ノーコード・ローコードは、プログラムを一から書く量を減らし、短期間でアプリを形にできる便利な方法です。
一方、公開後に機能が増えた結果、コードによるアプリへ再開発するケースもあります。
これは、ノーコードを選んだこと自体が間違いという意味ではありません。最初の検証には適していても、事業の成長によって求められるものが変わるためです。
この記事では、ノーコードで作ったアプリを再開発することになる代表的な理由と、最初に確認しておきたい点を解説します。
理由1. 標準機能では対応できない要望が増える
初期段階では、登録、一覧、編集などの基本機能だけで十分なことがあります。
ところが、利用者からの要望を反映していくと、複雑な決済、チャット、通知、権限、バックグラウンド処理などが必要になる場合があります。
ツールの標準機能で対応できない処理が増えると、個別コードや外部サービスを組み合わせる必要があり、開発が複雑になります。
理由2. UIや操作感を細かく調整できない
テンプレートや標準部品を使えば、画面を早く作れます。
一方、独自のアニメーション、端末ごとの細かな表示調整、文字サイズ変更への対応、連続タップの防止など、操作感を細かく作り込む場合は制約が出ることがあります。
UIやUXがサービスの強みになるアプリでは、コードでの再実装が必要になる場合があります。
理由3. データ量や利用者が増えて動作が重くなる
試作時には問題がなくても、登録データや利用者が増えると、一覧表示や検索に時間がかかることがあります。
原因はツールそのものだけではなく、データの持ち方や取得方法にある場合もあります。初期設計が小規模利用を前提としていると、後から修正する範囲が大きくなります。
理由4. テストや品質管理が難しくなる
機能が増えるほど、一つの修正が別の画面へ影響する可能性があります。
自動テスト、細かなエラー処理、処理の記録などを十分に用意できない環境では、更新のたびに手作業で広い範囲を確認する必要があります。
決済や個人情報を扱うアプリでは、品質管理のしやすさも重要です。
理由5. 保守・引き継ぎに制約がある
利用しているツールの料金、仕様、提供機能が変わる可能性があります。
また、制作した担当者以外が修正する場合、そのツールに詳しい人を探す必要があります。データやソースコードをどこまで移行できるかも確認が必要です。
再開発は必ずしも失敗ではない
最初から大規模なコード開発をすると、まだ需要が分からない段階で多くの費用が必要になります。
そこで、最初はノーコードで需要を検証し、利用者や売上が増えた段階で本格的に再開発する考え方があります。
この場合、再開発は失敗ではなく、事業の段階に合わせた予定された投資です。
問題になるのは、長期運用を前提としていたのに、移行の可能性や制約を確認せずに開発を進めた場合です。
micomiaが経験した2件の移行
micomiaでは、Adaloで作られていた2つのアプリを、FlutterFlow+Firebaseへ作り替えた経験があります。
一つはコミュニティで使われている日記アプリです。不具合を直しきれないことと動作の遅さが課題になり、移行しました。もう一つは、コンテンツが1,000件を超えるSNSアプリです。データ量が増えた本番運用で、表示速度と機能拡張が課題になりました。
再開発で特に大変だったのは、画面を作り直すことだけではなく、既存データの移行です。データをCSVで取り出して新しいデータベース用に整形し、画像も新しい保存先へ移す必要がありました。
元のサービス上にある画像URLをそのまま使うと、元サービスを解約した後に画像が表示されなくなる可能性があります。そのため、データベースだけでなく、画像などのファイルを誰が管理しているかも確認しなければなりません。
この2件を通じて、micomiaではノーコードを選ぶ段階から、データの所有場所と移行方法を確認するようにしています。
最初に確認しておきたい5項目
ノーコード・ローコードで開発する場合は、次の項目を確認しましょう。
1. 将来追加する可能性がある機能
2. データやコードを外部へ移行できるか
3. ツールの月額費用と上限
4. 公開後に誰が保守するか
5. どの状態になったら再開発を検討するか
「利用者が1万人を超えたら」「複雑な決済を追加するとき」など、移行を判断する条件を決めておくと計画を立てやすくなります。
まとめ
ノーコードで作ったアプリが再開発になる主な理由は、複雑な機能、UIの調整、性能、品質管理、保守・引き継ぎの制約です。
ただし、検証目的でノーコードを選び、成長後の再開発を想定しているなら、合理的な選択になることもあります。
重要なのは、初期費用だけでなく、事業が成長した後の機能と運用まで考えて開発方法を選ぶことです。
ココナラ内で、ノーコードで進めるべきか、最初からコードで開発すべきか、現在のアプリを再開発すべきかについてご相談いただけます。