先日、子どもと公園に行ったときのことです。
子どもは、拾ったどんぐりを両手いっぱいに持って歩いていました。
木の近くでは、5羽ほどの鳩が、地面でのんびりと過ごしていました。
その様子を見つけた子どもが、鳩のいるほうへ。
どんぐりも食べるのかな、と思ったのでしょうか。手に持っていたどんぐりを、鳩の近くにそっと置いていました。
「鳩さんにあげるのー?」
私はそう声をかけながら、子どもの様子を見ていました。
「近づきすぎると、鳩がびっくりするから気をつけてね」
子どもが鳩にゆっくり近づきながら、どんぐりを一つずつ地面に置いていると、私のところへ蚊が寄ってきました。
木や草がたくさんある公園。じっとしていると、蚊も気になるところです。
その日、私は黒いアームカバーをつけていました。手まで隠れるように少し長めに伸ばしていたので、そのまま手を振って蚊を払いました。
すると、鳩たちがバサバサッと、一斉に羽ばたいたのです。
「どうして飛んだんだろうね」
子どもが近づきすぎたわけでもなかったので、不思議に思っていました。
しばらくすると、また蚊が寄ってきました。
もう一度、アームカバーをつけた腕を動かして払うと、今度は鳩たちが一斉に飛んでいってしまいました。
そこで、ふと気づきました。
もしかして、私?
黒いアームカバーをつけた手が、素早く動いたから。
鳩には、カラスのように見えたのかな。それとも、急な動きにびっくりしたのかな。
本当のところは分かりませんが、私が蚊を払うたびに鳩が飛んでいたことを思うと、どうやら私の動きが気になったようです。
子どもには「びっくりするから気をつけてね」と声をかけていたのに。
鳩を驚かせていたのは、私だったのかもしれません。
子どもの動きは気にしていたのに、自分の動きには気づいていなかったのですね。
「気をつけてね」という言葉が、そのまま自分に返ってきたような、思いがけない出来事でした。
ふと思いついたことや、誰かに話してみたくなったこと。
そんな日常の小さなお話も、よかったら聞かせてくださいね。