障害者雇用で仕事を探している方に、あえて少し厳しい話をしたいと思います。
「とにかく応募しないと仕事が決まらない」
これは、私自身も求職者の立場を経験しているので、よく分かります。
生活のためには給与が必要です。応募しても不採用が続けば、「数を打たないと」と焦るのも当然です。
しかし、応募数を増やすことだけに集中してしまうと、思わぬところでチャンスを失うことがあります。
特に注意してほしいのが、書類選考を通過した後です。
仮に5社、10社と応募して、予想以上に多くの企業から面接の案内が来たら、そのすべてについて企業研究や面接対策をする時間はありますか?
「応募する時間」は作れても、「面接に向けて準備する時間」が足りなくなることがあります。
そして、せっかくの面接機会を十分な準備ができないまま迎え、結果的にチャンスを無駄にしてしまう。
これは非常にもったいないことです。
特に障害者雇用では、「障害があります。配慮してください」だけではなく、自分の障害特性が応募する仕事にどのような影響を与える可能性があるのかを、自分の言葉で説明できることが重要です。
例えば一般事務であれば、
「自分の特性によって、事務作業のどの部分に影響が出る可能性があるのか」
「その影響に対して、どのような対策をしているのか」
「過去の仕事や就労移行支援などで、実際にどのような工夫をしてきたのか」
ここまで整理できているでしょうか。
一般事務など具体的な仕事内容が決まっている求人では、企業側も「この仕事を任せた場合、障害特性がどのように影響する可能性があるのか」「その影響に対して、本人はどのような対策を考えているのか」を確認します。
一方でオープンポジションであれば、実際にどのような仕事を案内されるのかが決まっていないため、具体的な対策をすることは難しいかもしれません。
それでも、「仮に○○の仕事を担当するとしたら、このような影響が考えられます。そのため、私はこのような対策ができます」と具体的に説明できる人は、一歩先を行くことができます。
仕事内容が決まっていないからこそ、想定して考え、自分なりの対策まで説明できるかどうか。そこまで準備できていることが、内定につながる一つのポイントになります。
だからこそ、応募前に企業について調べる。
仕事内容を確認する。
自分の障害特性との関係を考える。
必要な配慮を整理する。
過去の経験を振り返る。
そして面接で説明できるようにする。
ここまで準備する時間が確保できないのであれば、応募数を少し抑えることも選択肢です。
焦る気持ちは分かります。
私も求職者だからこそ、「まず応募しなければ何も始まらない」という感覚は理解できます。
ただし、応募した後のことまで考えてみてください。
「この求人に応募して、もし面接に呼ばれたら、自分はきちんと準備できるだろうか?」
この問いを一度、自分自身に投げかけてほしいと思います。
大切なのは、応募した会社の数だけではありません。
せっかく巡ってきた書類選考や面接というチャンスを、自分の準備不足で終わらせないことです。
焦っているときほど、一度立ち止まってください。
「応募できる数」ではなく、
「応募した後、きちんと準備できる数」
を考えてみてください。
なお、私は障害者雇用の求職者向けに面接対策も実施しています。
「自分の障害特性をどう説明すればいいか分からない」
「応募する求人に合わせて、どのような準備をすればいいか分からない」
といった方は、よろしければご相談ください。