悪魔の軍団に命を狙われた話⑫

悪魔の軍団に命を狙われた話⑫

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コラム
日高町の道の駅に来たのは初めてだ、割とにぎわっている。人気の観光スポットなのだろうか?とりあえず死にそうになっている私にとっては観光などする気にもなれない。憔悴しきっていて、周りからは、変な人がいると思われてたかもしれない。60~70代くらいの人がよさそうなオッチャンが話しかけてくる、「ツーリングかい?どこまで行くの?」ニコニコしながら聞いてくるが、工作員かも知れないなと思い、「いや~、行先は決めてないですね・・まあ適当に、風の吹くまま気の向くままですよ・・」そう言うと、オッチャンは「行くあて無しか~、俺と同じだな~」とか言ってくる。どうも妙だなと思った。
いい年ぶっこいたオッチャンが、まるで10~20代の自分探し旅でもしてる青年のように、あてのない旅などするものだろうか?そういう行き当たりばったり旅が許されるのは30歳くらいまででしょ・・・やっぱりこの人、工作員か?
危ない、危ない・・さっさと離れよう。駐車場にはたくさんの車が並んでいて、その中のデカいトラックから強烈な電磁波が出ている。自然なものではなくて意図的に高出力の電磁照射装置がついているのだ。私は今晩、この道の駅で過ごそうとかと考えていた。そこで、テクテクと敷地内を歩いていた、もちろん、そこかしこから電磁波攻撃を食らうのだが、2日目の夜に少し眠る事が出来て、ある程度は回復してたので、多少は耐えられる。あのゴルゴダの丘で眠った夜は一生忘れない。まぁ、ろくでもない思い出だがね。恋人との甘くてロマンチックな夜なんてものは私には縁がないけど、あの極限状態で命を得た夜は忘れられない。道の駅のベンチの上で休んでいると、1人の男が近くに来てスマホをいじり始めた。工作員だろうなと思って、すぐにその場を離れた。なんとなく雰囲気でわかるのだ、悪意を持って近づいてくる人間というのは。
夜になってきて、道の駅の中で一晩過ごそうかと思ったが、どうやら中は閉められてしまうらしいので、外の敷地のはずれにあるベンチあたりで寝ようと思っていた。ただ、寝ようとすると、「ざっざっざっ・・・」と足音がするので周りを見渡すが、誰もいない。この足音もナノチップによる幻聴もどきだ。
結局、そこでも眠ることはできず、道の駅の駐車場の隣にある、スーパーか何かの駐車場の端っこのほうに腰を下ろして、休むことにした。はっきり言って眠ることなどできない、ここで休むだけだ。日が昇るまで、6時間とか7時間とか、ここでただ座って休んでいるだけ・・私が座っているとトラックが何台も何台も道路をグルグル回って、私に攻撃を仕掛けてくる。それは実在する会社のトラックであったり、実在しない架空の会社のトラックであったり、さまざまだ。ユートとかエースとかの中小の運送業者のトラック、さらには土星運輸とか、実在しない架空の運送業者のトラックも何台か見た。何十人もの人間がこのプロジェクトに参加しているのだ。一つの町に数十人も工作員がいて、しかも町と町の間で情報交換して連携している。これが現実なのだ。夜空を見上げていると、また月が高速で動いたり、雲が悪魔の顔になったりしていて、あまり見ていると本当に気が狂ってきそうなので、通り過ぎるトラックをただ黙って見ていた。夜じゅう、ずっとグルグル回っているのか・・私を追いつめるためだけに・・このプロジェクトにいったいどれだけの予算が投入されたのか想像もつかない。夜が明けてきたので、道の駅から少し離れた場所を歩いていたら、朝の畑仕事をしているような感じの、ほっかむりしたオバチャンが、なんと若い女性の美声で歌いだしたのだ。まあ、これもナノチップによる演出ではあるのだが・・。朝イチで、樹海ロードから脱出し、占冠村まで行くことにした。ここから電車で帰ろうと思ったのだ。そろそろ体力の限界も近いし、道中でやられる心配もないと思って。占冠村まで、また長い山道を越えて、たどり着いた。始めて来たが、誰もいない。とりあえずガソリンスタンドで給油する、田舎では人口密度が極端に薄いので、マジで外に人を見かけない。この占冠村も、まるでゴーストタウンのようだ。奴らはここまでは追ってこないのか?少し油断していると、またどこからか攻撃を食らう。急いで駅へと向かう。原付を駐輪場に止める。あとで回収に来るのだが1か月も先のことだ。
駅の窓口の職員に奈井江までの乗り継ぎルートと時刻表を教えてもらい、切符を購入した。待合スペースで電車を待ってると、また怪しい男が入ってきた。
たぶん、工作員だろう・・私は距離を取った。次回へ続く。
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