「あの頃の私を抱きしめて」

「あの頃の私を抱きしめて」

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コラム
人生も終盤に差し掛かると、
今までの人生の答え合わせをしたくなります。

「どうして、あの時勇気が出せなかったんだろう」
「どうして、あの時、心配してくれた人の話を聞かなかったんだろう」
「どうして、どうして……」
振り返ると、後悔することもあります。

あの時は、それが精一杯だったのに。

今になって考えると、
もっといい方法があったのではないか。
そんなふうに思ってしまう。

以前、後悔するのは過去に引きずられているからだと
言われたことがあります。

確かに、過去を変えることはできません。

でも、だからといって、
過去の自分に気づかないふりをして、

あの頃の感情に蓋をしたまま今を生きるのは、

それはそれでしんどい。

だから、あの頃の私が顔を出したときには、
「頑張ったよ。よくやったよ」
と、自分に話しかけます。

「そうだよね。本当にしんどかったよね」
「本当は、誰かに助けてほしかったよね」
あの頃、誰にも言えなかった気持ちを、
今の私が聞いてあげる。

そう、あの頃の私を抱きしめるように。

すると、なんだろう。

すうっと、力が抜けていくような気がします。

もちろん、一度や二度で終わるわけではありません。
また思い出して、後悔することもあります。

そのたびに、あの頃の私に話しかける。

そんなことを繰り返しているうちに、
少しずつ、
過去の自分を受け入れられるような気がします。

過去を振り返ることは、
後悔するためだけではないのかもしれません。

あの頃の自分が、どんな思いで生きていたのか。

今だからこそ、わかることもある。

過去は変えられないけれど、
あの頃の自分へのまなざしは変えられるのかもしれません。

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