【シュール散文詩】「夫婦の夜」など
記事小説
「夫婦の夜」
愛しの旦那様を掛け布団にして寝る
敷き布団は愛しの旦那様の浮気相手
「漁」
熊と遭遇したので
死んだふりをしたら
熊が俺の葬式を開いて
やって来た参列者たちを
鮭を獲るみたいに食っている
「ゴキブリの勘違い」
ゴキブリホイホイとか
ゴキジェットって
僕のグッズじゃないんですね
ハローキティーにとっての
ハローキティーの目覚まし時計
みたいなもんかと思ってました
「効率がいい」
千手観音に並ぶ列だけ
随分空いている
人気がないからだろうか？
それとも握手会だからだろうか？
「新幹線」
あの～、すいません
椅子とあなたを倒してもいいですか？
「昔話の弊害」
おばあさんが川で洗濯をしていると
川上から妊婦が
どんぶらこどんぶらこと流れてきました
おばあさんがその妊婦を持ち帰り
斧でパカッと割ると
なんと中から珠のような赤ん坊が！
その赤ん坊は妊婦から出てきたので
妊婦太郎と名づけられました
無知なおじいさんとおばあさんは
赤ん坊は桃から生まれるものなのにと
首を捻りましたとさ
「蛙とデート」
蛙だと思ってたから
ホテルまで行ったのに
まだ尻尾が生えていた
普通に無理なんだけど
だから私が一足先に
蛙化現象
「電池」
男性は単1になりたがるが
女性は形が合うなら
単4でもいいと思っている
もっといえば
一度入れたら放っておかれる電池よりも
適度に繋がれる充電器の方がいい
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