いつもありがとうございます。
WEB・グラフィックデザイナーのノマキエデザインです。
デザインのご相談をいただく中で、
「うまく説明できないんですが……」
「なんとなく、こっちの方が好きです」
「もう少し柔らかい感じにしたいです」
「何が違うのか自分でも分からないけれど、少し違和感があります」
といった言葉を聞くことがあります。
でも、こうした状態でも問題ありません。
デザインの希望は、最初から全部きれいな言葉になっているとは限りません。
むしろ、
言葉になっていない感覚を、一緒に整理していくことも制作の一部
だと考えています。
「なんとなく違う」も、大事な情報です
たとえば、2つのデザイン案を見たときに、
「理由は説明できないけれど、右の方が好き」
と感じることがあります。
この場合、
「理由が説明できないから、判断材料にならない」
ということではありません。
右の案には、
・余白が広い
・文字が大きい
・色が明るい
・形が丸い
・写真が大きい
・情報量が少ない
など、左とは違う要素があります。
まずは「どちらが近いか」を選んでもらい、そこから
「この部分が好きですか?」
「文字の見え方はこちらの方が近いですか?」
「色より、形の違いが大きそうですか?」
と少しずつ確認していけば、希望が見えてくることがあります。
言葉で説明しにくいときは、比較すると分かりやすい
何もない状態で、
「どんなデザインが好きですか?」
と聞かれても、答えるのは意外と難しいものです。
そこで、案件によっては、
・A案とB案
・左右の配置違い
・色違い
・大きさ違い
・文字の太さ違い
など、比較できる形で見てもらうことがあります。
すると、
「こっちの方が読みやすい」
「この色は少し強い」
「この形ならイメージに近い」
と、判断しやすくなります。
ゼロから説明するより、選択肢を見て選ぶ方が伝えやすいこともある
ということです。
専門用語が分からなくても大丈夫です
デザインの相談では、
「余白」
「ベクター」
「解像度」
「文字間隔」
など、専門用語が出てくることがあります。
でも、依頼する側がそれを知っている必要はありません。
たとえば、
「文字と文字の間が少し詰まって見える」
「もっとすっきり見せたい」
「小さくすると読みにくい」
「この部分だけ重たく見える」
という伝え方でも、十分に大事な情報です。
こちらで内容を整理しながら、
「文字間隔の話ですね」
「余白を広げると近づきそうです」
「小さいサイズでの見え方を見直してみます」
という形に変えていけます。
無理に専門用語を使う必要はありません。
参考画像を見せる方法もあります
言葉だけで説明しにくい場合は、
「こういう雰囲気が好きです」
という参考画像を見せてもらう方法もあります。
ただし、
「このデザインをそのまま真似する」
という意味ではありません。
参考画像の中から、
・色の雰囲気
・写真の使い方
・余白の広さ
・文字の印象
・かわいい/落ち着いた/力強いなどの方向性
を読み取り、
どの要素に惹かれているのかを確認する材料
として使います。
「全部好き」ではなく、
「この画像の文字の雰囲気が好き」
「この色の組み合わせが近い」
「この余白感が好き」
と分けて考えると、より希望を伝えやすくなります。
修正のときも、完璧な指示書は必要ありません
初稿を見たあと、
「ここを何px動かしてください」
「この色を○○のカラーコードにしてください」
という具体的な指示がなくても大丈夫です。
もちろん、具体的な希望があれば助かりますが
「ここが少し目立ちすぎる気がする」
「もう少し優しい感じにしたい」
「ロゴが大きく感じる」
という伝え方でも、そこから調整方法を考えられます。
むしろ、曖昧な感覚を無理に専門用語へ変えようとすると、かえって違う方向へ伝わってしまうこともあります。
まずは、
どう感じたかを、そのまま伝える
だけでも十分です。
ただし、大規模な修正や前提条件の変更は別です
ここでひとつ大事なのが、
「うまく説明できない希望を整理すること」と、「制作内容そのものが大きく変わること」は別という点です。
たとえば、
・片面チラシだったものを両面にしたい
・SNS用画像として作っていたものを印刷用にもしたい
・途中でサイズや用途を大きく変えたい
・決まっていた方向性をやめて、別案を一から作り直したい
・当初になかった制作物を追加したい
といった場合は、単なる微調整ではなく、新しい作業が発生します。
また、
「文字を少し大きくする」
「色を少し調整する」
といった修正と、
全体構成を組み直す、方向性を大きく変更する、といった大規模修正
では、必要な作業量が大きく違います。
そのため、内容によっては追加料金や納期調整をご相談することがあります。
最初から完璧に説明できなくても問題ありません。
ただし、制作の途中で
「そもそもの用途が変わった」
「別のものを作ることになった」
「ほぼ作り直しになる」
という場合は、その時点で改めて制作範囲を確認することになります。
「もう少し○○に」は、確認することもあります
「もう少し自然に」
「もう少し高級感を出したい」
「少し柔らかくしたい」
といった言葉は、人によってイメージが違います。
そのため、
「柔らかいというのは、色を淡くするイメージですか?」
「文字を丸みのある形にする方が近いですか?」
「余白を増やして落ち着かせる方向ですか?」
など、こちらから確認することがあります。
これは、
「もっと詳しく説明してください」
という意味ではありません。
同じ言葉でも、人によって違うイメージになるから確認している
ということです。
前回の記事でも書いたように、制作前や制作途中で質問するのは、完成後の認識違いをできるだけ減らすためでもあります。
うまく説明できない状態からでも、整理できます
デザインを依頼するとき、
「まだイメージが固まっていない」
「何がいいのか自分でも分からない」
「比較したら選べると思う」
という状態でも大丈夫です。
必要に応じて、
・選択肢を出す
・比較してもらう
・参考画像から共通点を探す
・違和感の原因を一緒に考える
といった方法で整理していけます。
完成した指示書がなくても、相談は始められます。
大切なのは、
最初から完璧に言葉にすることではなく、制作しながら必要なことを確認していくことです。
まとめ
デザインの希望を伝えるとき、
「うまく説明できない」
と感じることは珍しくありません。
でも、
「こっちの方が好き」
「なんとなく違う」
「もう少し柔らかくしたい」
といった感覚も、十分なヒントになります。
その感覚を、
比較したり、選択肢にしたり、質問しながら少しずつ具体化する。
それもデザイン制作の大切な工程です。
一方で、用途や制作範囲そのものが変わったり、全体を作り直すような大規模修正になった場合は、追加の作業として扱うことがあります。
「うまく説明できない」と「何度でも全部作り直せる」は別の話です。
ノマキエデザインでは、内容やイメージがまだ整理しきれていない段階からのご相談にも対応しています。
「何をどう伝えればいいか分からない」というところからでも、一緒に整理していきます。