スマホ依存を治すアプリを、未経験で作り始めたシリーズ#5(最終回) 遂に動いた。歩かないと、開けない。

スマホ依存を治すアプリを、未経験で作り始めたシリーズ#5(最終回) 遂に動いた。歩かないと、開けない。

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IT・テクノロジー
前回の記事の末尾に、こう書いた。

「直ったかどうか、次回報告する。動かすまで、終われない。」

遂に、報告できる。

私は今、AIを使いながら、未経験からAndroidアプリを作っています。
作っているのは、スマホ依存を少しでも断ち切るためのアプリです。
普段はAIを使った制作代行をしています。

前回の「持ち越し」を確認する

シリーズ#4では、ホームボタンを押した瞬間にブロック画面が一瞬だけちらつく問題が残っていた。コードの修正は終えていたが、テストができていなかったのだ。

今回、確認した。ちらつきはなくなっていた。

ということは、残った作業は2つだけだ。「ブロック画面に残り歩数を表示する」という新機能の追加と、開発中だけに置いていたテストボタンの削除。この2つを終えれば、アプリが完成する。

「あと何歩で使える?」を画面に出したい

今のブロック画面には、鍵のアイコンと「利用時間がなくなりました」という文字しかない。でも使う人の立場から考えると、「今、あと何歩歩けば使えるのか」が見えないと不安だと思った。100歩が多いのか少ないのか、今どこまで来ているのか。それが分からないまま「とにかく歩け」と言われても、続かない。

だから、「あと○歩で1分使えます」という数字をブロック画面にリアルタイムで出したかった。

Claudeに要件を伝えると、歩数の変化を監視して画面の数字を自動で書き換えるコードを組んでくれた。仕組みの説明はここでは省くが、要するに「歩くたびにブロック画面のカウントダウンが減っていく」状態を作りたかった。それだけは、想像してみてほしい。

コードが完成したので、アプリを作り直してエミュレーター(仮想スマホ)で確認した。

「あと100歩 歩くと 1分 使えます」

……変わらない。歩数を増やしても、100のまま動かない。

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「直ったはずなのに、直っていない」

何かがおかしかった。コードは合っているはずで、アプリの作り直しも成功しているという表示が出ている。なのに動いていない。

こういうとき、まず疑うのは「本当に新しいコードが動いているか」だ。

確かめるために、アプリの動作記録を確認した。これは、アプリが内部で何をしているかをリアルタイムで書き出してくれる画面で、言ってみれば「アプリの日記」に近いものだ。その日記を見ると、今回追加したはずの記録がどこにも出ていなかった。

「これは、古いコードが動いている。」

その感覚が走った。なぜ古いコードが動いているのか——それが、次の問いになった。

見えていなかった地雷

Claudeと一緒に原因を掘り下げていくと、少し衝撃的なことが分かった。

前のAIセッションで書かれたコードの中に、ひとつだけ「本来は存在しない書き方」が混じっていたのだ。

料理に例えるなら、レシピに「日本では市販されていない調味料を使う」と書かれているようなものだ。作ろうとしても材料がないから完成しない。でも「完成しません」というエラーが目立たない形で出るせいで、料理人は「完成した」と思い込んだまま次に進んでいた。

アプリもまったく同じだった。設計図に誤りがあるから本来は作り直せないのに、「完成」という表示だけが出てしまう。だから誰も気づかず、何週間も前に作ったアプリがずっとエミュレーターの中で動き続けていた。数字が変わらなかったのは当然で、新しい機能など最初から入っていなかったのだ。

AIが「存在すると思い込んで」書いたコードが、静かに地雷として埋まっていた。

Claudeにその箇所を伝えると、正しい書き方を即座に出してきた。修正して、改めて本当の意味でアプリを作り直した。

ブロック画面を出した。

「あと80歩 歩くと 1分 使えます」

数字が、動いた。

それだけで十分だった。

テストボタンを消して、完成へ

数字が正しく動くことを確認してから、最後の仕上げに入った。テストボタンを削除し、コードを整えた。そのあと、配布用のアプリファイルを作成した。今まで「開発用」として動かしていたアプリを、実際に人に渡せる形に変換する仕事だ。あわせて、署名用のファイルも作った。将来アプリストアで公開するときに「このアプリは確かに私が作った」と証明するためのもので、絶対に失くしてはいけない。

作業を終えて、変更の記録を眺めた。

最初:歩数カウントとタイマーの基礎
次:アプリブロック機能の実装
そのまた次:アプリ選択UIの実装
前回:タイマー切れ時の再ブロック・ホームボタンのちらつき修正
今回:見えていなかったバグの修正・テストボタン削除・配布用ファイル作成

5つの節目。ちょうど、このシリーズと同じ数だった。

AIと作る、ということ

ここで少し立ち止まって、5本を通じて感じていたことを書いておきたい。

Claudeはこのチャット画面からファイルを直接書き換えていく。私は画面を眺めながら、原因を言葉で伝えるだけで、ファイルが更新されていく。コードはほとんど書いていない。

でも今回のバグは、AIが書いたコードの中に潜んでいた。「存在しない書き方」を、AIが自信満々で書いていたのだ。

だから「AIに任せればいい」ではまったくない。

「何を作るか」を決めるのは私だ。「どこがおかしいか」を見つけるのも私だ。「AIが書いたコードが本当に正しいか」を疑う目を持つのも、私の仕事だ。何が問題で、どう直すべきかを判断し続けたのは、ずっと私だった。AIが書いた設計図に誤りがあっても、それを発見して修正の方向を伝えられたのは、コードより先に「おかしい」という感覚があったからだ。

「コードが書けないと、アプリは作れない」——そう思っていた。でもそうじゃなかった。「何を作りたいか」と「どこがおかしいか」を見極める力があれば、コードはAIが書いてくれる。

遂に動いた。歩かないと、開けない。

StepLock、完成した。
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このアプリでできることは、シンプルだ。まず、自分が「時間を吸われているな」と感じるアプリを自分で選ぶ。YouTubeでも、Instagramでも、ゲームでも何でもいい。逆に、電話やLINEや地図アプリは選ばなければいい。「ブロックしたいアプリ」だけを自分で決めて、設定する。

選んだアプリは、100歩歩かないと開けなくなる。100歩歩くごとに、1分だけ使える。

歩かないと、開けない。それだけだ。

5本読んでくれた方に、感謝を伝えたい。

バグに詰まるたびに記事を書いた。書くたびに「次の回が書けるということは、まだ詰まっていない」という感覚になった。読んでくださる方がいたから、続けられた。動かすまで、終われない——そう書いた言葉が、呪いでもあり、燃料でもあった。

これからやること

このシリーズを終えて、次にやること。

それは、次のアプリを作ること。「やる気が大事」という正論がある。でも本当の詰まりは、やる気ではなく「最初の一手が曖昧なこと」かもしれない。「片付けが苦手」という正論もある。でも本当は「未決定の物が多すぎること」かもしれない。そういう「みんなが信じている正論の裏側」を掘り続けて、アプリにしていきたいと思っている。

このシリーズを読んでくれた方には、その感覚が分かると思う。

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