Webサイトの記事をSNSへ共有したとき、タイトルや画像が自動的に表示されることがあります。
この表示は「リンクカード」と呼ばれ、投稿を見た人へページの内容を伝える重要な役割を持っています。
しかし、画像が表示されない、古いタイトルが残る、別の記事の画像が出るといった問題も少なくありません。
ページ自体が正常に表示されていても、SNSが読み取る情報に問題があれば、リンクカードは正しく作られません。
今回は、リンクカードを作るために使われるOGPの仕組みと、表示がおかしいときの確認ポイントを初心者向けに解説します。
OGPとは
OGPは、Webページのタイトル、説明、画像などを外部サービスへ伝えるための情報です。
SNSやチャットツールにページを共有すると、それらのサービスがページへアクセスし、設定されているOGPを読み取ります。
主に伝える情報は次のとおりです。
ページのタイトル
ページ内容の説明
代表画像
ページのURL
コンテンツの種類
サイト名
これらの情報をもとに、SNS側がリンクカードを作成します。
OGPはページ内で利用者に見せる文章ではなく、外部サービスがページの内容を理解するための情報です。
ページの見た目とリンクカードは別に管理される
ページを開いたときに正しいタイトルや画像が表示されていても、リンクカードまで正しくなるとは限りません。
たとえば、記事の先頭に大きな画像があっても、その画像が自動的にリンクカードへ使われるとは限りません。
SNSは、基本的にOGPで指定された画像を優先して取得します。
OGP画像が指定されていない場合は、ページ内の別の画像を選んだり、画像なしで表示したりすることがあります。
「ページには画像があるから大丈夫」と判断せず、共有用の画像が明示されているか確認することが重要です。
OGP画像には共有専用の画像を用意する
リンクカードには、ページ内で使っている画像をそのまま流用できます。
ただし、ページ上ではきれいに見えても、SNS上では文字が切れたり、重要な部分が小さくなったりすることがあります。
リンクカードは、表示される場所や端末によって大きさが変わります。
そのため、OGP画像は次の点を意識して作成します。
横長の比率を基本にする
重要な文字や人物を中央寄りに配置する
端に重要な情報を置かない
小さく表示されても読める文字サイズにする
背景と文字の差を十分に付ける
画像だけでページ内容が分かるようにする
ファイル容量を必要以上に大きくしない
スマートフォンでは小さく表示されるため、細かい文章を大量に入れても読まれません。
記事タイトルをすべて画像へ入れるより、短い言葉でテーマを伝える方が見やすくなる場合もあります。
画像の指定先が間違っていないか確認する
OGPに画像を設定していても、指定先の画像をSNSが取得できなければ表示されません。
特に注意したいのは、テスト環境から本番環境へ移した直後です。
テストサイトの画像を指定したまま公開すると、外部からアクセスできなかったり、テストサイトを削除したあとに画像が消えたりします。
次のような状態になっていないか確認します。
テスト環境の画像を参照している
古いドメインの画像を参照している
画像を削除または移動している
外部からの画像取得が制限されている
ログインしなければ画像を開けない
画像の読み込み先でエラーが発生している
通信の安全性に関する設定が混在している
ブラウザでページが見えていても、ログイン中の自分だけが閲覧できる状態かもしれません。
ログアウトした状態や別のブラウザからも、対象の画像を表示できるか確認します。
古い画像が表示されるのはSNS側のキャッシュが原因かもしれない
OGPのタイトルや画像を変更しても、SNS上では以前の内容が表示されることがあります。
これは、SNSがページを共有するたびに情報を取得するのではなく、一度取得したOGPを保存して再利用することがあるためです。
Webサイト側で画像を変更しても、SNS側の保存情報が更新されるまでは古いリンクカードが表示されます。
この場合、WordPressやブラウザのキャッシュを削除するだけでは解決しないことがあります。
キャッシュが保存されている場所が異なるからです。
各サービスに共有情報を再取得させるための確認機能がある場合は、それを使って更新を促します。
ただし、再取得してもすべての投稿が即座に変わるとは限りません。すでに作成された投稿では、古い表示が残る場合もあります。
同じ画像ファイルを差し替えただけでは更新されないことがある
画像を修正するとき、同じファイル名のまま内容だけを差し替えることがあります。
Webサイト上では新しい画像が表示されても、SNS側が同じ画像だと判断し、保存済みの画像を使い続ける場合があります。
確実に新しい画像として認識させたいときは、画像のファイル名や指定先を変更する方法があります。
たとえば、初回の画像と修正版の画像を別のファイルとして扱えば、SNSが新しく取得しやすくなります。
ただし、修正のたびに無計画に画像を増やすと、メディア管理が複雑になります。
変更理由や使用ページが分かるように整理しておくことも大切です。
タイトルや説明文が途中で切れることもある
OGPへ設定したタイトルや説明文が長すぎると、リンクカード上で途中までしか表示されない場合があります。
表示できる文字数はサービスや端末によって異なるため、すべての環境で同じ見え方になるとは限りません。
重要な言葉を文章の後半へ置くと、表示されない可能性があります。
タイトルはページの内容が早い段階で分かるようにし、説明文も要点から書き始めます。
また、検索結果向けのタイトルと、SNSで共有するタイトルは目的が少し異なります。
検索結果では検索意図との一致が重要ですが、SNSでは流れてくる投稿の中で興味を持ってもらえるかも重要です。
ただし、内容と関係のない大げさな表現にすると、ページを開いた利用者の期待を裏切ることになります。
WordPressではテーマとプラグインの重複に注意する
WordPressでは、テーマやSEOプラグインがOGPを自動的に出力することがあります。
複数の機能でOGPを有効にすると、同じ種類の情報がページ内へ複数出力される可能性があります。
たとえば、テーマとSEOプラグインの両方がOGP画像を設定していると、SNSがどちらを使用するか分かりにくくなります。
その結果、設定画面で選んだ画像とは別の画像が表示されることがあります。
OGPを管理する機能は、できるだけ一つにまとめます。
テーマを変更したり、新しいSEOプラグインを導入したりしたときは、以前の設定と重複していないか確認しましょう。
固定ページと投稿で設定場所が違う場合がある
WordPressのOGP設定には、サイト全体の標準設定と、ページごとの個別設定があります。
標準画像を設定しておけば、個別画像がないページでも共通の画像を表示できます。
一方、記事ごとに内容を伝えたい場合は、個別のOGP画像を設定します。
設定の優先順位はテーマやプラグインによって異なります。
一般的には、次のような情報が候補になります。
ページごとに設定したOGP画像
アイキャッチ画像
記事本文内の画像
サイト全体の標準画像
サイトロゴ
「アイキャッチ画像を設定したのに反映されない」という場合は、別の個別設定や標準設定が優先されていないか確認します。
非公開のページは情報を取得できないことがある
SNSがリンクカードを作るためには、外部からページへアクセスできる必要があります。
パスワードで保護されたテストサイトや、特定の接続元だけに限定されたページでは、SNSの確認プログラムが内容を取得できません。
そのため、本番公開前のテスト環境ではリンクカードが正常に表示されない場合があります。
アクセス制限を一時的に解除する方法もありますが、未公開情報を外部へ見せる危険があります。
制作中のサイトでは、OGPの設定内容をページ内で確認し、本番公開後に外部サービスから取得できるかを改めてテストする方が安全です。
リダイレクトがある場合は最終ページを確認する
共有したURLが別のURLへ転送される場合、SNSは転送先のページから情報を取得することがあります。
サイト移行やURL変更のあとに古いリンクを共有すると、次のような問題が起こる可能性があります。
古いページのOGPが表示される
転送途中で取得に失敗する
最終ページとは異なるURLが表示される
転送先にOGPが設定されていない
複数回の転送で確認に時間がかかる
共有したURLだけを見るのではなく、最終的にどのページが表示され、そのページへどのOGPが設定されているかを確認します。
OGPは検索順位を直接上げる機能ではない
OGPを設定しただけで、検索順位が上がるわけではありません。
OGPの主な役割は、SNSやチャットツールでページを共有したときに、内容を分かりやすく伝えることです。
ただし、魅力的で内容の分かるリンクカードは、利用者がページを開くきっかけになります。
画像なしのURLだけが表示される投稿より、タイトル、説明、画像が整った投稿の方が内容を判断しやすくなります。
OGPは検索エンジンのためだけではなく、共有されたリンクを見る人のために設定する情報です。
公開前後に確認したい項目
記事やページを公開するときは、次の項目を確認します。
ページに合ったタイトルが設定されているか
説明文が長すぎず、要点から始まっているか
共有用の画像が指定されているか
画像をログアウト状態でも開けるか
テスト環境や古いドメインを参照していないか
テーマとプラグインで設定が重複していないか
スマートフォンでも文字が読める画像か
重要な内容が画像の端に寄りすぎていないか
SNS側に古い情報が保存されていないか
実際に共有したときの表示を確認したか
管理画面で保存できたことと、外部サービスが正しく情報を取得できることは別です。
最後は実際のリンクカードを確認して判断します。
まとめ
OGPは、Webページのタイトル、説明、画像、URLなどをSNSやチャットツールへ伝えるための情報です。
ページ内に画像が表示されていても、OGP画像が正しく指定されていなければ、リンクカードへ使われるとは限りません。
画像が出ない場合は、画像の指定先、アクセス制限、古いドメイン、WordPressの設定重複などを確認します。
変更後も古い表示が残る場合は、Webサイト側ではなく、SNS側のキャッシュが原因かもしれません。
OGPは設定して終わりではありません。
実際に共有し、小さな画面でも内容が伝わるか、正しいページと画像が表示されるかを確認することが大切です。
共有された瞬間もWebサイトの入口と考え、ページを開く前から内容が伝わる状態を整えることで、より見つけてもらいやすいサイト運用につながります。