AIを使うべき機能と、通常のプログラムで作るべき機能

AIを使うべき機能と、通常のプログラムで作るべき機能

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IT・テクノロジー
「AIを使って、この業務を自動化できませんか?」

生成AIの普及により、このような相談が増えています。AIは文章や画像を扱う処理に強い一方、すべての機能をAIで作る必要はありません。

むしろ、通常のプログラムで正確に処理できる部分までAIに任せると、結果が毎回変わったり、利用料金が増えたりすることがあります。

結論として、答えが一つに決まる処理は通常のプログラム、文章・画像の意味を読み取る処理や、新しい内容を生成する処理はAIが向いています。

AIが向いている機能

1. 文章の生成・要約
メール文、商品説明、議事録の要約、文章の言い換えなどはAIと相性があります。

ただし、事実確認が必要な文章は、人による確認工程を用意しましょう。

2. 自由な文章からの分類
問い合わせ内容を「料金」「不具合」「解約」などに分類したり、口コミの傾向を整理したりする処理です。

入力される文章の表現が毎回異なる場合、固定ルールだけで分類するよりAIが有効なことがあります。

3. 画像・音声の内容理解
写真に写っている物の判定、音声の文字起こし、画像の説明などもAIが活用される分野です。

ただし、医療、安全、金銭などに関わる判定では、誤りが起きる前提で確認方法を設ける必要があります。

4. 自然な会話形式の検索
大量の社内資料やFAQから、利用者の質問に近い情報を探して回答する機能です。

回答の根拠となった資料を表示する仕組みを組み合わせると、確認しやすくなります。

通常のプログラムが向いている機能

1. 料金や数値の計算
消費税、送料、割引、給与、ポイントなど、同じ条件なら必ず同じ答えになる処理は通常のプログラムが適しています。

AIに計算を任せると、入力や回答形式によって結果がぶれる可能性があります。

2. ログインと権限管理
誰がどのデータを閲覧できるかは、明確なルールに基づいて制御する必要があります。

ログイン、管理者権限、アクセス制限は通常のプログラムで実装します。

3. 決済・在庫・予約
支払い済みか、在庫が残っているか、予約枠が空いているかなどは、正確なデータをもとに判断しなければなりません。

このような処理はAIではなく、データベースとプログラムで管理します。

4. 条件が明確な自動化
「毎月1日に請求書を作る」「金額が10万円以上なら承認を求める」など、条件が決まっている処理も通常のプログラムが適しています。

AIと通常のプログラムを組み合わせる

実際のシステムでは、どちらか一方だけではなく、組み合わせる方法が効果的です。

例えば、問い合わせ対応であれば次のように分けられます。

1. AIが問い合わせ内容を読み取る
2. 通常のプログラムが顧客情報や契約状況を取得する
3. AIが回答案を作る
4. 担当者が確認して送信する
5. 通常のプログラムが対応履歴を保存する

AIには意味の理解と文章作成を任せ、正確なデータ処理はプログラムに任せています。

micomiaが159本の動画で比較して分かったこと


micomiaでは、園芸の専門家が公開しているYouTube動画159本をもとに、園芸の質問へ回答するAIを構築しました。

この検証では、専門知識をモデルへ学習させるファインチューニングと、質問に関係する資料を検索して回答へ渡すRAGを実際に作り、同じ質問で比較しています。

ファインチューニングは、専門家らしい言い回しや、情報が不足したときに追加質問を返す振る舞いに強みがありました。一方、RAGは、回答の根拠になった動画と再生位置を示せること、元データの追加・修正を反映しやすいことに強みがありました。

最終的には、回答の根拠を示せることを重視してRAGを採用しています。

ただし、AIの方式を選ぶ前に、通常のプログラムによるデータ整備が必要でした。YouTubeの自動字幕には「腐葉土」が別の言葉になるような専門用語の誤変換があり、約100個の補正ルールを作成しています。

この経験から、AI開発はモデルを選ぶだけでは完成せず、元データの確認、通常プログラムによる前処理、人による評価を組み合わせることが重要だと考えています。

AIを導入する前に確認したいこと


AI機能を検討する際は、次の点を確認しましょう。

・間違った結果が出た場合に誰が確認するか
・個人情報や機密情報を入力してよいか
・1回あたり、月あたりの利用料金はいくらか
・回答速度は業務に支障がないか
・AIを使わない代替方法はあるか
・結果が毎回変わっても問題ない処理か

「AIを使うこと」自体を目的にせず、費用や精度を含めて通常のプログラムと比較することが重要です。

まとめ


文章、画像、音声の理解や生成にはAIが向いています。一方、計算、権限、決済、在庫、予約など、正確さと再現性が必要な処理は通常のプログラムが向いています。

最も実用的なのは、それぞれの得意分野を組み合わせることです。

ココナラ内で、実現したい機能にAIが必要か、通常のプログラムや既存技術で実現できるかという段階からご相談いただけます。

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