私が高校生だった時 学校の「夏期進学合宿」に参加した。
とても厳しかった。
けれど ある夜友達とそっと抜け出して 散歩に行った。
野尻湖が見えた。 月が輝いていた。
本当は友達と「将来の夢」とか「現在の不安」とか
話しをしようと思ったのだけれど その光景があまりに美しくて
言葉もなく ただただ見入っていた。
帰りに友達は「もし私にも恋人ができたら 湖で一緒に
ボートに乗るんだ」と呟いた。
私にはそれが どんな夢よりも 例えば
「志望校に合格する」とか「ちゃんとした所へ就職する」とかよりも
ずっと素敵な夢に思えて
「私も」と言った。
あれから随分 長く長く月日は流れていった。
あの時の友達は今どこにいるか わからない。
彼女は夢を叶えただろうか?
私はまだだ。