障害者グループホーム(以下、GH)の開業準備を進めていると、事業計画書や収支計画をどう作るかで迷うことがあります。
「自分でゼロから作った方がよいのか」
「テンプレートを使えば十分なのか」
「個別に作成してもらった方がよいのか」
結論から言うと、3つの方法は優劣で選ぶものではありません。
どこまで自分で事業条件を決め、数字を組み、資料にできるかで考えると選びやすくなります。
この記事では、GHの事業計画書の作り方を「自作・テンプレート・作成代行」の3つに分け、どんな場合にどの方法を検討しやすいか整理します。
1.結論|「どこまで自分で決めて作れるか」で選ぶ
選び方は、大きく次の3つに分かれます。
・事業条件を調べ、収支計算と事業計画書の構成まで自分で組める → 自作
・入居者数・人員・物件費・借入条件などは自分で決められるが、Excelの計算式やPowerPointの構成をゼロから作る負担は減らしたい → テンプレート
・事業条件の整理から数字の組み立て、文章・図表化まで、個別条件に合わせて任せたい → 作成代行
比べるべきなのは「どれが一番よいか」ではありません。自分にどの程度の作成支援が必要かです。
2.まず3つの方法を整理|違いは「誰が前提を決め、誰が資料を作るか」
事業計画書は、PowerPointの文章を作るだけでは完成しません。
GHの場合、入居者数、人員、報酬条件、物件費、初期費用、借入条件などを整理し、売上・人件費・その他費用・資金計画へつなげる必要があります。そのうえで、数字と文章が矛盾しないように事業計画書へまとめます。
3つの方法の違いは次のとおりです。
自作
前提条件の調査、収支計算、Excelの作成、文章・図表化まで、基本的に自分で行います。
テンプレート
書式・計算構造・事業計画の構成は用意されています。購入者自身が自社の条件を入力・調整し、資料を完成させます。
作成代行
ヒアリングした個別条件をもとに、事業計画書と収支・資金計画の作成そのものを依頼します。
違いは、完成資料があるかどうかだけではありません。事業条件を整理する工程と、それを資料へ落とし込む工程を誰が担当するかが大きな違いです。
3.自分でゼロから作るのが向いているケース
自作は、外部の商品や作成サービスを使わず、事業計画書と収支・資金計画を自分で組み立てる方法です。
次のような場合は、自作を検討しやすくなります。
・GHの事業条件や報酬の確認を自分で進められる
・入居者計画、人員計画、物件費、資金条件などを自分で決められる
・Excel等で収支計算を組める、または自社で使える様式がある
・PowerPoint等で事業計画書の文章・図表をまとめられる
・資料作成に使う時間を確保できる
自作の利点は、自分の考え方に合わせて自由に設計できることです。一方で、書式だけでなく、計算式、前提条件、文章構成まで自分で作る必要があります。
「情報は集められるが、資料の型をゼロから作ることに時間を使いたくない」という場合は、テンプレートも選択肢になります。
4.テンプレートを使うのが向いているケース
テンプレートは、事業条件を自分で決めて入力できるが、計算式や資料構成をゼロから作る負担を減らしたい人に向いています。
現在提供しているGH専用テンプレートには、構成済みのPowerPoint、3年間の収支・資金計画Excel、ご利用ガイドが含まれています。PowerPointとExcelは編集でき、自社の前提を設定して計画を作る形です。
ただし、テンプレートを購入しても、自社の事業条件まで自動的に決まるわけではありません。
「入居者を何人から始めるか」
「どの人員体制で運営するか」
「物件費をいくらで置くか」
「借入条件をどう設定するか」
といった前提は、購入者自身が決める必要があります。
こうした前提を決められるのであれば、テンプレートを使うことで、Excelの計算式やPowerPointの構成を一から作る工程を減らせます。
5.作成代行が向いているケース
作成代行は、書式だけでなく、個別条件を整理しながら事業計画書と収支・資金計画を作る工程そのものを依頼したい場合に検討する方法です。
現在の個別作成サービスでは、開業条件等をヒアリングしたうえで、PowerPointの事業計画書と3年間のExcel収支・資金計画を作成します。
次のような場合は、作成代行を検討しやすくなります。
・GHを開業したいが、事業条件をどの数字で置くか整理し切れていない
・入居計画・人員・物件費・借入条件を一つの収支へつなぐところで迷っている
・計算だけでなく、事業内容を文章や図表へまとめるところまで任せたい
・資料作成に十分な時間を使えない
・作成途中で質問や相談をしながら進めたい
ただし、作成代行でも、事業の前提情報が不要になるわけではありません。開業予定のサービス、時期、想定する人員や物件、資金条件など、計画を作るために必要な情報は共有しながら進めます。
6.迷ったときに確認したい5つの質問
どの方法にするか迷ったら、次の5点を確認してみてください。
1.自社の事業条件を自分で決められるか
入居者数、人員、物件、初期費用、借入条件など、事業計画の前提を自分で設定できるかどうかです。
2.売上・人件費・その他費用をつないで収支を作れるか
数字を入力するだけでなく、各条件が収支へどうつながるかを整理できるかを考えます。
3.文章・図表まで事業計画書へまとめられるか
収支計算ができても、金融機関や関係者へ説明する資料として、文章・表・グラフへまとめる作業は別に必要です。
4.資料作成に使える時間はどのくらいあるか
自作できる知識があっても、物件、採用、指定準備等と並行して、資料を作る時間を取れるとは限りません。
5.個別に相談しながら進めたいか
自分で判断できる部分が多いのか、質問しながら事業条件を整理したいのかも、選ぶ基準になります。
この5つを確認すると、「作れるかどうか」だけでなく、どこまでを自分で担当したいかが見えやすくなります。
7.テンプレートと作成代行で誤解しやすい点
■ テンプレートは「買えば完成する商品」ではない
テンプレートには計算式や事業計画の構成が用意されていますが、自社の条件を決めて入力・調整し、内容を確認するのは購入者です。
事業の前提がまだ決められない段階では、テンプレートがあっても入力する条件で迷うことがあります。
■ 作成代行は「何も決めなくてよいサービス」ではない
作成代行ではヒアリングを行い、個別条件を反映して資料を作ります。
ただし、開業予定、事業の考え方、物件、人員、資金等について、分かる範囲の情報を共有しながら進める必要があります。
■ どちらも融資や許認可を保証するものではない
テンプレートも作成代行も、事業計画を作成・整理するための手段です。
融資、許認可、事業の成功そのものを保証するものではありません。
8.まとめ|必要な支援水準から選ぶ
障害者グループホームの事業計画書の作り方は、一つではありません。
事業条件の調査からExcel、文章、図表まで自分で組めるなら、自作。
事業条件は自分で決められるが、計算式や資料構成をゼロから作る負担を減らしたいなら、テンプレート。
個別条件の整理から文章・数値・図表の作成まで依頼したいなら、作成代行。
「どれが一番よいか」ではなく「自分にはどこまでの支援が必要か」から選ぶと、整理しやすくなります。
GH専用テンプレートは、購入前に見本を確認できます。
個別作成は、見本の確認に加えて、見積り相談から進めることができます。
迷っている場合は、完成形のイメージと、自分で担当する範囲を確認してから選んでください。