アルコール中毒のベーシスト

アルコール中毒のベーシスト

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コラム
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昔、ウッドベースを習っていた。たまたまバンドでベースを弾いていたこともあって、音楽を聴くときにベースをよく聴いていた。ジャズのウォーキングベースが好きで、習ってみたいなと思っていた。


出入りしていたスタジオの方の紹介で、プロベーシストの方を紹介してもらい、レッスンを受けることにした。


最初のうちは、いわゆる音階を習い、運指を習い…と初歩的なことから学んでいった。


が、回数を重ねるうちにレッスンをすっぽかされることがあった。


その先生は、実は重度のアルコール中毒だった。シラフのときはなんでもないが、酒が入ると約束を破ったりすることがよくあった。


先生が知り合いのギタリストとライブを開いた。開演から30分、先生は出てこない。緊張のあまり、酒を飲み、開演に間に合わなかったのだ。


その日のライブのことはもう忘れてしまったのだが、先生はその後、ベースを辞めラーメン店で働いていたらしい。酒を飲んだら離婚と奥さんに釘を刺され、そこからは酒を飲まなかったようだ。


…しかし、ガンが体を蝕み、それから程なくして亡くなったと聞いた。


今でもたまに思い出す。酒に焼けた顔でニコニコしながら、レッスンをつけてくれた先生を。

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