息を吸ったとき
肋骨の下のあたりまで
ちゃんと空気が入っていますか?
肩を上げずに
胸と肋骨を広げるように
一度だけ深呼吸してみてください。
もし少し苦しいなら
もし胸の奥が広がらない感じがするなら
もしかしたら、あなたの身体はずっと
「縮こまる姿勢」を覚えてしまっているのかもしれません。
「猫背を治したら、人生が変わる」
そんなことを言うと、少し大げさに聞こえるかもしれません。
でも、私は本気でそう思うようになりました。
猫背は、ただ背中が丸まっているだけではありません。
身体が長い間、不安や緊張にさらされ続けてきた結果なのかもしれない。
そして同時に、その猫背が、さらに不安や緊張を強める通過点にもなっているのかもしれない。
そう考えた時、私は初めて「猫背を治す」ということの意味が変わりました。
姿勢を良くすることは、見た目を整えるだけではありません。
それは、身体に
「もうそんなに縮こまらなくていいよ」
と教えていくことなのだと思ったのです。
猫背は、原因ではなく結果かもしれない
多くの人は、猫背を見るとこう思います。
姿勢が悪い
背筋が弱い
スマホの見過ぎ
運動不足
もちろん、それもあると思います。
でも私は、それだけでは説明できないものがあると感じています。
人は不安な時、自然と身体を縮めます。
肩が上がる
首がすくむ
胸が閉じる
背中が丸まる
呼吸が浅くなる
まるで、外の世界から自分を守るように、身体が小さくなる。
これは、身体の防御反応です。
つまり猫背は、単なる姿勢の悪さではなく
「私は今、心から安心できていません」
という身体からのサインかもしれないのです。
最初は、不安の結果として身体が縮こまっただけだったかもしれません。
でも、その姿勢が続くと、今度は猫背そのものが呼吸を浅くし、自律神経を乱し、さらに不安を強める要因になっていく。
つまり猫背は、結果でありながら、途中から原因にもなるのです。
不安を感じる
身体が緊張する
胸や肋骨まわりが固くなる
呼吸のスペースが狭くなる
呼吸が浅くなる
肩が上がる
猫背になる
さらに呼吸が浅くなる
身体がもっと緊張する
こうして、負のループができてしまう。
すると、肩こり、首こり、食いしばり、頭痛、眠りの浅さ、疲れやすさなど、いろいろな不調として出てくることがあります。
ちょっと思い浮かべてください。
安心していて、自分を信頼している人って、身体が縮こまり、猫背で歩いているでしょうか。
むしろ自然に胸が開き、肩の力が抜け、堂々として見えるのではないでしょうか。
だから私は、猫背を単なる姿勢や見た目の問題として扱うのは、本質を見落としているように感じています。
東洋医学では、感情と身体はつながっている
東洋医学には、感情と身体のつながりを見る考え方があります。
たとえば、怒りや抑圧は「肝」
悲しみや喪失は「肺」
もちろん、これは西洋医学の臓器そのものとは少し違う概念です。
「肺」と言っても、呼吸器としての肺だけではなく、呼吸、胸、体表、悲しみなどを含む広い働きとして捉えます。
「肝」と言っても、肝臓という臓器だけではなく、気の巡り、感情の流れ、緊張、怒り、我慢などと関係して考えます。
私がこの考え方を知った時、とても腑に落ちました。
なぜなら、私自身が、身体の痛みや緊張を通して
「感情は身体に残る」ということを実感した経験があるからです。
深い悲しみを感じた時、人は胸を開いていられません。
肩が落ち、背中が丸くなる。
胸が閉じ、息が浅くなる。
「胸が詰まる」
「息ができない」
「胸が苦しい」
私たちは、悲しみを身体で表現する言葉をたくさん持っています。
そう考えると、猫背とは、ただの姿勢ではなく
「胸を開けなくなった身体の歴史」
なのかもしれません。
もちろん、肩や胸の痛みには医学的な原因もあります。
炎症、筋肉、関節、腱、神経など、きちんと診てもらうべきものもあります。
でも、それとは別に、身体が悲しみや不安を抱えたまま固まっていることもあるのかもしれません。
肝は、感情の通り道かもしれない
もう一つ、私にとって大きかったのが「肝」です。
東洋医学では、肝は気の流れや感情の流れと関係すると言われます。
日本語でも
肝が据わる。
肝が冷える。
肝を潰す。
肝に銘じる。
肝心要。
という言葉がありますよね。
昔の人は、理論として説明できなくても、人間の深い感情や身体の反応を「肝」という言葉で感じ取っていたのかもしれません。
私は、肝とは「感情の通り道」なのではないかと捉えています。
本来、感情は感じても、時間の経過と共に薄れていくものです。
悲しかった。
悔しかった。
怖かった。
腹が立った。
寂しかった。
そう感じて、認識して、言葉にしていくと、感情は少しずつ流れていきます。
でも私たちは、悲しみも怒りも不安も、途中で止めてしまうことがあります。
大丈夫なふりをする。
言いたいことを飲み込む。
過去の出来事に執着する。
後悔し続ける。
すると感情は流れず、身体の緊張として残り続ける。
東洋医学でいう「肝の滞り」とは、そんな状態を表しているのかもしれません。
東洋医学と、私が大切にしている「叡智リコードメソッド」は、言葉は違います。
でも、「流れが止まると、身体に不調として現れる」という見方は、とても近いように感じています。
だから私は、過去への執着を無理やり手放そうとは考えません。
その時に流れなかった感情を、今、流してあげる。
過去の感情を美談にせず、無理に前向きにもせず、ただ受け止めて流してあげる。
そうすると、止まっていた川が少しずつ流れ始めるからです。
深呼吸だけでは足りない人がいる
猫背、浅い呼吸、自律神経の乱れ。
こういう話になると、多くの場合、
「深呼吸しましょう」と言われます。
それは確かに大切です。
胸が開き、肩が下がり、呼吸が深くなるだけでも、身体には良い変化が起きます。
でも、身体が浅い呼吸をしている理由が
「不安だから」
「緊張しているから」
「安心できないから」
だと、話が違ってきます。
その場合、深呼吸だけでは、身体の奥でまだ警報装置が鳴り続けています。
マッサージやストレッチや深呼吸は、身体を緩める助けになります。
それはとても大切です。
でも、根本にある
「まだ危険」
「まだ頑張らなきゃ」
「気を抜いたらいけない」
「安心してはいけない」
そういった身体の警報装置が鳴り続けていたら、身体はまた固まってしまうのです。
本当に変えるのは、姿勢ではなく安全感覚
だから私は、猫背を治すとは、背中を無理やり伸ばすことではないと思っています。
胸を張りなさい。
背筋を伸ばしなさい。
姿勢を正しなさい。
それだけでは、身体は苦しくなることがあります。
なぜなら、身体は理由があって縮こまっていたかもしれないからです。
不安だった。
怖かった。
悲しかった。
我慢していた。
誰にも言えなかった。
ずっと気を張っていた。
その身体に、いきなり
「胸を開け」
と言っても、身体は安心して胸を開けません。
丸腰で戦いに挑むようなものなので、不安を助長してしまう可能性すらあります。
だから順番がとても重要です。
まず、身体に安心を教える。
安心すると、肩が下がる。
肩が下がると、胸が開きやすくなる。
胸が開くと、呼吸が深くなる。
呼吸が深くなると、自律神経が落ち着きやすくなる。
自律神経が落ち着くと、身体の緊張が抜けやすくなる。
身体の緊張が抜けると、猫背は少しずつ変わっていく。
つまり
1. 安心
2. 身体が緩む
3. 呼吸が深くなる
4. 姿勢が変わる
この順番なのです。
背中を無理やり伸ばすのではなく、身体が縮こまらなくても大丈夫だと、少しずつ思い出していくこと。
私は、その方が本質に近いと感じています。
猫背を治したら、人生が軽くなる
猫背を治すことは、人生を変える入口になる。
ただし、それは姿勢だけの話ではありません。
猫背を治すとは
縮こまっていた身体を開いていくこと。
浅くなっていた呼吸を取り戻すこと。
我慢して止めていた感情を流していくこと。
「まだ危険」と思い続けていた身体に、少しずつ安心を教えること。
そして
もうそんなに小さくならなくてもいい。
もうそんなに肩に力を入れなくてもいい。
もうずっと警戒し続けなくてもいい。
と、身体に分からせていくことです。
人生が重い時、人は心だけを変えようとします。
でも、心だけではなく、実は身体も一緒に重くなっているのです。
胸が閉じ、呼吸が浅くなり、肩が上がり、背中が丸まり、ずっと身を守っている。
だから私は、その身体に、いきなり
「変わりなさい」とは言いません。
まず、なぜそうなったのかを、一緒に見ていきます。
身体がそこまでして守ろうとしていたものが、必ずあるからです。
まずは、少しずつ、安心を戻していきます。
慌てず、急がず、その人のペースで。
それが、私が「叡智リコードメソッド」で大切にしている順番です。
猫背は、単なる姿勢の問題ではありません。
無理やり前向きにすることでも、無理やり背中を伸ばすことでもありません。
安心を増やして、自然に胸が開く身体へ戻っていくことです。
「猫背を治したら、人生が軽くなった」
それは、姿勢が変わったからだけではなく、身体がようやく
「もう大丈夫かもしれない」と思い始めたからなのです。
それは背筋が伸びるからではなく
身体が安心を思い出し、
呼吸が変わり、
見える世界が変わり、
生き方そのものが変わり始めるからです。
まずは今、この瞬間に。
息をひとつ、ゆっくり吐いてみてください。
あなたの身体に、安心を戻してあげるように。
叡智リコードメソッドでは、誰でも簡単にできる
少しずつ安心を戻していく方法をお伝えしています。
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KADODE
潜在意識アナリスト 吉村京子
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