ネットミーム化した「絶世の美女」、その真実の姿とは! 『ペルシア王宮物語―ハレムに育った王女 』(東洋文庫)

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みなさんは、TOPのイラストに描いたような女性の写真を、見たことはあるでしょうか?
一時期ネット界隈でこすられたネタで、
「19世紀ペルシアで、145人の男性にプロポーズされた絶世の美女、サルタネ王女」
などと紹介。
「絶世の美女」のイメージから離れたその特徴的な容姿から、ミーム化されていました。

もちろん、これはもういろいろと誤った情報です。

まず、「サルタネ王女」に該当する人物は実在します。
ターッジョサルタネ、またはタージ・アッサルタネと表記される人物で、19世紀末から20世紀のカージャール朝(ペルシア。現イラン)の王女。
「タバコ・ボイコット運動」にはじまる「立憲革命」など、近代化の波が襲う激動の時代を生き抜いた女性です。
国王の娘として「ハーレム」の中で育ち、その前近代的な風習や、崩れ行く王政、革命へと向かう世の中の動きとともに、彼女自身の知識の目覚めとフェミニズム的開花などを記した回想録で注目されました。
実際、彼女は自らを美しかったと書いてはばからず、多くの人に愛された存在だったようです。
が、「145人の男性にプロポーズされた絶世の美女」などというのは真っ赤な嘘。
そもそも、TOP画の元になった写真は、実はまったく別の人物で、本書で紹介されている彼女はこんな人物です。
(いや、似た感じか……)
イラスト.jpg

しかし、洋装であることなどから、彼女の近代への眼差しを感じます。

彼女が描くハーレムの生活は、国王の下劣な趣味や、当時の人々の暴力的な性向がよく見えて、なかなか強烈です。
そんな特殊な環境で育ち、革命の波にもまれながらも、近代的な知に目覚めた女性。
とても興味深いです。

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