「私の育て方が悪かったのかな」自分を責めていたお母さんが、子どもとの未来を楽しみに思えるようになるまで

「私の育て方が悪かったのかな」自分を責めていたお母さんが、子どもとの未来を楽しみに思えるようになるまで

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コラム
「もう嫌だ。逃げ出したい。どうしたらいいんだろう」
子どものために一生懸命考えているのに、うまくいかない。学校からトラブルの連絡が入るたびに、過去の自分の育て方や決断を責めてしまう。

今回ご紹介するAさんも、そんな思いを抱えていたお母さんの一人です。

2人の男の子を育てるAさんは、家庭環境の変化によって転校を経験した長男の学校でのトラブルに悩んでいました。子どものために新しい支援先を探し、家族の協力も得ながら行動していたものの、心の中には「私の育て方が悪かったのかな」「環境を変えたことが間違いだったのかな」という後悔が残っていたそうです。

そんなAさんと、子どものこと、これまでの子育て、そしてお母さん自身の人生について、じっくりお話ししました。相談の最後、Aさんの口から出てきたのは、「ワクワクしている」という言葉。

子育ての問題がすべて解決したわけではない中で、Aさんの気持ちはどのように変化したのでしょうか。実際の個別相談で交わしたお話を、対談形式でご紹介します。

「どうしたらいいかわからない」学校でのトラブルが続く毎日

私: 今回、どんなことがきっかけで相談しようと思われたんですか?

Aさん: 家庭の事情で、息子2人を連れて引っ越しをして、転校したんです。
新しい学校に通い始めてから、長男がお友達とトラブルを起こすことが続いていて。相手のお子さんにけがをさせてしまったこともありました。

本人が守っているルールをお友達が守っていないと、どうしても許せなくなってしまうところがあるんです。お友達から挑発するようなことを言われて、怒りを抑えられなくなってしまったこともありました。

もちろん、相手のお子さんにけがをさせてしまったことは、いけないことだと思っています。でも、環境が急に変わったことも本人の心に影響しているのかなと思っていて。

放課後等デイサービスも利用しながら様子を見ていたんですけど、最近またトラブルが立て続けに起きてしまって、気持ちがガクーンと落ちてしまいました。

「もう、どうしたらいいんだろう」って。

本人にどう伝えたらいいのか、どんなふうに接したらいいのか、わからなくなってしまったんです。

私: お子さんの行動には、本人なりの理由や気持ちもあるんですね。今は、どんな対応を考えられているんですか?

Aさん: 今の環境が本人に合っていないのかもしれないと思って、別の場所を探し始めました。学童のお友達全員に、うちの子の特性を理解して接してもらうのは難しいと思うんです。

だったら、本人が安心して過ごせる環境を見つけてあげたいなって。
今の放課後等デイサービスは週3日しか利用できなかったんですけど、ほかにも問い合わせて、週5日通えるように準備を進めています。私も仕事があるので、母にも協力してもらうことにしました。姉にも相談したり、自分で調べたりしながら、今できることを一つずつやっているところです。

「昔の私は毒親だったかもしれない」自分を責め続けていた理由

私: お子さんのためにいろいろ行動されている一方で、ご自身の育て方を責めてしまう気持ちもあったんですよね。

Aさん: 昔の私は、今思うと本当に厳しかったんです。「こうしてほしい」「こうなってほしい」「しっかりやってよ」「なんでできないの?」って。
特に長男には、しっかりしてほしいという思いが強くて、きつく当たってしまうことも多かったんです。

今思うと、あの頃は毒親だったんじゃないかなって。

だから、学校でトラブルが続いているのを見ると、私の育て方が悪かったんじゃないかって思ってしまうんです。もっと違う接し方をしていれば、こんなふうにはならなかったのかなって。

それに、私が家庭の環境を変えたことで、子どもに負担をかけてしまったのかもしれない。子どものためにと思って決めたことなのに、本当によかったのかなって。過去の自分の接し方も、環境を変えたことも、どちらも自分のせいなんじゃないかと思ってしまうんです。

私: 私も長男のことで何度も学校に呼び出されて、「なんでうちの子はできないんだろう」と悩んできました。その頃は、周りに迷惑をかけないことや、学校でちゃんと過ごせることばかり考えていたんです。でも、ある出来事をきっかけに、子どもが笑って楽しく過ごせることが何より大切なんじゃないかと気づきました。もちろん、人にけがをさせたり、迷惑をかけたりしていいわけではありません。ただ、周りに迷惑をかけないことばかりを考えて、子ども自身の気持ちを後回しにしていないか。そこにも目を向けることが大切だと思っています。

Aさん: 私も、落ち込んでいても仕方がないので、今この子のために何ができるんだろうって考えるようにはしています。でも、何か問題が起きると、どうしても「私が悪かったのかな」という気持ちに戻ってしまうんですよね。自分では頑張っているつもりでも、それでいいのかわからなくなるんです。

おばあちゃんと育てるスイカとメロン。学校では見えなかった長男の姿

私: お子さんに合った環境を探す中で、何か印象に残っている出来事はありましたか?

Aさん: 相談の前日に、長男を学童に行かせずに、私の母に一日見てもらったんです。実は、引っ越してきたばかりの頃は、長男も気持ちが荒れていて、母に強く当たってしまう時期がありました。

でも、母も長男の特性について本を買って勉強してくれて、接し方を少しずつ変えてくれたんです。そうしたら、長男も母と穏やかに過ごせるようになってきました。

その日、私が仕事から帰ってきて長男に会ったら、すっごく穏やかだったんです。表情もよくて、学童に行くより、こちらで過ごした方が本人にはよかったのかもしれないと思いました。

私: おばあちゃんとの間に、安心できる関係ができてきたんですね。お二人で楽しみにしていることもあるんですか?

Aさん: 長男が最近、植物を育てることに興味を持ち始めたんです。
学校できゅうりやトマトを育てる機会があって、そこから興味が広がったみたいで。実家には小さな畑が作れるので、母と一緒に「スイカを育ててみよう」「メロンも育ててみよう」って、苗を買いに行ったんです。それが今、すごく楽しみみたいなんです。

実家で過ごしたあとも、今日はこんなことをしたとか、いろいろ話してくれるようになって。学校ではトラブルが続いているけれど、好きなことを見つけて、楽しみにできる時間もあるんだなって。こういう時間を増やしてあげられたらいいなと思っています。

私: スイカやメロンを育てる楽しみがあるって、いいですね。学校でのトラブルだけを見ていると、どうしても「できないこと」や「困っていること」に目が向いてしまいます。でも、植物を育てるのが好きだったり、成長を楽しみにしていたり、本人の中にはいろんな良さがあるんですよね。そういうところを、家族以外の人にも認めてもらえる機会が増えるといいなと思います。

「私が何とかしなきゃ」一人で抱え込まなくてもいい

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私: お母さんもお姉さんも協力してくださっているんですね。周りの人に頼ることについては、どう感じていますか?

Aさん: やっぱり、私が何とかしなきゃって思ってしまうところはあります。自分の子どものことだから、自分がちゃんとしなきゃいけないって。
でも、仕事もあるし、全部を自分一人でやるのは難しいんですよね。母も長男のことを理解しようとしてくれているし、姉にも相談できるので、今はすごく助けてもらっています。

私: 子どものことになると、どうしてもお母さんが一人で背負ってしまいがちですよね。でも、親が全部を担わなくてもいいと思うんです。お母さんが余裕のないときでも、おばあちゃんや支援先の先生、周りの大人が子どもの良いところを見つけてくれることもあります。子どもを支えてくれる人が何人もいることは、お子さんにとっても、お母さんにとっても心強いことだと思います。

Aさん: そうやって話せる人や、同じような経験をしているお母さんたちとつながれる場所があったら、すごく心強いと思います。実際に相談してみて、これからも心の支えになれる場所ができそうだと思えたことが、すごく嬉しかったんです。

自分だけで考えていると、どうしても同じところをぐるぐるしてしまうので。誰かに話したり、ほかの人の経験を聞いたりできる場所があるだけでも、気持ちが違うと思います。

「自分もちょっとずつ変わっていけてる」見えてきた自分自身の変化

私: お話を聞いていると、以前とはお子さんとの向き合い方も変わってきているように感じます。ご自身ではどうですか?

Aさん: 昔は、子どもに対して「こうしてほしい」「こうなってほしい」という気持ちがすごく強かったんです。でも今は、子どもに合った環境を探したり、周りの人に相談したり、少しずつ違う行動ができるようになってきました。自分もちょっとずつ変わっていけてるのかなって。

ただ、自分の変化って、自分ではなかなか気づきにくいんですよね。
子どものことで何かあると、どうしてもできていないことばかり考えてしまうので。

私: Aさんは、もうすでにいろんなことを行動に移していますよね。
それと、家庭の環境を変えたことも、ずっと気にされていましたよね。
私は、子どもたちのことを真剣に考えて、悩んで涙を流しながら下したお母さんの決断に、間違いはないと思っているんです。

もちろん、その選択のあとに大変なことが起きる場合もあるし、これから違う方法を考えることもあると思います。でも、今うまくいっていないことがあるからといって、過去の決断が全部間違いだったと決めなくてもいい。
これから先、今の選択が新しい出会いや経験につながることもあるかもしれません。

Aさん: 環境を変えたことに対して、ずっと申し訳ない気持ちがあったんです。でも、今できることを考えて、いろいろ探したり、周りに協力してもらったりできるようになってきました。自分もちょっとずつ変わってきているんだなって思います。

子どもの人生も大切。でも、お母さん自身の人生も大切にしてほしい

私: 最後にもう一つ、お伝えしたいことがあります。Aさんには、子どものことだけじゃなくて、ご自身の時間も大切にしてほしいんです。お母さんが一人で頑張りすぎて、毎日疲れ切ってしまうと、気持ちの余裕もなくなってしまいますよね。

たまには自分にご褒美をあげたり、好きなことを楽しんだりしてほしい。
私は、子どもたちに「大人になるって楽しそう」と思ってもらいたいんです。

大人だってしんどいことはあるけれど、楽しいこともある。お母さん自身が笑ったり、楽しんだりしている姿を見せることも、子どもに伝えられる大切なことだと思っています。

Aさん: 子どものことで悩んでいると、どうしてもそちらのことばかり考えてしまいます。でも、自分自身のことも大切にしながら、子どもと向き合っていけたらいいなと思います。

「これからの出会いにワクワクしている」相談後に届いたメッセージ

相談が終わったあと、Aさんからメッセージが届きました。それまでは、もう嫌だ。逃げ出したい。どうしたらいいんだよー。って気持ちだったのに、これからの出会い、チャンスにドキドキ、ワクワクしている自分がいます!
これからも、子供と一緒に人生楽しみながら成長したいと思います!

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学校でのトラブルがなくなったわけでも、子育ての悩みがすべて解決したわけでもありません。それでも、相談前は「もう嫌だ。逃げ出したい」と思っていたAさんが、これからの出会いや可能性を楽しみに思えるようになった。

今回のお話で印象的だったのは、Aさんがすでに子どものためにたくさんのことを考え、行動していたことです。

・新しい支援先を探すこと。
・お母さんやお姉さんに協力してもらうこと。
・長男が好きな植物を育てる時間を大切にすること。
・子どもとの接し方を振り返り、自分自身も少しずつ変わろうとしていること。

自分を責めているときには、そうした自分の頑張りが見えなくなってしまうこともあります。でも、話してみることで、今まで気づかなかったことに目を向けられる場合もある。

そして、子どものために頑張ることと、お母さん自身の人生を楽しむことは、どちらか一つを選ぶものではないと思っています。

子どもの人生も大切。でも、お母さん自身の人生だって同じくらい大切。

子どもと一緒に悩んで、笑って、失敗して、また成長していけばいい。
Aさんから届いた「子供と一緒に人生楽しみながら成長したい」という言葉を読んで、改めてそんなことを感じました。

もし今、子育てのことで自分を責めたり、誰にも話せず悩んでいたりするなら、一度その気持ちを言葉にしてみませんか。すぐに答えが出なくても大丈夫。今の気持ちや、これまで頑張ってきたことを一緒に整理する時間になれば嬉しいです。
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