Excel管理をkintoneへ移行|中小企業で業務改善を始めた理由【実践記①】

Excel管理をkintoneへ移行|中小企業で業務改善を始めた理由【実践記①】

記事
IT・テクノロジー
会社の中に、いくつExcelファイルがありますか?

商品マスタ。
在庫管理。
売上管理。
請求管理。
原価計算。

Excelは便利です。
私自身、今でも仕事で日常的に使っていますし、
関数を使った集計やちょっとした管理であれば、
Excelで十分な場面もたくさんあります。

ただ、会社全体で使う「業務の仕組み」として考えたとき、
少しずつ問題が見えてきました。

私が働く食品系の中小企業でも、
以前は多くの業務をExcelで管理していました。

そして現在、そのExcelを少しずつkintoneへ移行しています。
この記事では、なぜExcel中心だった会社で
kintoneによる業務改善を始めることになったのか。

そのきっかけについて、実際の経験をもとに紹介します。

Excelそのものが悪かったわけではない


最初に言っておくと、Excelを否定したいわけではありません。
むしろExcelは非常に便利です。

問題だったのは、Excelを使っていることではなく、その管理方法でした。
当時、社内ではさまざまな業務がExcelで管理されていました。

・商品マスタ
・在庫管理
・賞味期限管理
・原価計算
・請求管理
・売掛管理

そして、それぞれのファイルを担当者が自分のパソコンで管理していました。
ここから少しずつ問題が起き始めます。

「更新しました!」から始まるExcel管理


たとえば商品情報が変更されたとします。
担当者がExcelを修正する。

そして社内のメッセンジャーで、
「商品マスタ更新しました!」と報告する。

その連絡を見たメンバーが、
自分のパソコンに保存しているExcelを更新する。

一見すると、それでも運用できそうです。

でも実際には、

・更新の連絡を忘れたらどうする?
・連絡を見落とした人は?
・誰かが更新し忘れたら?
・古いファイルをそのまま使っていたら?
・誰がいつ変更したのか確認したいときは?

という問題が出てきます。

そして一番怖いのが、
「結局、どれが最新版なの?」という状態です。

「最新版.xlsx」
「最新版2.xlsx」
「最新版_修正.xlsx」

こんなファイルが増え始めると、情報そのものより
「正しいファイルを探すこと」に時間を使うようになります。

本当の問題は「Excel」ではなく情報の属人化だった


この状態を見て、最初に考えたのはファイルの共有でした。
GoogleドライブやDropbox、NASなどを利用して、
同じファイルを全員で確認できるようにすればいい。
技術的には、それだけでも改善できます。

しかし、中小企業で業務改善を進めていると分かることがあります。
仕組みとして正しいことと、実際に会社で使ってもらえることは別です。
新しいツールに慣れていない人もいます。

これまでのやり方を変えたくない人もいます。
「今の方法でも仕事はできている」という意見も当然あります。
当時は社内で共有化を提案したものの、
なかなか定着させることができませんでした。

結局、私は一度この問題から離れることになります。

3年後、営業活動がきっかけで状況が変わった


転機になったのが、
会社で本格的に営業活動を始めることになったことでした。

営業メンバーは3人。
それぞれが営業先を回り、商談内容を記録します。

ところが、
私はExcel。
別のメンバーもExcel。
Wordを使うメンバーもいる。

記録している内容も違いました。

会社名、担当者名、商談内容、次回アクション、
サンプル送付、見積提出……。

誰が、どのお客様に、何を提案して、現在どこまで進んでいるのか。
担当者本人に聞かなければ分かりません。
営業3人しかいないのに、お互いの進捗を把握するために会議をする。

これはさすがに効率が悪い。
さらに大きな問題は、営業情報が「会社の情報」ではなく、
担当者個人の情報になっていたことです。

担当者が退職すれば、
それまでの経緯やノウハウまで失われる可能性があります。

そこでようやく、
「顧客情報と営業活動を一元管理しよう」
という話が動き始めました。

CRMを検討して、kintoneを選んだ


最初は専用のCRMも検討しました。

本格的なCRMには多くの機能があり、
営業管理の仕組みも整っています。
一方で、会社としては導入コストも抑えたい。

さらに、自社の業務に合わせて
少しずつ仕組みを作っていきたいという事情もありました。
そこで候補になったのがkintoneです。

kintoneなら、自社でアプリを作成できます。
まず顧客管理から始めて、
必要になれば機能やアプリを追加していくこともできます。

そこで、
「まずは自分たちで顧客管理を作ってみよう」
というところからスタートしました。

顧客管理だけのつもりだった


最初に考えていたのは、本当にシンプルなものでした。

・会社情報
・担当者情報
・営業履歴
・案件管理

これらを一つの場所で確認できればいい。
ところがkintoneを触っていくうちに、あることに気付きます。

「これ、他のExcelもkintoneにできるんじゃない?」

商品マスタは?
在庫管理は?
賞味期限管理は?
売上は?
請求は?
売掛は?
仕入や原価計算は?

3年前に一度諦めた「会社の情報を一か所に集める」という構想が、
ここから再び動き始めました。

プログラミング未経験でも、どこまで作れるのか


ただし、私はエンジニアではありません。

もともと業務改善やDX関連の提案営業に携わった経験はありますが、
システムを自分で開発していたわけではありません。

JavaScriptも書けない。
APIも分からない。
そんな状態からのスタートでした。

kintoneの標準機能だけでも、多くの業務管理は作れます。
ただ、実際に運用していると、

「ここを自動計算したい」
「このボタンが欲しい」
「CSVを読み込んで処理したい」
「複数のアプリを連携したい」

といった要望が出てきます。
そこで活用するようになったのが生成AIです。
やりたい業務を整理して伝え、
コードを作成し、実際の環境で動作を確認する。

当然、最初からうまくいくわけではありません。
一つ直したら別のところが動かなくなる。
画面が真っ白になる。

昨日動いていたものが、修正したら動かなくなる。
そんな失敗も何度も経験しました。

それでも一つずつ改善していくことで、
実際の業務で使える仕組みが増えていきました。

現在は複数の業務をkintoneで管理


現在では、顧客管理を起点として、
さまざまな業務をkintone上で管理するようになっています。

・顧客管理
・案件管理
・営業履歴
・売上管理
・商品マスタ
・在庫/賞味期限管理
・仕入/原価管理
・請求管理
・売掛管理
・経営状況の確認

もちろん、すべてを一気に作ったわけではありません。
一つ作る。
実際に使う。
問題が出る。
修正する。
次の業務を作る。

この繰り返しです。

Excelをなくすこと自体が目的ではない


タイトルでは「会社のExcelを全部消したい」としていますが、
Excelをゼロにすること自体が目的ではありません。

Excelの方が便利な仕事なら、
Excelを使えばいいと思っています。

大切なのは、
「その情報を誰が持つべきなのか」
ということです。

担当者のパソコンの中だけにあるべき情報なのか。
それとも、会社全体で共有・蓄積すべき情報なのか。

後者であれば、
Excelファイルを個人で持つ以外の方法を考える価値があります。

特に、
・同じExcelを複数人で使っている
・誰が最新版を持っているか分からない
・更新したら社内チャットで報告している
・担当者に聞かないと状況が分からない
・同じ情報を複数の管理表へ入力している
・担当者が休むと業務が止まる

こうした状態があるなら、業務管理を見直すタイミングかもしれません。

まずは一つの業務から始める


私たちの会社も、
最初から会社全体をkintone化しようとしたわけではありません。

始まりは、たった一つ。
「営業3人の顧客情報を共有したい」
という課題でした。

そこから一つずつ業務を整理していった結果、
以前はそれぞれのパソコンに保存されていた情報が、
少しずつ一か所に集まり始めています。

業務改善というと、大規模なシステム導入をイメージしがちです。
でも中小企業では、まず一つのExcelを見直すだけでも
十分なスタートになります。

「このExcel、そもそも何のためにあるんだろう?」

そこから考えてみるだけでも、改善できる業務が見えてくるかもしれません。

次回:Excelでバラバラだった顧客管理をkintoneへ

次回は、この取り組みの最初の一歩になった
顧客管理アプリについて紹介します。

営業3人がそれぞれExcelやWordで管理していた顧客・営業情報を、
どのように整理してkintoneへ移していったのか。

実際の設計や、作っていく途中で気付いたことも含めて紹介していきます。
kintoneでの業務管理についてご相談いただけます

「Excel管理が複雑になってきた」
「kintoneを導入したものの、どう作ればいいか分からない」
「自社の業務をkintoneで管理できるのか知りたい」
といったご相談にも対応しています。

現在のExcelや業務フローを確認しながら、
まず何をkintone化すればいいのかという段階から一緒に整理できます。
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