2027年2月試験から適用される新シラバスで、第5章は「テキスト生成AIのプロンプト制作と実例」から「生成AIの実践と活用事例」へ変わりました。プロンプトの書き方そのものは残りますが、そこに業務別・業種別の活用が加わったのが大きな変化です。試験では「この業務に生成AIは向いているか」という判断が問われやすくなります。ここでは、文書作成・企画・データ分析の3つの業務で「向き・不向き」を切り分ける型を作ります。
なお、本記事の問題・解説はオリジナルであり、公式問題ではありません。合格を保証するものではありません。
まず押さえる:新シラバス第5章の守備範囲
第5章の出題は、大きく2つの柱に分かれます。
1. プロンプトエンジニアリング:指示・制約・例示を組み立てて、狙った出力を引き出す技術
2. 業務別の活用:文書作成、企画・マーケティング、クリエイティブ制作、データ分析・リサーチ、開発などの場面で、生成AIをどう使うか
旧シラバスではプロンプト中心だったのが、新シラバスでは「場面」が加わりました。つまり、プロンプトの型だけ覚えても足りず、「この場面では何を生成AIに任せ、何を人がやるか」という線引きも問われます。
判断の軸は1つだけ:「最終責任は人が持つ」
業務別の問題で迷ったら、この軸に戻ります。生成AIは「下書き・たたき台・候補出し」が得意で、「最終決定・事実の保証・責任の所在」は人の仕事です。この軸があれば、多くの選択肢は2つに絞れます。
文書作成:向いているのは「初稿」と「要約」
・向いている:議事録の要約、メールの初稿、報告書の構成案、言い換え・校正の候補出し
・向いていない:社外に出す最終文書の事実確認なしの確定、契約書の条文の最終判断、個人情報を含む文書の外部サービスへの入力
ひっかけの典型は、「生成AIが作った契約書の案をそのまま締結する」や「個人情報を含む社内文書をそのまま入力して要約させる」といった選択肢です。どちらも「最終責任」と「入力の線引き」を外しています。
企画・マーケティング:向いているのは「量」と「角度」
・向いている:キャッチコピーの大量の候補出し、ターゲット別の訴求ポイントの洗い出し、競合の訴求軸の整理、SNS投稿の下書き
・向いていない:ブランドの最終判断、価格や効果の数値の根拠づけ、顧客データを使った個別の提案
企画では「アイデアの数が増える」ことが生成AIの価値です。逆に「生成AIの出した数値をそのまま企画書に載せる」は、ハルシネーション(もっともらしい誤情報)の罠です。数字の裏づけは人が取る、という線引きが問われます。
データ分析・リサーチ:向いているのは「整理」と「仮説出し」
・向いている:アンケートの自由記述の分類・要約、表データの傾向の言語化、分析の仮説の洗い出し、グラフの説明文の下書き
・向いていない:数値計算の最終結果の保証、統計的な有意性の判断、出典のない情報の事実としての提示
データ分析でのひっかけは、「生成AIに計算させた結果を検証なしに報告する」です。生成AIは計算を間違えることがあり、数値の検算は人の仕事です。「要約は任せる、計算は検証する」という切り分けを覚えておきましょう。
3業務を横断する「不向き」の共通パターン
業務が変わっても、生成AIに任せてはいけないものは同じです。
1. 最終決定:承認・締結・公開の判断
2. 事実の保証:数字・日付・法令・引用の正しさ
3. 機密・個人情報の入力:社外サービスへの無制限の入力
試験では、この3つのどれかを踏んだ選択肢が「正しそうに見える誤り」として出ます。業務名が変わっても、踏んでいる地雷は同じだと見抜ければ、選択肢を絞れます。
確認問題(オリジナル・4択)
問1:生成AIを業務で使う場面として、最も適切なのはどれか。
A. 顧客の個人情報を含む契約書を外部の生成AIサービスに入力し、条文のチェックを任せる
B. 社内向けの研修資料の構成案を生成AIに出させ、内容の正しさは担当者が確認してから使う
C. 生成AIが計算した売上予測の数値を、検算せずに経営会議の資料に載せる
D. 生成AIが作ったキャッチコピーを、ブランドの最終判断としてそのまま採用する
正答:B — 構成案という「たたき台」を任せ、最終確認は人が行う形が適切です。Aは個人情報の入力の問題、Cは数値の検証なしの問題、Dは最終判断の委譲の問題です。
問2:データ分析で生成AIを使うとき、注意すべき点として最も適切なのはどれか。
A. 生成AIの計算結果は正確なので、検算は不要である
B. 自由記述の分類や傾向の言語化は任せつつ、数値の正しさは人が検証する
C. 出典の確認ができない情報でも、生成AIが出したものは事実として扱ってよい
D. 統計的な有意性の判断は生成AIに任せるのが最も確実である
正答:B — 整理・言語化は生成AIの得意分野ですが、数値の保証は人の仕事です。
まとめ:業務名ではなく「任せる範囲」で覚える
新シラバスの第5章は、業務名の暗記ではなく「何を任せ、何を人がやるか」の判断を問います。文書作成・企画・データ分析のどれでも、軸は同じです。下書き・候補出し・整理は任せる。最終決定・事実の保証・機密の入力は人が持つ。この1本の軸を持っておけば、業務が変わっても同じ型で解けます。
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