「賃貸だから、インテリアは諦めるしかない」
ご相談のなかで本当によく聞く言葉です。でも実際には、壁も床も照明も、原状回復できる方法で変えられます。
大事なのは「何がOKで、何がNGか」の線引きを先に知っておくこと。ここさえ押さえれば、賃貸でも印象は大きく変えられます。
今回は、退去時にトラブルにならない範囲でできる、壁・床・照明のインテリア術をご紹介します。
まず知っておきたい「原状回復」の考え方
原状回復とは、入居時の状態にそっくり戻すことではありません。
普通に暮らしていて生じる日焼けや家具の設置跡といった経年劣化は、基本的に借りている側が負担するものではない、というのが原則です。
国土交通省もガイドラインを公表していますが、実際の判断は契約書の内容が優先されます。
特約で「壁への穴あけ一切禁止」など独自のルールが定められていることもあるため、始める前に一度、契約書に目を通しておきましょう。
NGになりやすいもの
●下地のボードごと交換が必要になる大きな穴
●直接貼って剥がせないタイプの壁紙
●接着剤で床に固定する施工
●壁にビスで直接取り付ける棚
OKになりやすいもの
●画びょう程度の小さな穴
●貼って剥がせるタイプの壁紙
●粘着フック(対応する壁材のもの)
●置くだけのフローリング材
●突っ張り棒・突っ張りラック
判断に迷うものは、管理会社に一度確認しておくと安心です。
「これをやりたいのですが大丈夫ですか」と聞くだけで、後々のもやもやがなくなります。
壁のインテリアコーディネート——穴を開けずにおしゃれを実現
部屋の印象を最も左右するのが「壁」です。
白い無個性な壁でも、適切なアイテムを使えば劇的に雰囲気を変えることができます。
ここでは原状回復を前提にした壁のコーディネート方法をご紹介します。
貼って剥がせる壁紙・ウォールシール
賃貸インテリアで最もポピュラーな方法が「貼って剥がせる壁紙(シールタイプ)」です。
水で貼るものや弱粘着のものなど種類も豊富で、退去時には跡を残さず剥がすことができます。。
コンクリート風、木目調、タイル柄など種類は豊富です。
全面ではなく、テレビの背面やベッドのヘッド側など「1面だけ」に使うと、失敗しにくく作業量も現実的です。
貼るときは端から空気を抜きながら進めてください。
洗面所やキッチンまわりなど湿気の多い場所は剥がれやすいので、施工前と施工後の写真を残しておくと安心です。
壁に飾るものは粘着フック・ピンで
アートやミラーを飾りたいときは、粘着フックが便利です。
ただし壁材(クロス、塗装、タイル)によって適した製品が違うので、パッケージの対応表を必ず確認してください。
耐荷重を超えると、剥がすときに壁紙ごと持っていかれます。
和室やドア上に鴨居がある場合は、鴨居フックを使えば壁を傷つけずに飾れます。
突っ張りラック・ウォールシェルフ
床から天井まで突っ張るタイプのラックなら、壁に穴をあけずに収納とディスプレイの場所をつくれます。
本や雑貨など、軽いものを飾る用途に向いています。
床のインテリアコーディネート——敷くだけで部屋が変わる
賃貸住宅の床は、フローリング・クッションフロア・畳など既存の素材がそのままになっていることがほとんどです。
しかし「置くだけ・敷くだけ」の床材を活用することで、退去時にすぐ元に戻せる範囲でのカスタマイズが可能です。
ラグ・カーペットでゾーンをつくる
床の色が好みでない場合、いちばん手軽なのがラグです。
ソファの下に敷けば「くつろぐ場所」として空間が区切られ、部屋にメリハリが生まれます。
素材はウールや綿など天然素材のものを選ぶと、見た目の質感も足ざわりも一段上がります。
置くだけフローリング・ジョイントマット
はめ込み式や吸着式の床材なら、退去時に外すだけで元通りです。
木目、石目、コンクリート風など選択肢も増えています。
部屋全体を敷き替えるのが大変な場合は、玄関からの入り口部分やデスクまわりなど、目に入りやすい範囲だけでも効果があります。
照明を変えると空間が劇的に変わる
実は、賃貸でいちばん費用対効果が高いのが照明です。
天井の照明は、引掛シーリングという規格の器具であれば、工事なしで自分で交換できます。
取り外した元の器具は、退去時に戻せるよう保管しておいてください。
そして光の色を、昼白色から電球色に替えてみてください。
同じ部屋でも、ぐっと落ち着いた雰囲気になります。
さらにフロアランプやテーブルランプを1〜2台足して、天井の照明を少し落とす。
これだけでホテルのような陰影が生まれます。
コンセントに挿すだけなので、賃貸でもまったく問題ありません。
収納・インテリア小物で部屋のスタイルを完成させる
壁と床のベースが整ったら、家具・収納・インテリア小物でスタイルをまとめていきましょう。
特に賃貸住宅では「家具の選び方」が部屋の印象を大きく左右します。
脚付きの家具を選ぶ
床と接する面積が小さい脚付き家具は、床の傷リスクが下がるうえ、床が見える分だけ部屋が広く見えます。
賃貸との相性がとても良い選び方です。
観葉植物でリズムをつくる
大きめのグリーンを1鉢、部屋の角に置くだけで視線の抜けができます。
手入れに不安があれば、小ぶりのサボテンや多肉植物から始めてみてください。
よくある質問
Q. コーディネートで買った家具は、退去時どうなりますか?
すべてお客様の所有物なので、次のお住まいに持っていけます。将来の引っ越しを考えて、分解できる家具や搬出しやすいサイズを選んでおくのがおすすめです。
Q. 壁紙を貼る前に管理会社への確認は必要ですか?
貼って剥がせるタイプなら問題ないことが多いですが、物件によっては「壁面の変更禁止」と定められている場合があります。念のため確認しておくと安心です。
Q. 海外のインテリア雑誌のような部屋は、賃貸では無理ですか?
工事を伴う部分は難しいですが、照明・アート・グリーン・ファブリックの組み合わせで、雰囲気はかなり近づけられます。特に照明の使い方で印象は大きく変わります。
まとめ
賃貸でできることは、思っているよりずっと多くあります。
●壁は「1面だけ」貼って剥がせる素材で
●床はラグと置くだけ床材で
●照明は電球色+ランプを足して陰影を
この3つだけでも、部屋の印象は変わります。
nicomade(ニコメイド)では、賃貸のお部屋も多く手がけています。原状回復の制約を前提に、できる範囲のなかで最大限変わる方法をご提案します。
「うちの物件でどこまでできるか知りたい」という段階でも大丈夫です。お気軽にご相談ください♪