軒先に吊るした風鈴が、今夜は一度も鳴らない。
短冊は垂れたまま、微動だにしない。
窓を開けているのに、風だけがどこかへ行ってしまったような夜。
この静寂には、恋愛の記憶が宿っています。
こんにちは、神楽 玄斗(かぐら げんと)です。
七月半ば、土用に入るこの時期。昼間の熱がアスファルトに溜まったまま、夜になっても空気が動かなくなる日があります。風鈴は、風がなければ鳴りません。当たり前のことですが、その当たり前が、やけに胸に刺さる夜がある。
鳴らない風鈴を、じっと見つめてしまう。
あれは、待っているのです。音を出したいのに、出せない。ガラスの内側で、舌がぶら下がったまま止まっている。
彼の心にも、同じものが吊られています。
言いたい言葉があるのに、それを鳴らすための風が吹かない。きっかけがない。名目がない。だから、彼は黙ったまま、あなたの気配だけを遠くで探している。
これを世間では「未練」と呼びます。けれど霊視で視ていると、その言葉はあまりに雑だと感じます。未練とは、終わったものへの執着ではなく、まだ終わっていないものが行き場を失っている状態のことなのです。
彼の本音は、霊視でハッキリと視えます。今のあなたの状況を、一度視させてください。
先日、視させていただいた方の彼は、こんな姿でした。
視えたのは、深夜零時を回った部屋。エアコンの音だけが低く響いていて、彼は電気もつけずにベッドの縁に腰かけていました。スマホの画面だけが青白く、彼の顎の下を照らしている。
トーク画面を開いていました。あなたとの、最後のやりとり。
指が、送信欄の上で止まっている。何も打っていない。ただ、そこに置かれているだけ。
彼の胸元から立ちのぼっていた色は、鈍い銀色でした。
銀は、閉じ込められた想いの色です。錆びてはいない。むしろ磨けば光る。けれど今は、空気に触れないまま、暗がりで曇っている。誰かが手を伸ばして、風を通してやらないかぎり、その光は表に出てこない。
彼は忘れていません。忘れられないから、あの画面を開いてしまう。
ただ、彼には「鳴らす理由」がないのです。連絡する口実がない。今さら何を言えばいいのか分からない。プライドと後悔が絡まって、指が動かない。
風鈴と同じです。舌はそこにある。ガラスもそこにある。ただ、風が吹かないだけ。
彼が言葉にしない想い、私が代わりに視てきます。
ここで、大切なことをお伝えします。
風を起こそうと、必死にうちわを扇ぐ必要はありません。無理やり鳴らした音は、どこか歪んで響きます。追いかければ追いかけるほど、彼はガラスの内側でさらに固く縮こまってしまう。
代わりに、窓の位置を変えてみてください。
つまり、あなた自身の風通しを良くするということです。彼の沈黙に張りついている意識を、いったん自分のほうへ戻してあげる。冷やした麦茶を飲む。汗ばんだ首筋を拭く。眠れない夜は、無理に眠ろうとせず、窓辺で夜風が戻るのを待つ。
心に隙間ができると、不思議なことが起こります。
こちらの気配が緩んだ瞬間に、彼のほうの空気が動きはじめる。押していたときには微動だにしなかったものが、力を抜いた途端に、ふっと揺れる。
恋愛における風とは、そういうものです。起こすものではなく、通すもの。
土用が明ければ、立秋が来ます。この重たい熱気も、永遠には続きません。空気は必ずまた動き出します。
今夜、風鈴が鳴らなくても構わない。
鳴らないまま吊られているということは、まだそこに在るということです。外されてはいない。捨てられてもいない。次の風を、静かに待っている。
彼の未練も、まったく同じ場所に吊られています。
彼が言葉にしない想い、私が代わりに視てきます。
あなたの恋愛が前向きになるように、お手伝いさせていただきます。
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