連休明け、辞めたくなったあなたへ|転職活動は「辞めるため」じゃなく「現在地を知るため」

連休明け、辞めたくなったあなたへ|転職活動は「辞めるため」じゃなく「現在地を知るため」

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コラム
連休が明けて、また仕事が始まりました。

休みのあいだ、少し立ち止まって考えてしまった方も多いのではないでしょうか。「このまま今の会社で、いいんだろうか」「本当は、別の道があるんじゃないか」。連休明けのこの時期は、そういう気持ちがふっと大きくなりやすいものです。

もし今、そんなふうに揺れているなら、ひとつだけお伝えしたいことがあります。その気持ちは、必ずしも「今すぐ辞めるべきサイン」ではありません。でも、「一度、自分の現在地を確かめてみるサイン」ではあるかもしれません。

転職活動と、転職は、別のものです


多くの人が、ここを混同しています。転職活動を始める=会社を辞める、と思い込んでいるのです。だから、「辞める勇気はないから」と、活動そのものを我慢してしまう。

でも、この2つはまったく別のものです。転職活動は、応募や面接を通じて「自分は今、社会からどう見られているのか」「どんな選択肢があるのか」を確かめる行為です。その結果として転職する人もいれば、確かめた上で、今の会社に残る人もいます。活動することと、辞めることは、イコールではないのです。

転職は、あくまで選択肢の一つです。そして選択肢は、実際に見てみないと、あるのかないのかも分かりません。

動いてみて、「今の会社の良さ」に気づく人もいる


私はこれまで、多くの方の転職を見てきました。そのなかには、活動を始めたことで、かえって今の会社に残る決断をした方が、少なからずいます。

外に出て他社の話を聞き、条件や環境を比べてみて初めて、「実は今の会社の、こういうところは恵まれていたんだ」と気づく。不満ばかりが目についていたけれど、外から見直すと、良い面もちゃんとあった。そう気づいて、納得して今の場所で頑張り直す。これは、決して後ろ向きな結果ではありません。むしろ、モヤモヤを抱えたまま働き続けるより、ずっと健全です。

「隣の芝生は青く見える」と言いますが、本当に青いのか、それとも今いる場所も悪くないのかは、一度隣を実際にのぞいてみないと分かりません。転職活動は、その"のぞいてみる"を、リスクなくできる方法なのです。

「現在地を知る」ことが、なぜ大切なのか


自分の現在地を知らないまま働き続けると、二つの後悔が生まれやすくなります。

ひとつは、「本当はもっと良い環境があったのに、動かなかった」という後悔。もうひとつは、逆に、勢いで辞めてしまってから「今の会社のほうが良かった」と気づく後悔です。どちらも、自分の現在地を確かめないまま、思い込みで判断してしまったことから起きます。

現在地を知る、というのは、市場から見た自分の価値、他社の条件、自分が本当に大切にしたいもの——こういったものを、実際の活動を通して具体的に把握することです。それが分かって初めて、「残る」も「動く」も、納得して選べるようになります。大事なのは、どちらを選ぶかではなく、"確かめた上で自分で選んだ"という感覚を持てることです。

まず、小さく動いてみる


とはいえ、いきなり本気で転職活動を始める必要はありません。まずは小さく、現在地を測るところからで十分です。

自分の経歴を書き出して棚卸ししてみる。求人を眺めて、どんな条件や仕事があるのかを知る。職務経歴書を一度きちんと作ってみて、「自分は何ができる人なのか」を言葉にしてみる。これだけでも、自分の現在地はぐっと見えてきます。そこで「もっと外を見てみたい」と思えば進めばいいし、「今の場所で、もう少し頑張ってみよう」と思えば、それも立派な結論です。

動いてみたら、今の会社に戻った人の話


以前、「もう限界です、辞めたいんです」という一心で、相談に来られた方がいました。話を聞くと、たしかに疲れている様子でしたが、「では、どこに移りたいですか」と尋ねても、そこははっきりしていませんでした。辞めたい気持ちだけが先行していて、自分の現在地が見えていない状態だったのです。

そこで私は、転職先を探すより先に、まず一緒に職務経歴書を作り、これまでの経験を棚卸しすることを提案しました。書き出していくうちに、その方は「自分は思っていたより、いろいろな経験をさせてもらっていた」と気づかれました。同時に、他社の条件も少し調べてみたところ、「今の会社の、この部分は恵まれていたんだ」という発見もあったようです。

最終的にその方は、「もう一度、今の会社でやってみます」と、前向きな表情で戻っていかれました。辞めることはありませんでしたが、私はこれを良い結果だと思っています。勢いで辞めて後悔するのでも、モヤモヤを抱えたまま我慢し続けるのでもなく、自分の現在地を確かめた上で、納得して"残る"を選べたからです。

おわりに|どちらを選んでも、いい


連休明けに揺れる気持ちは、あなたが真剣に自分の働き方と向き合っている証拠です。その気持ちに、無理にフタをする必要も、勢いで飛び出す必要もありません。

転職活動は、辞めるための準備ではなく、自分の現在地を知り、納得して次を選ぶための手段です。動いてみた結果、今の会社で頑張ると決めるのも、新しい場所へ進むと決めるのも、どちらも正解です。大切なのは、思い込みではなく、確かめた上で、自分で選ぶこと。

私は、求人を紹介する立場ではありません。だからこそ、あなたが「残る」と決めても「動く」と決めても、どちらでもいいと本気で思っています。もし現在地を確かめる第一歩——自分の経歴の棚卸しや、職務経歴書づくり——で迷ったら、その部分だけでもお手伝いできます。焦らず、まずは自分の足元を見るところから始めてみてください。


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