に水に流せるふりをして生きてきた方が、後になって心や身体に大きな反動を受けている姿も、数えきれないほど見てきました。

けれど、二十年にわたり心理学をベースにしたボランティアカウンセリングを続け、独立してからは三千件を超える有料鑑定を通してさまざまな方の人生に寄り添ってきた中で、一つだけ確信していることがあります。それは、「許せない」という感情そのものを手放すことと、「相手を許す」ことはまったく別の作業だという事実です。

相手を許す必要はありません。謝ってもらう必要すらありません。ただ、その感情を「握りしめ続けること」をやめるだけで、驚くほど人生は軽くなっていきます。呼吸が深くなり、眠りの質が変わり、これまで見えていなかった選択肢がふっと視界に入ってくるようになる。鑑定の場でそうした変化を遂げていく方を、私はこれまで何人も見送ってきました。

なぜ占い師である私が、こうした心の仕組みについてお話しできるのか、不思議に思われるかもしれません。私は鑑定の中で、単に運勢をお伝えするだけでなく、その方が今、心のどこにこだわりを持ち、どこにエネルギーを滞らせているのかを丁寧に見ていきます。三千件を超える鑑定の現場は、私にとって、人の心がどのように重くなり、どのように軽くなっていくのかを学び続けてきた、何よりの教室でした。

以前、ある方から「もう十年近く、元恋人のことが許せなくて、新しい恋に踏み出せません」というご相談をいただいたことがあります。話を伺っていくと、その方は「許せない」という感情を、いつの間にか「自分を守るための盾」のように使っていました。新しい人を好きになって、また傷つくくらいなら、恨みを抱えたままでいる方が安全だ、と。この構造に気づいたとき、その方は静かに涙を流しながら、「もう、その盾を下ろしてもいいのかもしれません」とおっしゃいました。この本には、そうした瞬間に至るまでの考え方と道筋を、できる限り丁寧にまとめています。

私が大切にしている言葉に「淡々と、こだわりなく、粛々と」というものがあります。小林正観さんや片山鶴子さんの教えから学び、私自身の生き方の軸にしてきた言葉です。感情を無理に消そうとするのではなく、こだわりを手放し、ただ淡々と、粛々と、自分の人生を積み重ねていく。この本では、その具体的な考え方と方法を、鑑定の現場で得た知見とともにお伝えしていきます。

「許せない」を抱えたまま生きることに、もう疲れてしまった方へ。この本が、その重たい荷物をそっと下ろすきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。どうぞ、ご自身のペースで、こだわりなく読み進めてみてください。

こんな方に、特にこの本を手に取っていただきたいと思っています。裏切られた出来事が頭から離れず、何年経っても同じ場面を思い出してしまう方。理不尽な扱いを受けたのに、相手はまるで何事もなかったかのように過ごしていることに、やり切れなさを感じている方。「許さなければいけない」というプレッシャーと、「どうしても許せない」という本音の間で、板挟みになっている方。そして、家族や職場など、簡単には縁を切れない関係の中で、日々その苦しさと付き合い続けている方。もし一つでも当てはまるものがあれば、この本でお伝えする内容は、きっとあなたのお役に立てるはずです。

内容は下記から
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す