『名前の唄』はどのように生まれるのか

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コラム
今日は、『名前の唄』がどのように生まれるのかについて、お話してみたいと思います。

「どうやって詩を書いているのですか?」
「どれくらい時間がかかるんですか?」
「どのように名前から着想するんですか?」

そんなふうに聞かれることがあります。

その度に、興味を持ってくださっていることが嬉しくなりますし、作り方を知りたいと思っていただけるほど、『名前の唄』を不思議なものとして受け取ってくださっているのかな、と有り難く思います。

名前の声を聴く作業には、ある程度の流れがあります。

もちろん、一つとして同じ名前はありませんから、その名前ごとに見せてくれる景色も、完成までの道のりも違います。

けれど私自身が最初にすることは、いつも同じです。

まずは、名前を見つめます。
ただ眺めて、耳を澄ませます。
できるだけ考えないようにします。
すると、ふとした言葉や景色が浮かんでくることがあります。
それは光だったり、風だったり、花だったり。
あるいは色や温度のような感覚として現れることもあります。

私はそれを頼りに、気になったことを調べ始めます。

その名前を構成する漢字の意味や成り立ちを調べたり、その文字が使われている言葉を探したり。

けれど、それは何かを分析しているというよりも、名前が見せてくれる景色を辿っている感覚に近いのです。

声が聞こえるままに調べ続けているうちに、不思議と次に調べるべき言葉が目に飛び込んできます。

「この言葉なんだ」と、取り留めもなく浮かぶ言葉を探って、そう思いながら辿っていくと、また別の言葉へと繋がっていきます。

私はそれらを、ただひたすらメモしていきます。
やがて、そのメモを眺めてみると、ある瞬間に詩のテーマや最初の一節がふと現れます。

そして、静かに目を瞑ると、イメージか言葉のどちらかで、詩が始まっていきます。
一節が現れれば、その先に続く景色と共に、言葉は溢れてきます。
その景色を見つめていると、言葉は流れとなり、おのずまとまりをもっていくのです。

『名前の唄』が私の私心を離れ、名前の声に耳を傾けて紡がれたものであることは、書き出す前と書き終えた後の感覚が教えてくれます。

言葉を書き始める前には、頭の天辺から光が注がれるような感覚で始まります。そして、書き終える頃には、意識が少し朦朧となりながらも、言葉が持つ光を全身で感じています。

私は、この御勤めをいつも嬉しく受け止めています。
普段、自分の想いで詩を書く時とは違い、これは誰かを見守る存在の声を、名前を通して届けるお手伝いができるからです。

私が届けたいのは、私が考えた名前の詩ではありません。

その名前が持つ響き。
その名前が抱く願い。
その名前が持ち主に伝えたい光です。
私はただ、そのあなたの光を言葉という形にしてお渡ししたいのです。

必要な時に開き、
心が迷った時に思い出し、
そっと灯りをともしてくれるように。

これが、毎日名前の声を聴き続けている私の御勤めです。

そして、この御勤めは、何より私自身の幸せでもあるのです。
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