私は小さなころ、たくさんの習い事をしていました。ピアノに書道、水泳や公文式。どれも自分から「習いたい」と言って親にお願いした記憶があります。でも、どれもそこそこ出来るようになって、自分から「もういいや」と言ってやめてしまいました。
私は46才の会社員です。そして、副業で事業に挑戦しています。小さなころのことを思い出しながら、今でもふと考えることがあります。「1つのことをずっと続けて極めた人ってすごいな」と。
習い事にしても手を抜いてやったことはないので、自分に後悔はありません。小さなころにたくさんの習い事をして、いろんな生き物と触れ合って、今では考えられないくらいに泥だらけになって遊びました。その1つ1つがかけがえのない思い出として、私の心の中で大切にしています。
進学校に入学し、旧帝大の修士課程を経て、大手の食品メーカーに就職しました。周りから見たらうらやましい人に見えるかもしれません。理系の職で専門性を極めた人に見えたかもしれたせん。でも、自身はそんな感覚は微塵も感じておらず、将来どうしようかなと働きながら考えていました。
私は学生時代に陸上競技をしていました。混成競技というのを聞いたことがあるでしょうか?100mや走り幅跳び、砲丸投など「走・跳・投」の競技をおこない、総合得点で順位を決定するものです。大人の場合、10種類も競技があって、「デカスロン」と呼ばれています。まさにバランスが重視される競技です。
そんなこともあり、私には大切にしている考え方があります。それは、「人生は混成競技のようなもの」という考え方です。何か1つではなく、バランスがとても大事で、その人の器の深さを決めるとも思っています。でも、学校も会社もバランス良く生きなさいとは教えてくれません。バランスではなく、専門性が大切にされる教育だからです。そして社会はスキルを求めています。
そんな考え方が競争を生み出しました。競争すると周りと比較することになります。偏差値や肩書き、地位や年収。競争すると自分が見えなくなる気がします。自然と目線が周りに向かい、一番わかるはずの自分が一度わからない存在にもなってしまいます。
大手メーカーに勤めてよく言われ続けてきたことがあります。「もっと尖りなさい」と。人よりも目立たなければ、上に行けないよという意味です。尖り方にもいろいろな方法があると思います。誰も思いつかない手段を選んだり、自分の気持ちとは裏腹に上司にごますったり。
でも、私の中ではそのように尖ることは出来ませんでした。どこかで自分に正直にいたいという気持ちがあるからかもしれません。それなので、自分の納得の行く尖り方は、何かを極めるしかないのかもしれません。いわゆる専門性です。
何かを極めるには相当の努力と時間がかかると思います。人に目立たないところで120%の努力をして、それをし続ける必要があります。大人になって、その大切さを実感しはじめてもいます。
そんなモヤモヤを抱えながら、私は専門性を高める努力をしました。そして、何1000時間も勉強して、複数の資格を取得しました。それが現在のコンサルタント事業への挑戦に繋がっています。
私は「技術士」という国家資格を持っています。科学技術に関する課題解決を出来る専門家として、最高峰の国家資格とされています。また、労働衛生コンサルタントという資格も持っています。健康経営のためのスペシャリストとして認められた国家資格です。合わせて6年間以上、帰宅後や休日の時間を使って頑張り続けて取得した資格です。そして、事業への飽くなきチャレンジを続けています。
人はバランスが大事か専門性が大事か。尖った方が良いか。私の考え方は、「人生を豊かにするためにはバランス」、「仕事で貢献するためにはある程度の専門性が必要」というものです。無理して尖るのではなく、個性として尖るのが大切だと思っています。
一度きりの人生は、後から後悔しないことが大切です。ですので、1つのことを頑張り続けるのもありですが、幅広い経験をいかに積み重ねるかを大切にしています。そして事業はコンサルタントとして、しっかりと専門性を磨き、私らしく尖るように日々努力を積み重ねています。
人生を豊かにするために、今年からコーチングを習っています。コンサルティングは自分の知識や経験をもとにクライアントにアドバイスしますが、コーチングは違います。「私もクライアントも答えを知らない」んです。競争し続けて自分の内面が見えなくなってしまった人を助けられる唯一の手段がコーチングだと思っています。
例えば、「何だか無性に落ち着かない」「モヤモヤが晴れない」。クライアントのこの気持ちは、コンサルティングでは、「僕も昔はそういうことあったよ。こう考えてはどう?」などとアドバイスをします。でも、これではモヤモヤの本質は解決できません。コーチングによりクライアント自身が自分と向かい合い、「まさか!」という発見をします。本当の自分と出会ったとき、人は心から感動します。そして、涙すら流す方もおられます。私がコーチングしたクライアントはまだ25名ほどですが、25名全員、つまり100%モヤモヤの解決に成功し、すっきりとした表情をされていました。わずか40分間で起こる変化です。
コーチングを習うという選択肢は、私の人生の幅を広げ、豊かにする学びに繋がりました。幅を持たせることが出来て、人生が豊かになってきた気がします。と同時に、コンサルティングもできるコーチという立場になることも出来ました。これこそが尖るということなのかなと、最近気づき始めています。
人はバランスが良いか専門性を持つべきか、尖った方が良いか。人それぞれ答えは違うかもしれません。それが価値観だと思います。でも、バランスと専門性、無理のない尖りを持てたことで、私は1つの答えを見つけられた気がしています。
1人でも多くの方のモヤモヤを解決し、「気付きを行動につなげる」お手伝いをしたいと考えています。それが私の現在地です。ここらからたくさんの出会いがあることを楽しみにして、前進して行ければと思います。
「人生は混成競技」。最後までお読み頂き、ありがとうございました。