誇りという名のガラクタ

誇りという名のガラクタ

記事
コラム

※死についてのお話です。
(けれど本当は、生きることについて書いています。)



旅立ちを見送るたびに思う。

人は最後、何を持って還るのだろう。

地位も。

名誉も。

財産も。

誰かからの評価も。

置いていく。

人生をかけて集めたそれらは

あの世ではただの「輝く重たい石ころ」なのかもしれない。

最後はみんな同規格の箱に収まり

やがて灰になる。




認められようとする。

愛されようとする。

満たされようとする。

そんなふうに

私たちは生きている。

苦しかったのは欠けていることではなく

欠けている自分を許せなかったことなのかもしれない。



満たされなくていい。

欠けたままでいい。

その傷跡は

埋めるべき欠陥ではなく

自分という物語の一部なのかもしれない。



ただ一つ
自分の尊厳だけは手放さない。


頭を下げることはできる。

負けることもできる。

間違うこともできる。

だが、

自分を裏切ることだけはしたくない。

それさえ大事にしていけば

誰かに裏切られることさえ

この先のわたしには意味を持たないのかもしれない。



人生の最後に残るのは

成功でも失敗でもない。


「自分だけは裏切らなかった」

という記憶。


すべてを置いて還るその日。

残るのは、

たったひとつの物語。

待機できない日々が続きそうです。
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