最近は、商品を探す時にGoogle検索だけでなく、ChatGPTやGeminiなどの生成AIへ質問する人も増えてきました。
「この用途なら、どんな商品を選べばいい?」
「似た商品なら、何を比べればいい?」
「初心者向けのおすすめは?」
こうした質問に対して、AIが商品を比較したり、選び方を説明したりする場面は、これからもっと増えていくと思います。
楽天市場を運営している僕にとっても、これは気になる変化です。
楽天の検索対策をして、商品名や画像、説明文を整える。それはもちろん大事です。
でも、AIが商品を調べる時に、楽天の商品ページだけで十分に見つけてもらえるのか。そこは別に考えた方がいいかもしれません。
今回は、株式会社Wallabeeの調査で、生成AIが引用するECサイトURLは、公式ECがECモールの約1.8倍だったというニュースを見て感じたことを書いてみます。
楽天に出品しているだけでは、AI検索の情報源として十分とは限らない。
だからこそ、モール内のページを整えることに加えて、「自分にしか書けない情報」をモールの外にも持つ意味が、少しずつ大きくなっているように感じます。
■ 公式ECはモールの約1.8倍、AIに引用されていた
ECのミカタで紹介されたWallabeeの調査では、8つの生成AIによる32,280件の回答と、280,091件の引用URLを分析しています。
その中で、ECサイトとして引用されたURLは86,729件でした。
内訳を見ると、メーカーや小売企業が運営する公式ECサイトが50.14%。
楽天市場やAmazonのようなECモールマーケットプレイスが28.22%でした。
つまり、引用されたECサイトURLの中では、公式ECがモールの約1.8倍だったということです。
この数字だけを見ると、「楽天に出しているだけでは弱いのかな」と不安になるかもしれません。
ただ、僕は楽天市場がダメだという話ではないと思っています。
楽天はすでに買うつもりで来ている人が多く、検索、広告、レビュー、ポイントなど、購入につながる仕組みがそろっています。商品を売る場所として、今後も大事な販売チャネルです。
一方で、AIが答えを作るために参照する情報源としては、公式サイトや独自の解説記事が選ばれやすい場面がある。今回の調査は、そんな可能性を示しているのだと思います。
■ 楽天の商品ページだけで、AIに伝わる情報は足りているか
楽天の商品ページは、販売するための情報を載せる場所です。
商品名、価格、画像、説明文、サイズ、配送情報、レビュー。購入するために必要な情報は、しっかり入れられます。
ただ、ページを作る時に「AIが読んでも、この商品の違いや使い方が分かるか」という視点まで持てているかというと、まだ難しい部分もあります。
似た商品が多いジャンルでは、商品名が検索キーワードの羅列になりやすいです。
画像も、商品の特徴をたくさん入れようとして、結局どんな人に向く商品なのかがぼやけることがあります。
説明文も、スペックは載っているけれど、「どんな悩みを持つ人が、どう選べばいいのか」まで書けていないことは多いです。
これは人にとっても、AIにとっても分かりにくい状態かもしれません。
AIに読まれるためだけに商品ページを作る必要はありません。
でも、AIが理解しやすい情報は、初めて来たお客様にとっても分かりやすい情報です。
誰に向くのか。
何ができるのか。
他の商品と何が違うのか。
どんな時に使うのか。
買う前に何を確認すればいいのか。
こうした情報が整理されていれば、楽天内の検索や商品ページ改善にも、そのまま役立ちます。
■ いきなり自社ECを作らなくてもいいと思う理由
今回の調査を見て、「自社ECサイトを作らないといけないのかな」と考えた方もいるかもしれません。
もちろん、将来的に自社ECを持つことには意味があると思います。自分で情報を積み上げられる場所があり、商品の見せ方やブランドの考え方も自由に伝えられるからです。
ただ、楽天運営をしながら、いきなり本格的な自社ECを作って運営するのは簡単ではありません。
サイト作り、決済、発送、集客、問い合わせ対応。やることが一気に増えます。最初からそこまで広げなくてもいいのではないでしょうか?
僕が現実的だと思うのは、まず主力商品について、自分のブログやnoteなどで「選び方」「比較」「使い方」「注意点」を記事にしていくことです。
たとえば、次のような内容です。
・この商品は、どんな人に向いているのか
・似た商品を選ぶ時に、どこを見ればいいのか
・実際に使う時に、気をつけたいことは何か
・仕入れや検品の中で、販売者として確認していること
・購入前によくある質問と、その答え
こうした記事は、ただ商品を売るための文章ではありません。
お客様が「失敗しないために知りたいこと」に答える内容です。
楽天の商品ページだけでは書き切れない背景や、販売者としての考え方も伝えられます。
そして、記事を読んだ人が購入したいと思った時に、楽天の商品ページへ案内すればいい。
この形なら、いきなり大きなサイトを作らなくても、モール外に一次情報を少しずつ積み上げていけます。
■ AIに引用されやすいのは、「自分にしか書けない情報」かもしれない
中国輸入や有在庫物販をしていると、商品そのものは似たものが多いです。
仕入れ先の説明をそのまま日本語にしても、競合と似たページになりやすいですよね。
だからこそ、これから大事になるのは、販売者自身の経験です。
たとえば、仕入れる前にどこを見るのか。検品でどんな点を確認しているのか。商品ページを作る時に、購入前の不安をどう減らしているのか。お客様からよく来る質問は何か。こうした情報は、他のショップがそのままコピーしにくいです。
僕自身も、楽天運営を続ける中で、売れない商品ページを改善した経験や、欠品で売上が落ちた経験、広告費を見直した経験があります。
こういった失敗や改善の記録は、商品ページのスペックよりも、読んだ人の判断に役立つことがあります。
AIに選ばれるために、難しい専門用語をたくさん入れる必要はないと思います。
誰かが「この商品、どう選べばいい?」と質問した時に、答えになる内容を書く。
そして、その答えが自分の実体験に基づいている。
そんな一次情報を積み上げていく方が、結果的に人にもAIにも伝わりやすいのではないでしょうか。
■ まず主力商品から、3つだけ書き出してみる
何から始めるか迷う時は、主力商品を1つだけ選んで、次の3つを書き出してみるのがおすすめです。
1.お客様が選ぶ前に迷いそうなこと
2.競合商品と比べる時に、確認してほしいこと
3.販売者として、仕入れ・検品・お客様対応で気をつけていること
この3つは、楽天の商品ページを改善する時にも使えます。
さらに、そのままブログやnoteの記事のテーマにもなります。
AIを使うなら、競合レビューやよくある質問をまとめて、「この商品を初めて買う人が知りたいことを整理して」と聞くのも便利です。
ただし、出てきた文章をそのまま使うのではなく、自分の販売経験や実際の対応内容に合わせて直すことが大切です。
そこに自分の言葉や経験を加えることで、他にはない情報になっていきます
■ まとめ:楽天で売る力と、自分の情報を持つ力を一緒に育てる
今回の調査は、公式ECがECモールよりもAIの引用元として多く選ばれていた、という内容でした。
楽天に出品しているだけでは、AI検索から見つけてもらうには足りない可能性がある。
この見方は、これからのEC運営で持っておきたいと思います。
ただ、今すぐ本格的な自社ECを作る必要はありません。
まずは楽天の商品名、属性、画像、説明文を、人にもAIにも分かりやすい形に整える。そのうえで、主力商品の選び方、比較、使い方、検品基準、よくある質問を、自分の言葉で記事にしていく。
楽天で売る力と、自分の情報を持つ力。
この2つを一緒に育てていくことが、AI検索が当たり前になるこれからのEC運営では大事になっていくのかもしれません。
楽天の商品ページは、商品の情報を並べるだけでなく、「誰に向くのか」「何が違うのか」「購入前に何を確認すればいいのか」まで整理することが大切です。
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