第4章は全60問中およそ15問と、配点が最も大きい章です。その中でも著作権は、毎回のように出る頻出論点です。ここでつまずく人の多くは、「AIが学習すること」と「出力したものを使うこと」をごちゃ混ぜにしている点にあります。この2つを切り分けるだけで、選択肢の見え方が変わります。
なお、本記事の問題・解説はオリジナルであり、公式問題ではありません。合格を保証するものではありません。
まず押さえる:学習と出力は別の話
著作権の問題で迷ったら、まず「今問われているのは学習の話か、出力の話か」を分けます。
・学習の話:AIが既存の文章や画像を読み込んで学ぶこと
・出力の話:AIが作った文章や画像を、人が使ったり公開したりすること
この2つは、問われるルールも、注意すべき点も違います。学習の話なのに出力のルールで考えたり、その逆をしたりすると、ひっかけに引っかかります。
学習の側:著作物を学習に使うことは、一定の条件で認められている
日本の著作権法では、情報解析(AIの学習を含む)のために著作物を利用することが、一定の条件のもとで認められています。つまり「AIが著作物を学習すること」そのものが、ただちに著作権侵害になるわけではありません。
ただし、ここにも線引きがあります。たとえば、学習用に集めたデータをそのまま配布したり、学習済みモデルから元の著作物がそのまま出てくるような使い方をしたりすれば、別の問題が生じます。「学習は認められている」=「何をしてもよい」ではない点が、試験のポイントです。
出力の側:出てきたものをそのまま使うと、侵害になることがある
AIが出力した文章や画像が、既存の著作物とそっくりだった場合、それをそのまま商品や広告に使うと、著作権侵害になる可能性があります。ここでの責任は、AIではなく「出力したものを使った人」にあります。
ひっかけの典型は、「AIが出力したものだから、著作権の問題はAIの開発者の責任になる」という選択肢です。試験では、出力物の利用について責任を負うのは「利用した人」である、という線引きが問われます。AIは責任の主体にはなりません。
「学習」と「出力」のすり替えパターン
第4章の選択肢では、次のすり替えがよく出ます。
1. 学習の話なのに、出力の責任を持ち出す:「AIが学習したから、出力の利用者は責任を負わない」→ 話がすり替わっています
2. 出力の話なのに、学習の許容を持ち出す:「学習が認められているから、出力した画像をそのまま販売してよい」→ 学習の許容は、出力の利用を正当化しません
3. 責任の主体のすり替え:「AIが作ったのだから、責任はAIにある」→ AIは責任の主体にはなりません
「今、学習の話か出力の話か」「責任は誰にあるか」の2つを確認すれば、この3パターンは見抜けます。
確認問題(オリジナル・4択)
問1:生成AIが出力した画像が既存のイラストとそっくりだった場合、その画像を自社の広告に使うことについて、最も適切な説明はどれか。
A. AIが学習することは認められているので、出力した画像をそのまま使っても問題ない
B. AIが出力したものだから、著作権の責任はAIの開発者が負い、利用者に責任はない
C. 出力した画像を利用する人の責任が問われる可能性があり、そのまま使うのは避けるべきである
D. AIが学習に使ったデータはすべて自由に使えるため、出力物も自由に使ってよい
正答:C — 出力物の利用について責任を負うのは利用した人です。Aは学習の許容と出力の利用のすり替え、Bは責任の主体のすり替え、Dは学習データの扱いの誤解です。
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