「ないものではなく、あるものを見ましょう」
引き寄せの法則や自己啓発の世界で、よく言われる言葉です。
お金がある、住む家がある、家族がいる。
「すでにあるもの」に目を向けて感謝しましょう、と。
でも、正直に言うと、一生懸命な人ほど「感謝ワーク」をやると、潜在意識がこじれることがあります。
私の講座でも「感謝」に目を向けるワークは取り入れていますが、誰にでも無闇にやらせることはしません。
ある基準に達していない状態(=心の土台が整っていない状態)で感謝ワークをやると、潜在意識に害を及ぼす場合があるからです。
今日は、その「基準」と、感謝ワークの裏側にある落とし穴についてお話しします。
「知らんがな」と思っている自分に、フタをしていませんか?
感謝ワークをノートに書き出してみたものの
心の奥底で
「いや、それくらい知ってるけど。私が欲しいのはそれじゃない」
とイラッとしたり、白けたりしたことはありませんか。
これ、実はすごく正常な反応です。
問題は、「そんな不敬なことを思っちゃダメだ!」と、自分の本音を「感謝」という綺麗事で押しつぶしてしまうことです。
頭:「恵まれている、ありがたい」
潜在意識(本音):「こんなんじゃ全然足りない!」
この状態で続けると、頭と潜在意識が真逆を向いたまま、別々のゴールに向かって足を引っ張り合うことになります。
潜在意識は、書いた言葉よりも、実際に繰り返している感情のほうを強く学習します。どれだけノートに「感謝」と書いても、心の底で「足りない」と感じ続けていれば、「足りない」がいつもの状態として残ったままです。
だから、毎日たくさんの「ある」を書いても、「ある」と感じられないのです。
感謝ワークをやってはいけない「基準」
私の講座では、受講生さんの潜在意識の状態に変化が起こり始めたタイミングで、感謝ワークを渡すようにしています。
人生がうまくいかない、漠然とした不安がある時、心にはまだ消化できていない感情が溜まっています。コップで例えるなら、もう水がいっぱいの状態です。
そこへさらに「感謝」という水を注いでも、入る余地がなく、ただ溢れてしまいます。
だから先にやるのは、感謝を足すことではなく、今入っている感情を外に出すことです。
「本当はもっと欲しい」
「今の状況、本当は嫌だ」
そんな本音を吐き出して
「私って今、こんなに不満だったんだな」と認めるのが先です。
コップに余白ができると、「あ、なんだかんだご飯はおいしいな」という小さな「ありがたい」が、無理に探さなくても自然と入ってきます。
感謝は、いっぱいのコップに無理やり注ぎ足すものではありません。
この順番を飛ばして「型だけの感謝」を入れようとするから、潜在意識がこじれてしまうのです。
なぜ「今、幸せ」と認めるのがそんなに怖いのか
もう一つの理由は
「今に満足したら、そこで止まってしまう」
という思い込みです。
ずっと「足りない」を原動力にしてきた人ほど、「今も十分幸せ」と認めることに無意識に抵抗します。
今を幸せだと認めると、成長が止まってこのまま人生が終わってしまう、という不安があるからです。
ですが、「今ある幸せを受け取ること」と「さらに上を望むこと」は、完全に両立します。
今の家もありがたい。
でも、もっと眺めのいい家にも住みたい。
この二つは何も矛盾していませんよね?
「今がダメだから」を燃料に走る車は
常にガソリン切れの不安と隣り合わせで、手に入れても次の不足をまた探します。
「今もなかなかイイ感じ」を足場に進む車は
穏やかなまま、遠くまで行けます。
安堵したまま、次を望めばいいんです。
「ない」を探す人生から、「ある」から選ぶ人生へ
「あるものを見ましょう」を何度やっても心がモヤモヤするなら、もう一度書き出す前に、こう問いかけてみてください。
「私、本当は今何に不満を感じているんだろう」
「『今も幸せだ』と認めてしまったら、何が困ると思っているんだろう」
豊かさとは、たくさん持っていることだけではなく、すでに手の中にあるものを「ちゃんと受け取れる感度」を持っていることです。
そして、それを受け取ったからといって、人生の欲望をストップする必要はありません。
感謝とは、自分を納得させるための道具ではなく、心に溜め込んできたものを外に出し、安心できるスペースができたときに、勝手に溢れてくる副産物です。
感謝できない自分を直そうとしなくていいですし、感謝する前に、まず「本当はどう感じているのか」を置き去りにしないことです。
順番さえ間違えなければ、「足りない」を探し続けなくても、ちゃんと次へ進めますよ。
本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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KADODE
潜在意識アナリスト 吉村京子
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