「自分もプロっぽい文章が書けたらいいな」
そう思ったことはありませんか?
SNSやメール、ブログ、仕事での企画書や提案書──。
文章を書く機会は誰にでもあります。けれど、いざ書いてみると、なぜか「伝わらない」「冗長になってしまう」「読み返すと気恥ずかしい」と感じる方は多いものです。
私自身、29年間編集者をしてきましたが、文章に関する悩みを持つ人に数え切れないほど出会ってきました。そして共通しているのは、「良い文章を書こうとすればするほど、文章がゴテゴテしてしまう」ということです。
「良い文章」の正体はどこにあるのか?
世の中には文章術の本が山ほどあります。ネットで検索しても、ルールやテクニックを列挙した記事が並んでいます。
しかし、実際に目を通すと、「これは一体、誰に向けて書かれたものなんだろう?」と感じるものが少なくありません。
なぜなら、それらの多くは複数の本の内容をまとめただけであり、「著者自身が体得してきた実感」が抜け落ちているからです。
私は長年編集の仕事をしてきて、ひとつの答えに辿り着きました。
それは──「誰にでも当てはまる完璧な“良い文章”の定義は存在しない」ということ。
けれど、逆に「これはやってはいけない」というものは、明確に存在します。
「やらない方がいい」ことを減らすだけで文章は伝わる
例えば──
一文を長々と書きすぎない
指示語(これ、それ、あれ、どれ)を安易に使わない
主語と述語をあいまいにしない
同じ語尾を「です、です、です」と連続させない
たったこれだけでも、文章はぐっと読みやすくなります。
「文章を良くする」ために何かを足していくよりも、むしろ「文章を悪くする要素を取り除く」方がはるかに速く上達します。
これは私がこれまで数百冊以上の本を手がけ、著者と向き合ってきたなかで確信していることです。
読む人の立場に立つことがすべて
文章を書くときに一番大切なのは、「自分を俯瞰すること」。
言い換えると、「読んでくれる人の立場に立てているか?」を常に問い直すことです。
SNSで自分の思いを自由に書くなら問題はありません。けれど、仕事や公の場で「読まれること」を前提とした文章なら、そこに自己満足だけではなく「相手への配慮」が不可欠です。
文章がプロっぽく見えるかどうかは、この「相手視点の有無」で決まります。