ホームページ制作の見積もりを出すとき、
「この金額で高すぎないかな」
「もっと安くしたほうが受注しやすいかな」
「相手に断られたらどうしよう」
と不安になることがあります。
特に、制作を始めたばかりの頃や、これまでより少し金額の大きい案件では、見積もりを送る直前まで迷ってしまうことも少なくありません。
ただ、見積もりに自信が持てないときほど、感覚だけで金額を決めないことが大切です。
今回は、ホームページ制作の見積もり金額に迷ったときに、私が意識している考え方をまとめます。
見積もりは「ページ数」だけで決めない
ホームページ制作では、
5ページだから〇万円
10ページだから〇万円
LPだから〇万円
というように、ページ数だけで金額を決めてしまいがちです。
もちろん、ページ数は見積もりを出すうえで重要な要素です。
ただし、同じ5ページのホームページでも、実際に必要な作業量は大きく異なります。
例えば、
原稿や写真がすべてそろっている
構成から考える必要がある
写真の選定や加工が必要
デザインの参考サイトが決まっている
お客様自身も完成イメージが固まっていない
予約機能や更新機能が必要
公開後の操作説明や修正対応が必要
といった条件によって、制作にかかる時間も負担も変わります。
見積もりは、完成するページの枚数だけではなく、完成までに必要な工程全体を見て考える必要があります。
金額ではなく、作業を細かく分解する
見積もり金額に自信が持てない原因のひとつは、作業内容が曖昧なまま、最終金額だけを決めようとしていることです。
「この案件はいくらにしよう」と考える前に、まず必要な作業を細かく分解します。
例えば、ホームページ制作であれば、
ヒアリング
競合サイトの調査
サイト構成の作成
原稿の整理
ワイヤーフレーム作成
デザイン制作
コーディング
WordPress構築
スマートフォン対応
お問い合わせフォーム設定
基本的なSEO設定
動作確認
サーバーへの公開
操作説明
修正対応
などがあります。
これらの作業ごとに、どのくらい時間がかかるのかを考えます。
作業を分解すると、「なんとなく高い気がする」「なんとなく安くしないといけない」という感覚ではなく、必要な工数をもとに金額を判断できるようになります。
自分の作業時間を無料だと思わない
見積もりが安くなりすぎる人に多いのが、実際に手を動かしている時間しか計算していないケースです。
例えば、コーディングに10時間かかったとしても、案件全体ではそれ以外に、
メールやLINEでのやり取り
打ち合わせ
内容確認
修正箇所の整理
素材待ちの進捗管理
公開後の確認
請求書や契約書の作成
といった時間も発生します。
これらも、案件を進めるために必要な業務です。
直接ホームページを作っていない時間だからといって、無料にする必要はありません。
制作費を考えるときは、目に見える制作作業だけではなく、案件を完了させるまでに使うすべての時間を含めて考えることが重要です。
修正対応の回数も最初に考える
見積もりを出す段階では、制作そのものに意識が向きやすいですが、実際には修正対応にかなりの時間がかかることがあります。
「少し文字を変えてほしい」
「写真を別のものにしたい」
「やっぱり配置を変えたい」
一つひとつは小さな修正でも、回数が増えると大きな作業になります。
そのため、見積もりを出すときには、
修正は何回まで含むのか
大幅な構成変更は追加料金になるのか
公開後の修正はどこまで対応するのか
を決めておく必要があります。
修正範囲が曖昧なままだと、当初想定していた作業時間を大きく超えてしまいます。
見積もり金額に自信を持つためには、金額だけではなく、対応範囲を明確にすることも大切です。
相場だけで金額を決めない
見積もりに迷うと、他の制作者の料金表や相場を調べることがあります。
相場を確認すること自体は必要ですが、相場だけで自分の金額を決めるのは危険です。
同じ「ホームページ制作」でも、
テンプレートを使用するのか
オリジナルデザインなのか
原稿作成まで対応するのか
打ち合わせは何回行うのか
公開後のサポートがあるのか
制作会社なのか個人なのか
によって、サービス内容は異なります。
他社より安いから選ばれるとは限りません。
反対に、相場より高くても、対応内容や強みが明確であれば依頼されることはあります。
相場はあくまで参考にして、自分が提供する内容と必要な作業量を基準に金額を決めるほうが現実的です。
「高いと思われたくない」だけで値下げしない
見積もりを送る前に不安になると、相手から何も言われていないのに、自分から金額を下げたくなることがあります。
しかし、これはかなり危険です。
自分から値下げをすると、
利益が残らない
修正対応がつらくなる
案件に対する不満が出る
次回も同じ金額を求められる
自分の基準価格が分からなくなる
といった問題が起こります。
また、安い金額を提示したからといって、必ず受注できるわけではありません。
予算、タイミング、社内事情、他社との比較など、依頼が決まらない理由は金額以外にもあります。
断られることを恐れて値下げを続けると、受注できても仕事を続けられなくなります。
必要な作業に対して適正な金額を出すことは、相手のためだけではなく、自分が責任を持って制作するためにも必要です。
予算が合わない場合は、金額ではなく範囲を調整する
相手の予算と見積もり金額が合わない場合、単純に値下げするのではなく、作業範囲を調整する方法があります。
例えば、
ページ数を減らす
原稿作成をお客様側で行ってもらう
オリジナルデザインではなく既存構成を活用する
撮影を含めない
修正回数を減らす
一部の機能を後から追加する
といった方法です。
提供する内容を変えずに金額だけを下げると、制作者側だけが負担することになります。
予算を下げるのであれば、作業量や対応範囲も合わせて調整する。
この考え方を持っておくと、無理な値下げをせずに提案しやすくなります。
見積もりにはリスクも含める
制作案件では、すべてが予定どおりに進むとは限りません。
例えば、
素材の提出が遅れる
打ち合わせ回数が増える
途中で担当者が変わる
想定していなかった仕様が必要になる
既存サイトの環境に問題が見つかる
外部サービスとの連携に時間がかかる
といったことがあります。
見積もりを最低限の作業時間だけで計算していると、少し予定外の作業が発生しただけで赤字になります。
もちろん、必要以上に高くする必要はありません。
ただし、ある程度の確認作業や予備時間、予期しない対応が発生する可能性も含めて金額を考える必要があります。
自信は、金額ではなく根拠から生まれる
見積もりに自信を持つために必要なのは、「私はこの金額にする」と強く思い込むことではありません。
必要なのは、金額の根拠を説明できることです。
どのような作業が含まれているのか
どのくらいの期間が必要なのか
どこまで対応するのか
どのような成果物を納品するのか
なぜこの金額になるのか
これらを自分の中で整理できていれば、必要以上に不安になることは減っていきます。
見積もりは、相手の顔色を見て決めるものではありません。
提供する内容、必要な工数、責任の範囲をもとに決めるものです。
まとめ
見積もりの金額に自信が持てないときは、すぐに値下げするのではなく、まず作業内容を細かく整理することが大切です。
ページ数だけではなく、
ヒアリング
構成作成
原稿整理
デザイン
実装
修正
公開作業
連絡や進行管理
公開後の対応
まで含めて考えます。
そして、相手の予算と合わない場合は、金額だけを下げるのではなく、作業範囲を調整します。
見積もりに自信がないからといって安くしすぎると、受注できても、時間と利益を失うことになります。
大切なのは、相手に断られない金額を出すことではありません。
自分が責任を持って対応できる金額を、根拠を持って提示することだと思います。