近づくほど、相手が遠ざかる気がするあなたへ

近づくほど、相手が遠ざかる気がするあなたへ

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連絡は、途切れてはいません。

返事も来ます。話も合います。
嫌われているわけではない、と思える材料はある。

それなのに、こちらから一歩踏み込むと、相手が半歩下がる。

もう少しで届きそうなところで、毎回同じ距離に戻される。
その繰り返しに、名前が付けられずにいないでしょうか。


■ 押しが足りないのではありません


もっと積極的にいったほうがいい。
いや、引いたほうが追ってくる。

どちらも、あなたの出す量の話をしています。
足りないか、多すぎるか。そのどちらかだ、という前提です。

言われたとおりに増やして、引かれたことがあると思います。
言われたとおりに引いて、そのまま止まったこともあると思います。

量を変えても同じ場所に戻るなら、量の話ではありません。


■ 私も、近づけば伝わると思っていました


山に入ったのは十七のときです。

火が小さいときは、炭を近づければいいと思っていました。
近づけるほど、早く移ると思っていた。

実際には、近づけすぎた炭は火が移りません。
息が通らなくなって、両方とも鈍ります。


■ 火は、距離で移ります


火を移すときに見るのは、炭の量ではありません。
置く距離のほうです。

離しすぎれば移りません。
近づけすぎても、間の風が止まって移りません。

移るのは、あいだに風が通っている距離のときだけです。

そして、その距離は炭ごとに違います。
乾き方も、大きさも違うからです。

同じ置き方で移らなかったからといって、
その炭が火を受けないわけではありません。


■ 人のあいだにも、通る距離があります


近づくと引かれる。
離れると、向こうから戻ってくる。

このとき動いているのは、気持ちの大小ではありません。
あいだを通る風のほうです。

相手の側に、受け取れる距離がある。
それより近いと、受け取るより先に身体が引きます。

引いたのは、嫌ったからではありません。
その距離では、熱が入ってこないからです。

この、あいだの通りが悪くなった状態を、熾切れ(おきぎれ)と呼んでいます。


■ だから「もっと押しましょう」とは言いません


押せば動く。引けば追ってくる。
どちらも、やり方としては間違っていません。

ただ、通る距離が分からないまま動かすと、
当たるか外れるかの繰り返しになります。

それを何度も続けてきたのなら、
うまくいかなかったのは、あなたのやり方が下手だったからではありません。

距離が見えないまま、手だけを動かしていた。
それだけのことです。


■ 火を焚いて、視ます


私がやるのは二つだけです。

どこで止まっているのかを視ること。
そして、そこに火を入れ直すこと。

近づくほど遠ざかるように感じるのなら、
あいだに、まだ通っていない距離があるのかもしれません。

一人で抱えているうちは、冷えたままです。


縁熾霊視師 玄焔

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