面接/プレゼン/報告で伝わる!コンサルが重宝する伝え方フレームワーク 1/2

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ビジネス・マーケティング
営業職に限らず、面接にしろ上司への報告にしろ、分かりやすく伝えなければならないシーンはどんな皆さんにもあるかと思います。

「君の話は分かりにくい」「結局何が言いたいの?」こうしたことを言われたことのある方も結構いらっしゃるのではないのでしょうか。そうでなくても、「もっとうまく伝えられるようになりたい」と思っている方は多いと思います。

僕自身、外資コンサルの面接官として日々応募者の方と接している中で、「せっかく良い素養、ご経験を持っているのに伝え方がもったいないなー」と感じるケースがよくあります。そこで、コンサルタントが大事にしているコミュニケーション方法を2つ、2回に分けてご紹介します。このフレームワークは僕たちコンサルタントが空気を吸うように当たり前に身につけなければならないコミュニケーション方法です。なぜなら、分かりやすく伝えることがコンサルタントにとって仕事の品質に直結するからです。”伝わるコミュニケーション”を身につけたい方は必見です。

SCQ

これは、経営コンサルタントのバイブルである、バーバラ・ミント著の”考える技術、各技術”に記載されているフレームワークです。コミュニケーションの開始時に、S(Situation)、C(Complication)、Q(Question)の順に説明していくことを推奨するものです。順に説明します。

※コンサルタント界隈ではこの書籍を知らない人は"潜り"だと思われるくらい常識となっています。なかなか読み応えのある書籍ですが、コンサル志望者は目を通しておくことを強くお勧めします。

Situation

ここでは今現在起きている事象を端的に説明します。例えば、上司への報告であれば「A社への提案価格について、まずは値引きせずに提示することになっていた件についてですが」 とか就活での企業説明会であれば「コンサル業界はup or outなどとも言われ、上昇志向の強い人が集まり激しい競争環境で常にパフォーマンスすることが求められてきました」 とかそういった状況を伝えるものです。

ポイントは、ここは受け手にとって"既知の情報であること"です。ここでフムフムと頷いて聞いてもらうことが肝心です。決して疑問を抱かせてはいけません。

Complication

次に、事象を複雑化している要素を説明します。何らかの説明や報告をする場面において、全てが順調であることはまれです。また、単なる説明会であったとしても、聞き手がなぜその話を聞かなければならないのか、そこには理由があるはずです。こうした内容を説明します。先ほどの上司の報告でいくと「競合B社が弊社よりも1割安い金額で提示してきたことが分かりました」 とか就活での企業説明会であれば「一方で、近年はコンサルの大衆化によって採用規模が拡大しており、多くの優秀な人材を集め、そして定着化させるために働き方の見直しが進んできています」 などとなります。

Question

最後は複雑化している事象に対する”問い”を作ります。コンサルではよく”論点”という言い方を使います。この問いに対して答えの確らしさを求めるのが上司への報告であり、この問いに答えていくのがプレゼンの内容になります。上司への報告でいくと「我々の価格戦略は競合に合わせた値引きを実施すべきかについてご相談させてください」就活での企業説明会であれば「そこで、本日は近年のコンサルティング業界が求める人材増はどのように変化しているのかについてご紹介します」となります。

まとまると上司への報告ではSituation:「A社への提案価格について、まずは値引きせずに提示することになっていた件についてですが」Complication:「競合B社が弊社よりも1割安い金額で提示してきたことが分かりました」 Question:「我々の価格戦略は競合に合わせた値引きを実施すべきかについてご相談させてください」

就活生向け説明会ではSituation:「コンサル業界はup or outなどとも言われ、上昇志向の強い人が集まり激しい競争環境で常にパフォーマンスすることが求められてきました」 Complication:「一方で、近年はコンサルの大衆化によって採用規模が拡大しており、多くの優秀な人材を集め、そして定着化させるために働き方の見直しが進んできています」Question:「そこで、本日は近年のコンサルティング業界が求める人材増はどのように変化しているのかについてご紹介します」

いかがでしたでしょうか?考えてみれば当たり前のロジックなのですが、コミュニケーションではこれら3つを全て揃えておくことが極めて重要です。「説明が分かりにくい」と言われる方は、これらのどれかが欠落している場合が多いです。特に、Complicationが正しく伝えられていないと問題が何なのか把握することが困難です。

なお、外資系コンサルファームの提案書の最初のページには必ずと言って良いほど、このSCQフレームワークで「プロジェクトの位置付け」 「背景と目的」などと題したスライドが作成されています。コミュニケーションの発射台として是非活用してみてください。

次回は、コンサルがよく利用するもう一つのフレームワーク「空・雨・傘」について説明します。
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