こんにちは。
サウンドエンジニアのかんころもっちと申します。
歌ってみたやシチュエーションボイスの活動を宅録でされている方向けに、エンジニア目線で情報を発信しています。
知っておくだけで作品のクオリティアップやトラブル回避につながることもありますので、ぜひお役立ていただければと思っています。
わかりやすさを重視している性質上、難しい表現はできるだけ避けています。
そのため一部正確ではない表現もあるかもしれませんがご容赦ください。
”声の録音は適切な音量で!クリッピングについて”
音声データは「適切な音量」で録音することがとても大切です。
はて?「適切な音量」とはいったい何でしょう?
まずは音声データの仕様について知っておきたい事があります。
それは音声データは録音できる音量の最大値が決まっているという事です。
その最大値を「0dB」(ゼロデシベル)で表します。
そこから音量が下がるにつれて-3dB、-6dB、-9dB…と表します。
では0dBを超えた音が入力された場合、どうなるのでしょうか?
例えば、録音している時に声が大きすぎて0dBを超えてしまった、なんてことがあったとしたら…
その場合、0dBを超えた部分はデータ化できず音割れが発生します。
これを「クリッピング」といい、録音では避けるべき現象です。
まとめると、
・音声データの音量には最大値が決まっていて、「0dB」で表す。
・録音時に0dBを超えた音は音割れし、それを「クリッピング」という。
ということです。
ではここからが本題です。
「クリッピング」するとどう聴こえるのか?
2つの比較動画をつくりましたのでご覧ください。
クリッピングしていない、クリーンな音声
クリッピングしている、音割れした音声
これは意図的にクリッピングさせた音源になります。
拡声器みたいな尖った音になり、耳に刺ささる感じがキツいですね…
波形を拡大して比べてみます。
クリッピングしていない、クリーンな音声
クリッピングしている、音割れした音声
クリッピングしている、音割れした音声(説明追加)
音声データは最大値である0dBを超えた音を記録できません。
そのため上の画像では0dBを超えた部分、波形の山がなくなっています。
これが音割れとなって耳に刺さるような音として聞こえてしまいます。
ではこれを回避するためにはどうすればいいのでしょうか?
方法は簡単です。
マイクの感度(ゲイン)を下げ、0dBに収まる範囲で録音をおこなうことでクリッピングを回避します。
録音ソフトのメーターの音量が0dBに触れていないか確認をしましょう。
目安としては、声が大きい所(サビなど)でピークを-6dB以下におさめるようにすると余裕のある録音ができるかと思います。
マイクの感度を下げるだけ!?簡単じゃん!
…って思われる方も多いと思います。
そう、簡単なんです。
こんなちょっとした心掛けで音割れを回避し、クオリティアップに繋げることができます。
せっかく声を作品として残すわけですから、よりよい音で、“適切な音量”で録音をおこないましょう!
※補足
機器によっては-3dBあたりからリミッターや音量調整機能が作用し、大きな音量でも0dBに達しないものがあります。それらはクリッピングとは違いますが、最終的にはクリッピングと同じような拡声器みたいな音になってしまう事があるため、機器の仕様について詳しく分からない場合は0dBではなく-3dBに触れないよう録音することをオススメします。