LPを「モバイル版だけの見た目」で作成するときのpx設計ガイド

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スマホ中心でランディングページ(LP)を作るとき、最初に迷いやすいのが「何pxでデザインすればいいの?」という問題。結論から言うと、基準幅は 375px を起点にしつつ、360 / 390 / 414px の許容差を頭に入れておくのが実務的に最も事故が少ないです。ここでは、モバイル前提でLPを作るときのpx設計の考え方を、実務視点でコンパクトにまとめます。

1) なぜ375pxが“起点”なのか

デザインと実装のズレが少ない:主要デバイスのCSS幅としてポピュラーなため、UI崩れのリスクを抑えやすい。

素材書き出し・検証が楽:1x(CSS px)基準で設計し、必要に応じて2x/3xで書き出せば高密度画面でも粗くなりにくい。

チーム共有が容易:「375基準」はデザイナー/エンジニアの共通言語になっているため、手戻りが減る。

補足:実機の解像度はもっと大きくても、ブラウザが“CSSピクセル”に正規化して表示します。デザイン時はCSSピクセルで考えるのが基本。

2) 許容差として意識したい横幅:360 / 390 / 414px

「375だけで作って終わり」だと、端末幅が微妙に違うときに行間や改行位置、ボタン折返しで見栄えが崩れることがあります。

360px:一部Androidで出会う「ちょい狭」な幅。文字が2行になりやすい。

390px:最近のiPhoneで増えている“やや広”な幅。見出しの折返しが減る。

414px:一昔前の“広め”幅。行長が伸びやすく、読みにくくならないよう注意。

実務のコツ:デザイン段階で、この3つの差分を「見出しの折返し」「CTAの改行」「カードの幅と余白」だけは軽く確認しておく。時間をかけるのはこの3点で十分。

3) 文字サイズと行間の目安

本文:14–16pxを標準。可読性を優先するなら16px推奨。

小さな補足:12–13px。可読性を落としすぎない。

見出し:20–28px目安。LPは訴求が命。見出しの“視認距離”を想像してサイズを決める。

行間(行高):本文は1.4〜1.7倍が読みやすい。見出しは詰めすぎない(1.2〜1.4倍目安)。

行長:日本語は20〜35文字/行を目安に。1行が長すぎると読了率が落ちる。

4) 余白とレイアウトの基準化

左右パディング:16–24pxを標準。375px基準なら16pxが扱いやすい。

グリッド:モバイルLPは1カラムが基本。カードを並べる場合でも“2カラム化”は最小限に。

コンポーネント間マージン:8の倍数(8/16/24/32px)で揃えると全体が整う。

タップ領域:44–48px以上を確保。押しにくさは離脱の元。

5) 画像・ビジュアルの設計

**主役画像(ヒーロー)**は、横幅フルで見せ、重要情報は中央寄せに配置。左右がトリミングされても耐える構図に。

書き出し倍率:1x設計 → 2x/3xで書き出して高密度画面の粗さを回避。

テキストを画像化しない:差し替え・ABテストが困難になる。できる限りネイティブテキストへ。

アイコン/ロゴはSVGが理想。もしビットマップなら余白を含めないで書き出すと合わせやすい。

6) ファーストビュー(“ファーストスクリーン”)の考え方

「折りたたみ上(above the fold)」至上主義は危険:端末の縦高さはまちまち。要点は上部に寄せつつ、“続きが読みたくなる”導線を置く。

最上部の3点セット:

誰に・何を・なぜの訴求コピー

具体ベネフィット(数字/結果/比較)

CTAの予告(ボタンまたはアンカーの示唆)

スクロール誘導:視線を下へ流す矢印や、次セクションの“覗き見”で自然にスクロールさせる。

7) セーフエリアと端末依存の注意

ノッチ/ホームバーをまたぐ要素配置は避ける。最下部固定CTAは下余白を厚めに設計。

**縦横回転(ランドスケープ)**時は“壊れない程度”でOK。横向き前提のレイアウトにしない。

キーボード出現時にCTAや入力欄が隠れないか、要所だけ確認。

8) 速度と読み込み体験

画像は軽く:ヒーロー1枚で勝負するなら、逆に“物量で魅せに行かない勇気”も必要。

遅延読み込み(Lazy Load)前提の構図:ファーストビューの要件以外は後追いで読み込んでも破綻しない見せ方に。

フォント数を絞る:ウエイト乱立は遅さと画面の雑味に直結。

9) CTA(行動喚起)設計のpx感覚

ボタン高さ:48–56pxで“押しやすさ”優先。

ラベル文字:16–18pxで明瞭に。

余白:ボタン外側の上下余白は24–32pxを目安に。連打可能な間隔も確保。

固定配置CTAは視界を奪いがち。**表示条件(スクロール量/離脱兆候)**を設けると嫌われにくい。

10) 375px一本で始め、最後に“3幅だけ”差分確認

モバイル版だけで出すとしても、最初は375px一本で素早く組むのが正解。その後、360 / 390 / 414pxで

見出しの折返し

ボタンの2行化

カードの回り込み
この3点だけをチェックして、必要箇所を微調整する。すべてのデバイスに完璧対応しようとして速度を落とすより、訴求の強さと読みやすさを先に最大化する方が成果に繋がります。

まとめ

基準は375px。360 / 390 / 414pxは“差分確認”の相棒。

文字は16px前後、タップ領域は44–48pxを基本線に。

左右16–24pxのパディング、8px単位の余白運用で画面が整う。

ヒーローは中央に重要情報。画像は2x/3x書き出しを前提に。

ファーストビューに訴求・具体ベネフィット・CTA予告を揃える。

速度と可読性が最優先。375で作って3幅だけ差分確認、が現場の最短ルート。

モバイル中心のLPは、**“読みやすさ×押しやすさ×速さ”**の三本柱を、シンプルなpx設計で積み上げることが勝ち筋です。まずは375pxで作り切り、必要な差分だけに集中して仕上げる──この運用が、制作速度と成果の両方を高めてくれます。
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