(1)環境情報学部と総合政策学部の違い
SFCの小論文はかつては、環境情報学部と総合政策学部ともに大量の資料を読ませて、要約したり分析したりして答案を書かせる問題が主で、外見上、あまり違いがあるようには見えませんでした。
それでも、あえて答案作成の方向性で考えると、環境情報は理系よりで敵のロジーを使って解決策を考える方法、総合政策は組織運営のガバナンスや法律や政策などの制度設計で考える方法を取ることが一般的でした。
もちろん、総合政策でテクノロジーを使ってはいけない、環境情報で制度設計を使ってはいけない、というわけではありません。
SFCの小論文の問題は「デザイン思考」でアプローチする、という共通点があります。このデザインとは服飾デザインやインテリアデザインなどの狭義のデザインのみならず、環境デザインや法整備、建築や都市設計などといった広義のデザインを指します。これは、境情報学部2023年の問題が典型例でしょう。
ちなみに、最近の環境情報の問題は「人間とは」「生きるとは」というような本質的な問いをベースとする哲学的な問題にシフトチェンジしつつある傾向にあります。
話を戻すと、とはいえ、環境情報ではテクノロジー、総合政策では制度設計を指向するという対策はあながち今でも有効性を失ってはいません。
(2)慶應義塾大学環境情報学部2019年問題
それでは、今回は慶應義塾大学環境情報学部2019年の問題を例にとって、問題の考え方を解説してゆきたいと思います。
① SFCは、1990年の開設以来、「問題発見/解決型」の教育・研究を実践しています。
② 世の中には多くの未解決の問題があります。人口問題や地球温暖化問題のように、広く知られており解決が難しい大きな問題がある一方、身の回りの小さな問題は見逃されていることが多く、意外な解決法が隠れていることがあります。
③ 昔は電車に乗るときは切符を買う必要がありました。電車に乗るのになぜ切符が必要なんだろうと考える人はほとんどいなかったと思われますが、ここに問題を発見した技術者がICカードやコンピュータ技術を応用することを思いついた結果、SuicaゃIcocaのような交通系ICカードが開発され、現在の都会では多くの人が電車やバスでカードを便利に利用するようになりました。
④ 交通系ICカードが普及するためには、その運用が技術的に可能であり、かつ乗客が快適に利用できなければなりません。改札機が高速にカードの情報を読んで鉄道会社のコンピュータと高速通信して課金処理する技術が必要ですし、利用者がすぐにタッチ操作に慣れることができるような構造のデザインも必要です。
⑤ 現在のSuica改札機では、斜めになった光る場所にカードをタッチするようになっています。どのような色や形の読取機をどこに置けば誰もが使えるようになるかは頭で考えるだけではわかりません。いろいろなデザインのものを実際にたくさんの人々に使ってもらい、それを観察することによって最適なものが選択されました。世の中の問題を発見し、その解決策を検討し、人間の行動を観察して改良することを繰り返した結果、便利な改札システムができたことになります。世の中の多くの機器は長年にわたってこのような改良が加えられてきました。
⑥ コンピュータをはじめとする新しい技術が普及してきた現在、世界はどんどん便利に変化していますが、昔の方法もたくさん残っています。「なぜ選挙のたびに投票所に行かなければならないんだろう?」「なぜ手紙を出すのにポストまで行かなきゃならないんだろう?」など、日常生活での不思議はたくさん残っています。一方、誰もが気付かなかった問題に気付いて解決することによって、近年新しいサービスがどんどん生まれています。使われていない部屋がたくさんあるのにホテルが足りないことに若者が気付いた結果、部屋を個人が簡単に貸し借りできるサービスができたり、タクシーが不便ということに若者が気付いた結果、使い勝手の良い代替サービスができたりしています。身の回りの小さな問題を発見して解決方法を考えることによって世の中が便利になってきています。
⑦ 問題の発見には注意深い観察や考察が必要です。世の中を観察することによって面白いことを発見する「考現学」や「路上観察学」といった活動があります。文化人類学や社会学の研究では、フィールドワークによって民族の行動を調査/記述する「エスノグラフィー」という手法が利用されますが、近年はビジネス分野でもこの手法が広く利用されるようになってきました。人間の何気ない行動を観察し、観察者が気になった行動について質問を行なうことによって、潜在的な問題やニーズが調らかになり商品開発がうまくいくと考えられているからです。
⑧ 新しい商品を開発したいとき、人々の行動を観察することにより新しい知見を得る「デザイン思考」という手法も最近注目されています。デザイン思考とは、人々の行動を観察することによって、隠れたニーズを発見して解決方法を考え、試行錯誤を行ないながらアィデアを洗練させていく手法です。デザイン思考は、IDEOというシリコンバレーのデザイン会社の思考スタイルとして有名になりました。IDEOはApple製品をはじめとするさまざまな革新的な製品を多数デザインしたことで知られています。IDEOがデザイン思考の練習を紹介した書籍『考えなしの行動?』では、人々の何気ない行動を観察することによって何かを発見する様子が紹介されています。
⑨ たとえば、バランスをとるためになにかを掴む、といった行動は、普遍的だし、また本能的なものである。また、熱いマグカップで手を暖めたり、ベルベットを撫でたりするのは、経験的な行動ではあるものの、あまりにも深く身に染みついているため、ほとんど意識せずについやってしまう。このほか、テイーバッグのヒモをカップの把手に巻きつけたり、ジャケットを掛けるために椅子を探す、といった行為は、習慣や社会的学習を通して自然に出てくるようになる。本書に掲載された写真は、人々が自分の周囲の世界に反応する、この種のやりとりを垣問見たものである。あなたは何を見るか。
カップに紐
⑩ ときどき、ある失敗を取り除くために込み入った手が必要になることがある。このディテールに対し、私たちはどう学び、いかにデザインすることができるか。
地下鉄通路
⑪ 視覚と同様に、触覚による指示が、通行人を本能的に正しい道筋へ導く。
出典:ジェーン・フルトン・スーリIDEO(2009)『考えなしの行動?』大田出版
⑫ 菅俊―氏の書籍『観察の練習』でもさまざまな観察の手法が述べられています。
まえがき:
⑬ 観察とは、日常にある違和感に、気づくこと
⑭ この本は「観察」という行為を「練習」するという目的で書かれました。
⑮ 観察と言っても、私たちが小学生の頃にやったアサガオの観察のように、ある特定の対象を継続して見続けるものではありません。この本で観察の対象としているのは、身の周りの環境、つまり世界全体です。
⑯ 私たちの身の周りでは日々、さまざまな「おや?」と違和感を抱くような出来事が起こっています。それは、誰かの手による創意工夫であったり、自然環境が作り上げた現象であったり、自分の眼が勘違いしたものであったりするのですが、あまりにも膨大なため、普段は無意識に見過ごしてしまっています。しかし、このような「日常の中の小さな違和感」にこそ、私たちを驚かせたりワクワクさせたりするアイデアを生むためのヒントが隠れているのです。
⑰ この本では、私自身が日常的に行っている「観察」の例を紹介します。ぜひ、読者の皆さんも一緒に私が発見した「日常の中の小さな達和感」に気づいてみてください。
駐輪場の使い方
⑱ 熱い日差しの中、探し物のためにいくつかの店をめぐりながら街を歩いていると、妙なものを見つけた。マンションの駐輪場に停めてある自転中の荷台に、飛び出るように箱が積まれており、それが店舗の看板として機能しているのだ。内容を読むと、どうやらこのマンションの三階にある鍼灸院の看板らしい。
⑲ マンションの一室で営業するという店舗はよくあるが、そのマンションの前に新しく看板を設置するというのは、結構大変だ。条例によっては景観に配慮する必要があるし、マンションの権利者にも許諾が必要になる。しかし、この建物が普段は住居として使われている以上、看板などでそこに店舗があることを伝えないと、客を捕まえることは難しい。
⑳ おそらくそんな状況下で考えられたのが、「マンションの駐輪場に停めた自転車のカゴに看板を置く」というアイデアなのだろう。マンションの駐輪場に自転車を停めるという行為自体には、何の問題もない。そしてこのマンションの場合、幸運にも駐輪場は正面の道に面している。ルールを上手く利用することで、自転車に「乗り物」という本来の役割だけでなく、「駐輪場に停めることが許されている看板」という新しい役割を与えているのだ。
出典:菅俊―(2017)『観察の練習』NUMABOOKS
㉑観察力を磨くことにより問題発見能力が高まります。発見した問題についてよく考え、頭の中で熟成させることによって解決方法に気付いたり発明したりできるようになるでしょう。このような問題発見の方法をふまえ、以下の三つの問いに答えてください。
問1 現在広く使われている身近なものについて、それがなかったときにはどういう問題があり、それがどのように解決されたのかを具体的に解答欄1に横書き320字以内で記述してください。
問2 以下の資料に、SFCを見学に来たA君とB教授の会話と写真があります。これを読み、会話と写真から問題を三つ発見して解答欄2-1から2-3に記述してください。
・発見した問題は、関係する写真番号とともに文章で記述してください。ひとつの問題を説明するために複数の写真を指定してもかまいません。
・会話や写真に直接関係ある問題について書いてください。
・表層的な問題でなく、なるべく根本的な問題を発見してください。
・字数の制限はありません。
問3 問2で発見した問題のひとつを解決する方法を考えてください。誰にとっての問題がどのように解決されるかを、解答欄3に具体的に自由な形式で記述してください。
・解答はすべて文章で記述してもかまいませんし、絵と文章を組み合わせて記述してもかまいません。
・「AIで解決する」のような漠然としたものや抽象的なものではなく、実現可能性がある解決方法を示してください。
SFCに興味があるA君は、父親に紹介してもらった。B教授を訪ねて話を聞いてみることにしました。B教授とは駅で待ち合わせてバスでSFCに向かいました。
A君:バス停がたくさんあるんですね。
B教授:地下鉄や私鉄のターミナル駅だし、たくさん人が住んでるし、いろんなバス路線があるね。
写真1
B教授:今日は日曜だからバスが入口までしか行かないけど、学校がある日は構内まで行くんだよ。
B教授:まぁ今日はゆっくり歩いていこう。
B教授:これがSFCの地図だよ。北門がメインの入口だね。
(写真2)
A君:左側の窪地は何ですか?コンサートでもするんですか?
B教授:たしかに観覧席みたいだけど、使われてるのは見たことないね。
写真3
A君:ところどころ土が掘り返されてるみたいですね?
B教授:これはモグラなのかな? 虫とか動物とかは多いね。
写真4
B教授:ここが「本館前」バス停で、ふだんはここまでバスが来るよ。
A君:ヘー、カッコ良い建物ですね。
(写真5)
B教授:今日は日曜だから誰もいないけど、ふだんはバスに乗る学生が多いので結構混むよ。
(写真6)
(写真7)
A君:あれ、3時までバスは来ないんですか?
B教授:北門の前までは来るんだけど、なぜか3時を過ぎないとここまで来ないんだ。
(写真8)
B教授:昔はここに水が流れてたんだけど、地震か水不足かで流さなくなってしまったようだね。
A君:え―、そうなんですか。水が流れてたらもっとカッコ良いのに
(写真9)
A君:階段がちょっとくたびれてるみたいですね。
B教授:まぁもう30年経ってるし、前の地震のときズレた気もするね。
(写真10)
(写真11)
A君:これは就活の案内ですかね?
B教授:そうみたいだね。最近は就職事情も大変みたいだし。
(写真12)
B教授:これは「メディアセンター」という図書館なんだけど、最近は3Dプリンタやレーザーカッターなんかが使えるようになっているよ。
B教授:SFCは昔から日本のインターネットの中心的存在で、高速ネットを自由に使える環境があったんだけど、最近は誰でもどこでも高速ネットを使えるようになったね。
A君:3Dプリンタとかレーザーカッターとか、よく話題になってるし面白そうだけど使ったことないんですよ。
B教授:メディアセンターでは自由に使えるよ。将来はもっと手軽に誰でもどこでも使えるようになるかもしれないね。
(写真13)
B教授:この道の右側の敷地に「未来創造塾Student Build Campus」という施設ができたんだ。
A:それはどういうものなんですか?
B教授:SFCの教員や学生が海外の研究者や卒業生とかと一緒に泊まってじっくりいろんな活動や研究ができるような施設だよ。大がかりな工房もある。
A君:ヘー、面白そうですね。
写真14
A君:小さいポストがありますね?
B教授:北門のそばには郵便局があるんだけど、構内のポストはここだけなんだよね…
(写真15)
(写真16)
(写真17)
B教授:ここは通称「鴨池」だよ。天気が良いと気持ち良いよ。
A君:なんか棒が立ってますね?
B教授:センサーや通信装置が入ってて、いろんな実験に使われてるみたいだね。
B教授:最近はIoTという言葉をよく聞くけど、SFCではこういう先進的な研究をずっと前からやってるんだ。
(写真18)
B教授:左側の建物が教室で、右側にさっきのメディアセンターがあるね。
A君:四角い棒みたいなのが立ってますね?
B教授:なんだろうね?
B教授:今日は開いてないけど、ここが生協売店だよ。
(写真19)
B教授:じやあ、私の建物に行ってみよう。
B教授:前の建物は大学院棟といって、大学院の授業があったり大学院生が勉強しやすい環境があったりするよ。
(写真20)
B教授:道の向こうが私の研究棟だよ。
B教授:この道は構内を一周してて、通称「メビウス道路」というんだ。ちょっと離れたところにある看護医療学部との間の連絡バスが走ってる。
(写真21)
B教授:じゃあ建物に入ってみよう。
(写真22)
(B教授がA君にいろんな研究を紹介)
A君:いろいろ見せていただきありがとうございました。
B教授:じゃあ、廊下の向こうのドアから外に出ようか。
(写真23)
(写真24)
B教授:ここから生協に行ける。今日は天気が悪くて滑りやすいので気をつけてね。
(写真25)
(写真26)
(3)考え方
問1
社会的に意義のある題材を選ぶこと。
社会や生活、経済をドラステックに変えたものがよい。
私の解答例ではコンビニエンスストアで書いたが、他にはスイカ、電子マネー、スマホ、SNSなど身近な話題を深掘りして書くこと。
問2
写真9の階段から、バリアフリーなどを念頭に問題を挙げるのは、誰でも気が付くだろう。これを書いても良いが、問3でバリアフリーを書いても正しいが高得点をもらえない可能性がある。
問3
複数の写真や地図などを組み合わせて考える。
たとえば、バスがSFCの本館前までしか来ない。広いキャンパス内を歩いて移動するのが大変である。
そこで、移動手段としてレンタルできる自転車やループの設置というあいっディアが思い浮かぶ。
駅前のバス停でどのバス停でどこ行くのバスに乗ればいいのかわからない。バスが混雑する、外国人は特にバスの表示がわかりづらくて、迷うなどの問題解決として、駅からSFCキャンパス内での移動手段として自転車やループの設置を提案するのは有効。
写真②のスペースを自転車やループの駐輪所として整備できる。
解決策を単に「自転車やループの設置」とだけ書いては単純で評価点は伸びない。
決済方法、自転車やループの盗難対策、自転車やループがキャンパス内で歩行者と接触して事故を起こす危険性がある等の新たな課題を発見し、その解決策も考える、という二段構えで書くこと。
歩行者との接触事故については、自転車やループの専用道道路をキャンパス内に造るなどの解決策がある。
ちなみに、解答例では、上記とは別の内容を書いた。
環境情報学部はテクノロジーを使った課題解決策を書く方法を取る。
今回はIoTを使った。
IoTは"Internet of Things"の略でモノのインターネットと訳されている。
読み方はアイオーティー。
IoT:Internet of Things(モノのインターネット)とはモノがインターネット経由で通信することを意味する。
(4)解答例
問1
コンビニエンス・ストアについて書く。これが登場する以前は、買い物は品目ごとに肉屋、八百屋、魚屋、衣料品店、文具店などに足を運ばなければならなかった。スーパーマーケットは遠くにあるため、行く機会は少なく、週数回の来店で数日分の食料をまとめ買いした。また、生活費資金が必要なときに向かう銀行はさらに遠くの駅にあり、バスなどを利用して行くことになり、預金をおろすにも窓口で長時間待たされることになった。
C V Sは自宅の近所にあり、食品以外でも生活必需品の品揃えが豊富で、銀行の機能も併設しているため、一度にさまざまな用事を済ませることができる。他にも、宅配便の荷物の受け取りや映画や航空券などのチケットの購入など生活に必要な最低限のサービスの多くをC V Sが提供していることで、私たちの生活の快適さや利便性は著しく向上した。(318字)
問2
解答例①問題
(写真1)と(写真5)
B授:今日は日曜だから誰もいないけど、ふだんはバスに乗る学生が多いので結構混むよ。
(写真7)
A君:あれ、3時までバスは来ないんですか?
B教授:北門の前までは来るんだけど、なぜか3時を過ぎないとここまで来ないんだ。
解答例①
初めてSFCを訪れる人がSFCに行くために、どこのバス停から、どのバスに乗ればいいのかわからない。すべてのバス停の行く先表示をひとつひとつ順番に見ていくのは面倒だし、時間がかかる。特にSFCを訪れる外国人の来訪者は、バスがわかりづらくて、利便性に問題がある。さらに通勤・通学が集中する朝の時間帯にすべての利用者がバスに乗れない事態が起こることが危惧される。1本バスに乗れないと、授業に遅刻する場合がある。
②解答例②問題
(写真8)
B教授:昔はここに水が流れてたんだけど、地震か水不足かで流さなくなってしまったようだね。
(写真9)
A君:階段がちょっとくたびれてるみたいですね。
B教授:まぁもう30年経ってるし、前の地震のときズレた気もするね。
解答例②
地震が原因で水が流れなくなったということなら、この場所に水を供給しているパイプが地震で破損したことが原因と考えられる。地下に埋設されている水道やガスのパイプが老朽化し、あるいは地震が原因となって亀裂が入るなどの破損した場合、どこの箇所に問題が発生しているか、地上から突き止めることができない。結局、地下に埋設されている水道管が破損した場合、すべての地面を掘りおこし、すべてのパイプを新しいものに交換する手間とコストがかかる。
階段だけでなく、ほかにも施設の老朽化はキャンパス各所で起こっている可能性があり、電柱や建築物の場合、これが倒れたら人的被害が発生する危険性がある。
解答例③問題
(写真14)
A君:小さいポストがありますね?
B教授:北門のそばには郵便局があるんだけど、構内のポストはここだけなんだよね…
(写真15)
(写真16)
解答例③
広い構内でポストや生協が1カ所だけというのはあまりにも不便。しかし、ポストや生協を増設すると、郵便局員が回収する手間やコスト、コンビニの人件費などがかかる。
問3
解答例①
地面の下に埋納した水道管の老朽化や地震などの際の破損に対して水道管にセンサーをつけてIoTの技術を用いてパイプの破損個所を特定するソリューションを提案する。水道管のセンサーは振動や水位を24時間モニタリングする。パイプにひびが入ると、ひびの周辺で水流が乱れ、その個所のパイプに振動が生じる。またその個所の水位が低下する。そうすると、その周辺に設置されたセンサーが振動や水位の異常をキャッチするとアラームが作動する。中央管理室の警備員に警報を知らせ、ただちに異常が発生した箇所に作業員が向かい、そこの地面を掘り起こして修理することができる。
このセンサーはキャンパス内の電柱など、倒壊すると危険な建造物に設置して、24時間モニタリングすることで事故を未然に防ぐことができる。
このようにIoTの技術を用いたセンシングは水道管の場合には、学内の安全管理担当者の省力化や効率化に貢献する。また電柱等の構造物に実装したIoT技術はSFCキャンパス内を来訪するすべての人の安全を守ることができる。
解答例②
初めてSFCを訪れる人、特に外国からの来訪客が駅からキャンパスへのアクセスを最適化するためのソリューションとして、バスを基盤とした大量輸送システムであるBRT(bus rapid transit)の導入を検討します。
バスターミナルに掲示されている路線図は鉄道並みの分かりやすさを目指します。また、案内表示やバス車内の放送は多言語対応を行うことで、外国人に対しても使いやすい環境を整備していきます。
車椅子使用者などがスムーズに乗り降りできるように、ノンステップバスを採用し、バリアフリーを徹底化することで障害者に配慮します。
朝の通勤・通学時には、学生や利用者で混み合い、乗客がバスに乗れなくなる可能性があります。こうした問題に対処するために、混雑時には連節バスの運行を計画します。
さらに、CO2排出量の少ない燃料電池車両やハイブリッド車両を採用して環境負荷を低減します。
以上のように、BRTの導入により、輸送力の増強を図り、定時運行を確保し、快適で安全な公共交通システムを構築することでSFCへのアクセスの最適化を実現させます。
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