時間の使い方を考える ~即時指導の経験から~

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コラム
年度末ですね。みなさまの職場は締め日に向けて、てんやわんやの状況でしょうか。いつもと変わらぬ仕事内容ではあるけれど、何か気忙しい、そんな雰囲気ではないかと思います。

私も、過去10数年前までは、仕事を詰め詰めにして毎晩遅くまでやっていました。0時過ぎて終電に乗るのが当たり前の時期もあり、まだ若かったというのもありますが、だいぶ無茶をしていたと思います。今思えば、もう少しうまく時間を使うことができていれば、そこまでやらなくてもよい状況にできていたでしょう。

時間は有限です。そして、誰にとっても生きている間は平等に与えられたものです(寿命の長い短いは別ですね…神のみぞ知る)。1日24時間をどう使うか、がビジネスパーソンに課せられた課題といえますね。

私のいる会社では、かつて大雑把に1日を3つに分けて、仕事8時間、生活8時間、睡眠8時間、という3つの8時間という概念を提唱していました。まったくその通りにいくことは中々稀かもしれませんが、概念としてはわかりやすいと思います。

自分のキャリアを持続的に生きてゆく上で、3つの8時間を有効に使えるようになることは優先順位が高い取り組み項目でしょう。時間感覚を自分のコントロール下におけるということは、自立した社会生活を送ることに直結します。一番分かりやすい例で言えば、「待ち合わせ時間にちゃんとその場所にいる」というようなことですね。


先日、時間管理に関して私からある人に即時指導をしなければならない場面がありました。その人は、終業時間まであと15分くらいの場面で、何やらせわしなくデスクに向かっています。その姿を見て予想はしていたのですが、案の定、定時間際になって「あと30分残業してもいいですか。」ときました。

さて、どうしたものか。日中のその人の仕事の様子は、とてもゆったりと取り組んでいたように思います。特に午前中。同僚とおしゃべりも楽しみながら(私は、私語禁止!とするような息苦しいマネジメントはしません)、私に相談事をしながら、ですが、時間のメリハリをつけて仕事をしているようには見えませんでした。それで、午後の時間が進むにつれ、だんだんと仕事が詰まってくる様子です。まあ、よくある姿かもしれません。

そういうわけで、「タイムマネジメントができていなかったんじゃないかな。」「その残業は認められないよ。」と単刀直入に返答しました。その人はハッとしたような顔をして、仕事を片付けにかかりました。残りの時間で、何とかまとめたようではありましたから、本当に不要な残業だったということです。「残業して片付ければいいか。」という気持ちがあったのでしょう。


その人との帰り道、その日の仕事ぶりが私にどう見えていたかをフィードバックしました。「ひとつひとつ確認しながら仕事を進めているのは悪くはないよ。でも、この仕事を何時に終わらせる、という時間設定が無かったとか、仕事のパーツの組み立てが不明確だったとか、そういうことはなかったかな。」その人は「確かに、仕事をだらだらと進めて、午前中に終わらなかったら午後に持ち越せばいいというやり方をしてしまっていました。」と言いました。私は、「そう。なら、一日の仕事をざっくり決めているのはいいけど、午前中はひとつ、午後はふたつの締めを設けて、その時間でそれぞれ決めた仕事を仕上げるような、目標を自分の中で立てて仕事をしてみたらどうかな。」と返しました。

私は日頃から、「業務設計」をして仕事をしよう、ということをマネジメントしていますが、今回のケースは業務設計で割り出した工程と納期を実現するための個々の仕事について、その仕事をやり切るための締め切りを意識的に作り出す時間感覚を持ってもらう、そのためのはたらきかけが必要なことを私自身学びました。かといって、「どう?できた?」を日中連発するようなマイクロマネジメントに陥りたくはないので、仕事をする本人が自律的に時間感覚を操れるようになってくれること、が私のマネジメント課題です。自らが作った業務設計を大事にすることによる絶大な効果(仕事が進むこと)を体感してもらうことが、カギになるでしょう。


「時間は一生、すなわち命だ」と言ったのは豊田英二氏です。時間を使うということは、自分の命を使うこと。人の時間を使うということは、他者の命を使うこと。人の大切な時間を無駄に使ってはいけないよ、ということを示しています。私がマネジメントにおいて重きを置いていることです。使った時間が無駄ではないこと。成果に結びついてほしいですし、さらには、その人のキャリアがより充実したものになってゆく時間となることを願っています。

午前中・午後の時間、1日の時間、1週間、1ケ月、ひと月、1年、10年…、時間をどのように使ったか、は積算されてゆきます。無駄であったか、無駄ではなかったか、想像すると、私自身結構無駄に使ったな、ということも大いに思い当たりますし、いやいや、充実した時もいっぱいあったから、チャラにしてよ、と虫のいいことも考えてしまいます。しかし、私も50歳を過ぎて、時間の有限性というものを強く意識するようになっています。これからの時間、すなわち命を無駄にしないように生きていきたいな、と思います。


今回は、時間の使い方を考える、についてお話しました。私は会社勤めとの複業でライフキャリアデザインカウンセラーとして個人や世帯の職業生活設計や資産設計のお手伝いを志しております。保持資格としては国家資格キャリアコンサルタントとAFP(日本FP協会会員)をコアスキルとして、これまでの会社生活や人生経験で学んできたことを活かして会社内や地域社会に向けた価値創造につなげてまいります。ご関心を持っていただいた方、ご相談事がある方は、どうぞお声がけください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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