「いつか時間が経てば、この辛さは薄れるだろう」
「気持ちが落ち着いてから、自分を癒すことを考えよう」
そんなふうに、「いつか治る」「いつか動き出せる」と待っているだけの期間が、長く続いたことはありませんか?
私もかつてはそうでした。
毒のある家庭環境で育ち、職場では理不尽なパワハラにも長く苦しめられました。
「自分が悪いからだ」
「耐えればいつか報われる」
と自分に言い聞かせ、ただその場に居続けるだけの日々が何年も続いたのです。
でも今だからはっきり言えます。
辛い気持ちの中にただ居座り、「いつか治す」と願っているだけでは、永遠に自分をケアすることなんて出来ません。
時間が解決してくれることもありますが、それは「何もしなくても」という意味ではないのです。
自分を守り、癒し、傷ついた心から這い上がっていくには、自分自身が動き出すしか方法はないのです。
「受け止める」ことから始める
長い間否定的な言葉や理不尽な扱いにさらされていると、「辛い」と感じること自体を悪いことのように思ってしまいます。
私も最初は「こんな気持ちになるなんて弱い自分が悪い」と感じ、苦しさを無理に抑え込もうとしていました。
でも、我慢を重ねれば重ねるほど、逆に苦しみは大きく膨らんでいくばかりだったのです。
そこで私が最初に始めたのは、「辛いものは辛い」とありのままに受け止める事でした。
毒家庭でもパワハラの職場でも、「この環境が自分を苦しめている」という事実から目を背けないようにしたのです。
「今、私はとても苦しいんだな」
「この状況は私に合っていないんだな」
否定もせず、自分を責めもせず、ただ「そうなんだ」と認める。
これだけで、感情に押しつぶされる感覚が少しずつ和らいでいきました。
そして次に、**「我慢をやめる」** と決めました。
「これくらい耐えなきゃ」
「文句を言うのはわがままだ」
と自分に言い聞かせ続けるのをやめたのです。
長い間、我慢することが当たり前になっていましたが、我慢は心のエネルギーをどんどん消耗させるだけ。
自分をケアする第一歩は、「無理をしなくていい」と自分に許可を出すことでした。
客観視できるようになると、心に余裕が生まれる
辛さを受け入れ、我慢を手放せるようになると、少しずつ感情と自分の距離を置けるようになります。
これが「客観視」する力です。
かつては家庭のことや上司の言葉が頭から離れず、「私=この苦しみ」になっていました。
でも少しずつ距離を取れるようになると、「今、私の中にこんな辛い気持ちがある」と、一歩引いて状況を見られるようになったのです。
そうなってから、過去の嫌な記憶や苦しかった日々に再び囚われそうになった時、状況に合わせて次の 3 つの言葉を使うようになりました。
これは私が自分を守り、這い上がるために身につけた行動指針です。
1 つ目
**「今そういう状況なんだな」**
不安や悲しみが押し寄せてきたとき、ただ事実として今の状態を認める言葉です。反発せず、抵抗せず、ありのままを受け入れることで、感情の波が引くように気持ちが落ち着いていきます。
2 つ目
**「軸があの頃に持っていかれ過ぎだ」**
過去の家庭での出来事や職場での理不尽な扱いがよみがえり、思考が昔の苦しかった時間に戻ってしまったときに使います。
「今はあの頃とは違う、自分はここにいる」と意識を引き戻すための合言葉です。
3 つ目
**「脳が俺を守ってるんだな」**
過去の痛みがよみがえるのは、実は脳が「これ以上傷つかないように」と警戒している反応でもあります。
「悪意ではなく、自分を守ろうとする本能なんだ」と理解すると、湧き上がる感情に対する敵意がなくなり、静かに受け流せるようになります。
今では、どんな状況の時にどの言葉を使えば良いか、自分でも自然に判断できるようになりました。
これは待っていて手に入った感覚ではなく、苦しい環境から抜け出した後も、毎日自分で意識して行動し続けた結果、身についたものです。
動くからこそ、自分をケア出来る。
「いつか治る」「いつか楽になる」と願うだけでは、心はいつまでもその場に留まったままです。
私自身、毒家庭やパワハラという暗い環境に長くいましたが、「このままではいけない」と自分で動き出したからこそ、今の自分があります。
自分をケアするということは、特別な方法や誰かからの救いだけを待つことではなく、自分のために小さな行動を選び続けることに他なりません。
辛さを受け止めるという行動、我慢をやめるという行動、過去に囚われそうになったら意識を戻すという行動。
どれも難しい事ではなく、自分の心の動きに応じて自分で選べるものです。
もし今、「なかなか楽にならないな」「過去のことがまだ重くのしかかる」と感じているなら、「いつか」を待つのをやめてください。
「今、この瞬間から、自分を守るために何か一つだけやってみよう」と、小さな一歩を踏み出すこと。
それこそが、傷ついた自分を癒し、苦しい過去から這い上がって、本当に自由になるための唯一の道なのです。