障害者グループホーム(GH)の開業に向けて収支計画のExcelを探していると、次のような疑問が出てくることがあります。
「入居者が増えたら、月ごとの売上をどこまで計算できる?」
「入居者から受け取る家賃と、法人が支払う建物の賃料は分けられる?」
「夜間の加算や職員の夜勤手当まで、全部自動でつながる?」
現在提供しているGH専用テンプレートについては、利用者数、報酬・加算、職員の勤務時間・給与、月次経費などの設定項目があることを商品ページで案内しています。
ただし、これらを設定できることと、入居率・家賃収支・夜間の加算と人件費の細かな管理まで自動で行えることは別です。公開ページだけでは計算範囲を確定できない部分は、購入前に見本で確認します。
この記事では、GHの一般的な収支計算方法ではなく、専用Excelが自社の計画に合うかを確かめる順序を整理します。
1.結論|「必要な収支項目」と「Excelの計算機能」を分けて考える
まず、収支の確認軸を次の3つに分けておくと判断しやすくなります。
・入居・報酬:月次の利用者数と、実際に報酬計算で使う条件をどう扱うか
・家賃・物件費:利用者から受け取る家賃等と、法人が負担する賃料・維持費をどう扱うか
・夜間支援:夜間に関係する報酬・加算と、実際の夜勤人件費をどう扱うか
この3つは、GHの収支計画を考えるための確認項目です。販売中のExcelに、すべて専用入力欄として用意されているという意味ではありません。
見本では、「どの前提を入力できるか」「何が自動計算されるか」「どの結果を確認できるか」を分けて見ましょう。
2.商品ページで確認できること|利用者数・報酬・人件費・月次経費
GH専用テンプレートの商品ページでは、PowerPointの事業計画書式、3年間の収支・資金計画Excel、ご利用ガイドを案内しています。PowerPointとExcelはいずれも編集可能です。
収支Excelの設定項目としては、次のようなものが例示されています。
・定員、開所日数、月次の利用者数
・地域単価、基本報酬、各種加算、自己負担
・職員の職種、勤務時間、給与、社会保険料
・初期費用、月次経費、自己資金、借入条件
条件を入力して、報酬・費用と、月次から3年間の収支・資金計画を確認する商品です。
一方で、家賃・夜間勤務に関する専用欄の構造や、入居状況と報酬算定日数の細かな自動処理は、この商品説明だけでは判断できません。 自社の条件をどこまで反映できるかは、見本で確認してください。
3.入居率|入居人数と報酬算定対象日数は同じではない
GHの収支を考えるうえで、まず入居者数を置くことは重要です。ただし、「入居率」という一つの数字だけで、その月の給付費収入まで決まるわけではありません。
たとえば月末に5人が入居していても、5人全員が月初から入居していたとは限りません。また、契約上の在籍日数と、実際に報酬を算定する対象日数が常に同じとも限りません。
そのため実務上は、次の数字を区別しておくと整理しやすくなります。
・月末の入居人数
・月間を通じた在籍状況
・報酬の算定対象となる日数や条件
これは計画を考える際の整理であり、GH商品にこれらすべての専用計算機能があるという意味ではありません。
商品ページでは「月次の利用者数」を設定できると案内しています。購入前には、月ごとの入居予定人数を変えたとき、どの計算結果にどこまで反映できるかを見本で確認しましょう。
4.家賃|入居者からの家賃と法人の物件費を分ける
GHでは「家賃」という言葉が、収入側と支出側の両方に登場します。
一つは、入居者から受け取る家賃等です。もう一つは、法人がオーナー等に支払う物件賃料や、建物に関係する費用です。
両者が同じ金額になるとは限りません。また、入居者から受け取る家賃・食費・光熱水費等は、福祉サービスの給付費とは区別して考える必要があります。
物件によっては、賃料のほかに修繕・保険・設備の費用も生じます。入居者からの実費受領と、それに対応する支出も分けておくと、自社の収支を確認しやすくなります。
GH商品ページでは「自己負担」「月次経費」などの設定項目を案内しています。しかし、入居者家賃と法人物件賃料を別々に入力・計算する専用欄があるか、どこまで自動で差し引かれるかまでは確認できません。
家賃の扱いが重要な場合は、入居者からの受領額と法人が負担する物件費を、それぞれどう設定できるかを見本で確認してください。
5.夜間支援|報酬側の条件と勤務・人件費側の条件を分ける
夜間支援も、収入側と費用側を分けて考えることが大切です。
収入側には、計画する類型や運営条件に応じて適用を検討する報酬・加算があります。どの加算を算定できるかは、実際の制度要件や事業所の条件で別途確認する必要があります。
費用側には、夜間の勤務時間、給与・手当、法定福利費、代替勤務等に関する人件費があります。夜間に関係する報酬があっても、その金額が職員の夜間勤務費用と一対一で一致するわけではありません。
GH商品ページには、各種加算、職種、勤務時間、給与、社会保険料等の設定項目があります。しかし、夜間支援の加算と夜勤の勤務時間・手当等が、どこまで専用計算・自動連動されるかは未確認です。
見本を確認する際は、報酬側の設定と職員の勤務条件を、それぞれどの入力欄で扱うのかを分けて質問しましょう。また、夜間支援の制度上の要件や必要な人員を、このExcelの計算結果だけで判断しないことも重要です。
6.前提を変更したとき|Excelで確認したい計算と反映範囲
テンプレートを選ぶときは、最初に表示される計算結果だけでなく、自社の計画を変更したときに何が変わるかも確認しておきたいところです。
購入前の見本確認では、たとえば次のような質問が役立ちます。
・入居開始予定が遅れたら、月次利用者数と収入のどの欄を変更するか
・入居者に関する家賃収入と、法人の家賃・物件費をそれぞれ設定できるか
・夜間の勤務時間や給与条件を変えたとき、どの人件費が計算結果に反映されるか
ただし、これらは商品に備わっている自動シミュレーション機能を示すものではありません。入力欄や計算式の有無を確かめるための質問例です。
また、複数の共同生活住居を計画している場合は、住居別の計算範囲も確認が必要です。単品GHに多棟・住居別の自動集計機能が標準であるとは決めつけないでください。この点は別記事でも扱っています。
7.見本依頼前に整理したい5つの質問
GH専用テンプレートが自社に合うか迷っている方は、次の5点を整理して見本依頼の際に伝えると、確認がしやすくなります。
1.予定するGHの類型と住居の構成
介護サービス包括型か日中サービス支援型か、住居数はどの程度か。住居が複数ある場合は、必要な計算単位も伝えます。
2.定員と入居者数の増え方
開業時と数か月後の入居予定を考えたうえで、月次利用者数・算定対象日数の扱いを質問します。
3.入居者からの家賃と法人の物件費
家賃等の受領額と、法人負担の賃料・維持費を別々に入力・確認できるかを聞きます。
4.夜間支援に関する報酬と人件費
予定する夜間体制と勤務条件を整理し、加算等の報酬側と夜勤人件費側がどう扱われるかを確認します。
5.見たい計算結果の期間・単位
月次から3年間の収支・資金計画のどこで確認できるか、必要な場合は住居別に確認できるかを尋ねます。
この5点は、商品ページで指定された必須の提出書類ではなく、購入前に自社の条件との適合性を確認するための実務上の質問例です。
8.まとめ|自社の入居・家賃・夜間体制に合うか見本で確かめる
GH専用テンプレートでは、利用者数、報酬・加算、人員・給与、月次経費、資金条件などを設定できると案内しています。
ただし、入居率や報酬算定日数、利用者からの家賃と法人物件費、夜間の報酬と人件費について、詳細な入力・連動の範囲までは商品ページだけで判断できません。
自社の入居計画・家賃の扱い・夜間の勤務体制を整理し、必要な計算範囲を見本で確認できるかを確かめてから選びましょう。
購入前に見本をご希望の場合は、予定する類型・定員・入居計画と、特に確認したい家賃・夜間の計算範囲を添えて、「見本希望」とメッセージでお知らせください。