1.辞めたはずなのに、前の会社のことを考えてしまう
自分で決めて退職したはずなのに、
ふとした瞬間に前の会社のことを思い出す。
元同僚はどうしているだろう。
あの仕事は誰が引き継いだのだろう。
求人を見ていても、
「前の会社のほうがよかったのでは」
という考えが頭をよぎる。
こうした思いを抱えたまま
転職活動を続けている人は、
決して少なくありません。
2.「未練を断ち切らなければ前に進めない」という思い込み
未練があることを、自分の弱さだと感じてしまう人がいます。
「気持ちを切り替えられない自分はだめだ」
「早く忘れなければ」
と、無理に押さえ込もうとする。
ですが、気持ちは意識して消せるものではありません。
消そうとするほど、かえって頭から離れなくなることもあります。
未練をなくすことが転職活動のスタート条件ではない、
という点を、まず押さえておいてください。
3.先に答えを言います
未練は、無理に消さなくて大丈夫です。
前職への思いがあるのは、
そこで本気で働いてきた証でもあります。
大切なのは、未練を抱えたまま、
次の職場に何を求めるのかを
言葉にしておくことです。
気持ちの整理を待ってから動くのではなく、
気持ちを抱えたままでも進める形をつくっていきましょう。
4.未練と向き合いながら転職活動を進める手順
まず、前職のどこに未練を感じているのかを
具体的に書き出します。
仕事内容なのか、人間関係なのか、
任されていた役割なのか。
ざっくり「前の会社が好き」では、
次の職場選びに活かせません。
次に、書き出したものを二つに分けてみます。
一つは、次の職場でも得られるもの。
もう一つは、前職でしか得られなかったものです。
たとえば
「裁量を持って働けたこと」は、次の職場でも探せます。
一方で
「長年築いた人間関係」は、新しい環境でゼロから築くものです。
最後に、次の職場に求める条件として、前者を応募の軸に組み込みます。
後者については、惜しむ気持ちがあって当然だと認めたうえで、
手放すものとして整理しておきます。
この作業をしておくと、未練が応募先選びの判断材料に変わっていきます。
5.採用側の視点で見ると
元採用担当として言うと、
前職への思いが残っていること自体は、
面接で問題視されません。
むしろ、
前の職場を大切にしてきた人は、
次の職場でも真剣に向き合ってくれる、
という印象を持つこともあります。
気になるのは、
前職の話をするときに
不満や後悔ばかりが前に出てしまう場合です。
「前の会社のほうがよかった」というニュアンスが伝わると、
「うちでは物足りないのでは」と受け取られかねません。
前職で得たものへの感謝と、次に求めるものを
セットで話せると、前向きな印象になります。
6.事例:前職への思いを抱えたまま応募していた相談者
相談者は、
退職して間もないころから、前職への思いが消えないまま
転職活動を続けていました。
応募書類を書いていても、
「前の会社のほうがよかった」という考えが浮かび、
どの求人にも気持ちが乗らないと話していました。
コーチングの中で、
前職のどこに未練があるのかを一緒に書き出していきました。
すると、未練の中心は会社そのものではなく、
「チームで一つの目標に向かう感覚」だとわかりました。
それを次の職場でも求められるものとして
応募の軸に据え直したところ、
求人を見る目が変わり、
面接でも前職の経験を前向きに語れるようになりました。
7.補足:未練が強く出やすい場面と、その扱い方
未練が強く出やすいのは、
応募書類がなかなか通らないときや、
面接で手応えがなかったときです。
うまくいかない状況が続くと、
「あの会社にいたころはこんなことはなかった」
と、過去が実際以上によく見えてしまうことがあります。
そうしたときは、
今の気持ちが疲れや焦りから来ているものかどうかを、
いったん切り分けてみてください。
また、退職直後は特に、
環境の変化に気持ちが追いついていない時期でもあります。
転職活動の手を少し緩めて、
休む時間を意識的にとることも悪い選択ではありません。
もう一つ、
前職の人たちとの付き合いを無理に断つ必要もありません。
関係が続いていることが気持ちの支えになる場合もあります。
ただし、
前職の情報ばかり追いかけてしまい、
次の一歩が止まっているようなら、
少し距離を置くことも検討してみてください。
未練をどう扱うかに正解はありません。
自分が前に進みやすい形を選んでいけば十分です。
8.まとめ
前職への未練は、
無理に消すものではなく、
次の職場選びの手がかりにできるものです。
何に未練を感じているのかを書き出し、
次の職場でも得られるものと、
手放すものに分けてみる。
その整理が、気持ちを抱えたままでも前に進む助けになります。
焦らず、自分のペースで進めてください。
応援しています。